マイホーム購入は街への投資?「立地適正化計画」で資産価値のない立地を避ける

市町村が人の住む場所を選別する立地適正化計画。コンパクトシティが加速

少子高齢社会に歯止めがかからない中、「立地適正化計画」を作る動きが加速しています。

これは、市町村が自分たちのエリアをどのようにしていきたいかを計画するものです。

特に特徴的なのは、自治体が地域の中で分散して人が住んでいる今の現状を見直し、「人を住まわせたいエリア」として「居住誘導区域」を定め、その中に商業施設や医療施設を誘導する「都市機能誘導区域」を作ることです。

つまり、市町村が「ここに人を集めて、ここに施設を集めたいな」と地域を線引きし、実際にそのような街並みが実現するよう「誘導」するのです。

地域の中に、都市機能を集約させたいくつかの拠点を作り、その拠点同士を公共交通ネットワークで結ぶことで、効率の良い都市を実現しようするイメージです。

これによって、コンパクトな都市にして効率的な行政サービスを提供することや、高齢者にとっても利便性の高い街づくりを実現するものと考えられています。

住むエリアを市町村が限定する立地適正化計画!家の資産価値に大きなインパクト

取組みを行う自治体は増え続けている。既に計画を公表した自治体数は110都市超に

立地適正化計画を作るかどうかは自治体に任せられていますが、コンパクトシティとする必要性を感じている自治体は増加し続けています。

具体的な取り組みを行っている自治体の数の過去推移をみても、276団体(2016年3月31日時点)→289団体(2016年7月31日時点)→357団体(2017年7月31日時点)と着実に増え続けています。

中には札幌市や名古屋市、神戸市、岡山市、広島市など規模の大きな政令指定都市も含まれており、なにも地方都市に限った話ではありません。東京都でも福生市と日野市が立地適正化計画に取り組んでいます。

パブリックコメントを実施中や計画策定に着手したばかり、など取り組み状況に差はありますが、実際に計画を既に作成・公表したのは112都市(2017年7月31日時点)あります。

その中で、都市機能誘導区域と居住誘導区域ともに設定した市町村は66都市、都市機能誘導区域のみ設定した市町村は46都市です。

※2017年12月14日現在の最新情報では、立地適正化計画を公表した自治体の数は114都市となっています

家を買う時には、立地適正化計画をチェック。資産価値に大きな影響

今後のマイホーム購入においては、買おうと思っている物件の立地が立地適正化計画が定められている(ようとしている)エリアか必ずチェックしましょう。

計画が公表されていれば、買おうと思っている物件が居住誘導区域に入っているかどうか確認することが大切です。

もし居住誘導区域から外れた地域に住む場合、将来周辺の商業施設が撤退したり、公共交通機関が統廃合されるなど不便な生活を強いられる可能性もあります。

また、居住誘導区域「外」は新たに人口が流入しずらいエリアです。自宅周辺に人が住まなくなる可能性もあり、周辺環境は悪化し、人口減少だけが進むことになります。

具体的には、病院や商業施設も撤退し、そして公共インフラが老朽化しても設備更新の予算を割り当てられにくくなり、人が寄り付かなくなり…と、どんどん住環境が悪化する可能性があるのです。

そうなると、家の資産価値も急落し、住み替えようと思っても将来自宅を売却できなくなり住み替え資金も確保できなくなる可能性もあります。動きたくても動けない状況が生まれるのです。

家の価値の大部分を立地が決める。住宅を買うことは、街に投資すること?

マイホームは、将来、他人に貸したり売ったりすることで「資産運用」することができます。

そのためにも、家を買う前に新産価値のある住宅かどうかを検証することは忘れてはなりません。

そして、家の資産価値の90%は立地で決まるといわれるくらい、立地(街の活性化度合いや最寄り駅までのアクセス性など)が重要です。

立地適正化計画は、都市の再生や住む場所の合理化、公共交通の整備といったこと以外にも、医療・福祉、子育て支援、学校教育、防災など多岐にわたる項目に影響を与えます。

どこの土地がどうなるかの未来予想図をあらかじめ市町村が指し示してくれるものでもあり、立地の良し悪しを教えてくれる貴重な計画書でもあるのです。

立地適正化計画は、買ってはいけない(成長が見込めない)エリアを教えてくれる

家を買うということは、その地域・街に投資することと同じです。

住宅を購入して住民票を移し、その街に税金を納めます。それを原資に役所が公共サービスを提供したり、商業を発展させるなどして人を呼び込むのです。

それならば、マイホームを購入する時には、建物の内装やキッチンなどの設備よりもまず、「その街が将来活性化するか?成長するエリアか?」を見極めなければならないということです。

逆にいえば、将来成長が見込めないエリア、人が去っていく地域に住宅を買うことは、将来、家の資産価値が急落するリスクがあるということです。

立地適正化計画は、買ってはいけない立地も教えてくれるものでもあるのです。

今後、ますますコンパクトシティを交通ネットワークで結ぶ街づくりが進んでいくと見込まれる中、家を買う場所の選定やマイホームの資産性検証ができる不動産屋を選んでくださいね!

【参考】人口急減エリアで計画を公表したのはわずか1%?難航する線引き

計画策定に向けて取り組みを行う自治体が増え続けていますが、一方で人口が大きく減少すると見込まれるエリアではその進捗状況が悪い状況です。

具体的には、2017年11月16日に行われた経済財政諮問会議の資料「質の高い社会資本の整備に向けて」によると、福島県を除く全国の1,683の市町村のうち、実際に計画が策定されたのは110都市(6.5%)に留まります。

その中で、「2030年までに人口が2割以上減少すると見込まれる約500の自治体のうち、計画を策定したのは5団体にとどまる」ことが示されています。

 

【立地適正化計画の策定状況】(2017年7月31日時点)

人口変化率
(2015年→2030年)
市町村数内、計画策定済割合
増加8344.8%
0%~▲10%4455011.2%
▲10%~▲20%646517.9%
▲20%~▲30%43151.2%
▲30%~7800%
合計1,6831106.5%
【資料】国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(平成25年3月推計)」、国土交通省「立地適正化計画作成の取組状況(平成29年7月31日現在)により有識者議員作成。人口見通しが作成されていない福島県の市町村を除く

 

議事要旨の中では、有識者議員より人口減少の見込みが大きい自治体で計画を作ったのはわずか5団体(1%)に過ぎず、国としても早急な計画策定の支援をすべきと指摘しています。

 

立地適正化計画だが、今後の人口減少見込み幅の大きな自治体ほど、コンパクトシティーに向けた立地適正化計画を策定する必要性が高いと思うが、策定しているのは5団体にとどまっている。

国交省におかれては、関係省庁と協力して、例えば2030年までに、人口が2割以上減少する見込みの約500団体のうち、都市計画区域を有するのが300団体弱と承知しているが、その全ての自治体で、今後3年以内に立地適正化計画を策定するよう促していただいてはどうか。

国はそのための取組を支援すべきである。(2017年第15回経済財政諮問会議 第32回総合科学技術・イノベーション会議 議事要旨より)

 

人口増加が見込まれるエリアは、立地適正化計画を早急に作る必要性の低いことを考えれば、2030年までに人口が▲20%未満に抑えられる見込みの「中堅都市」の計画公表が進んでいる状況です。

大幅な人口減が予想される「小規模都市」は、中堅都市に後れを取りつつも、国の支援なども受けながら今後少しずつ公表されていくと考えられます。

居住誘導区域や都市機能誘導区域の設定に苦慮する市町村。合意形成が難しい…

小規模都市の計画策定が遅れる背景には、自治体の内部組織の調整や、計画に対する理解の違い、そしてなにより合意形成が難しいという事情があります。

立地適正化計画の作成しようとしている関東の45市町村に対して「計画を検討する中で、対応に苦慮している事項」という質問をした調査があります。

結果をみると、地域住民にとって自宅の資産価値にも大きな影響があるため、「住民合意形成」と合わせて「居住誘導区域の設定」「都市機能誘導区域の設定」という、区域の線引きに難航している様子がうかがえます。

対応に苦慮している事項【出展】国土交通省関東地方整備局 建政部都市整備課「立地適正化計画に関するアンケート調査から見た自治体における計画立案の課題と工夫点

また、「誘導するための施策」など、住む場所を移させるために具体的にどういう風に実行していくかについても懸念が示されています。

街を開発していくこと(作っていくこと)はある意味容易にできるといえますが、一旦生活環境が整うと、それを変えていくことは相当難易度の高いことです。

市町村によって、計画公表時期はバラつきがでることが予想されますが、街のコンパクトという方向性は変わらないと予想されます。今後も計画の進捗状況に注目していきましょう。

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