不動産会社はリスク情報など「契約が遠のく情報」を積極的に伝えません。例えば、以下のような項目を知らないまま買う方がほとんどです。
将来、「相場よりかなり高く買ってしまった…」「耐震性に問題がある物件で値下げしないと売れない…」などが分かったとしても契約した後ではどうしようもなくなってしまいます…。
そしてこんな失敗も…
マイナス情報を知らずに買ってしまった…
ネットに物件広告していた会社に直接問い合わせました。
「いい物件ですよ!キッチンも先日入れ替えたばかりでキレイなお家です!」という話を鵜呑みにしてそのまま不動産屋で契約(3,200万円)、新生活がスタートしました。
それから8年後、Kさんの転勤が決まり、家族全員で引っ越しをすることになりました。
実はこの物件、旧耐震基準で建築されており、また駅距離が遠く賃貸ですら家賃を下げないと入居者募集が難しい状況です。
ローンの残債はまだ2,500万円以上も残っています。2,000万円では売れません。満足に貸すこともできない、売ることもできない…マイホームが一転、家計の足を引っ張る「負債」へと姿を変えてしまったのです。
不動産屋は「いい物件ですよ、契約しましょう」としか言ってくれません。契約させないと儲からない(仲介手数料が発生しない)ためです。
この失敗の原因は、間取りや設備など広告図面に載っている情報だけで判断したことです。つまり、誰も「買っていい家か?」を検証せずに大きな取引を行ったことが失敗要因でした。
結果、▲1,000万円単位でお金を損した…
新築マンションには、例えばモデルルームの設置やキレイなパンフレットなど、多額の販売経費が上乗せされ「カギを回せば2割価値が下がる」ともいわれています。
実際、自宅を売却したら▲1,000万円以上の損を出したという人が40%弱いるという統計データもあります(不動産流通経営協会)。
一般的に、物件の価格は15~20年程度で価格が下げ止まる傾向にあります。
「安く」かつ「自分好み」のマイホームを手に入れるには、価格が落ち着いた中古住宅を安く購入し、自分の好きな設備や間取りにリノベーションを行う方法もあります。
事実、合理的な考え方を好む欧米では、当たり前のように7~9割の人が「中古物件」を買っています。しかしそれでも日本では8割以上の人が「新築物件」を購入します。
それは不動産会社が「夢のマイホーム」などと言って気持ちを高揚させ、イメージだけで契約を結ばせようとするためです。
決して新築が悪いわけでも問題なわけでもありません。買っていい新築もあります。その違いを知った上で購入しましょう。
新築・中古に限らず、「価格は妥当か」「費用対効果は問題ないか」など“資産価値があるか”をきちんと分析・確認した上で家を買うことが求められます。
老後、住み替えることができなくなった…
既に、利便性の高いバリアフリーの都心マンションへ住み替える高齢者は増えています。
逆にいえば、マイホームを買う時に、将来の住み替えを見据えて「高く売れる住宅」「お金を生み出す家」を手に入れておくことが求められる時代に突入しているのです。
事実、30年以上前に郊外住宅を購入した高齢者が「動けない」という状況になっていることが報道されています(日経新聞、東洋経済など)。
買主にとっては、将来の住み替えまで見据えた長期的な暮らしが大切です。アメリカでは買うときに売ることを考えるのは当たり前です。
しかし不動産会社は契約させたら仕事は終わりです。買主の将来のことは度外視し、目先の利益しか考えない傾向にあるのです。
立地や住宅の資産性をしっかりと検証し、「資産価値」にこだわったマイホーム購入を行えば、将来自宅が高く売れ、たくさんのお金が戻ってくる可能性が高まります。
少子超高齢社会は、売ることまで考えて家を買わないと失敗する時代です。これからの家探し、「買ってもいい家か?」を検証することが強く求められているのです。