不動産屋の営業電話がしつこくてウンザリ!勧めるなら自分で投資物件買えよ!

「お勧めするならあんたが買えよ!」しつこい不動産営業への素朴な疑問

「マンション買いませんか」「あなたにピッタリの投資物件です」こんな言葉で不動産屋から電話営業の攻勢をかけられたことありませんか。

忙しいのに何度もかけられ、「いりません」と答えればガチャ切り…などなど嫌な経験をされた方もいらっしゃるかもしれません…

そんな対応の悪さが目立つ不動産屋ですが、あらためて考えれば「そんなに良い物件なら自分で買えよ!」という素朴な疑問が湧きます。

「買いたいけどカネがないんだよ!」という単純な理由もあるでしょうが、ここではより冷静に考えてみましょう。

尚、自社利益のためにただ売りつけるだけの不動産屋の話はここでは置いておき、まっとうに購入を勧めてくる不動産会社の背景について考えていきます。

買いたいけど買えない…短期的な利益を求めざるを得ない仲介会社の宿命?

あなたは今だけ小さな不動産仲介業者の経営者です。ある日、都心で利回り年8%、その他条件もピカイチな満室一棟マンション(優良物件)に巡り合いました。

物件価格は1億円で自己資金として2,000万円必要ということが分かりました。さて自分の会社で購入するでしょうか。お客様にご紹介するでしょうか。

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会社としては、毎月の支払いが常に頭にあります。株主のためにも、期末決算までに業績を上げる必要があるかもしれません。

年8%の利回りは月0.7%(1億円の物件なら70万円)です。ならば仲介手数料で短期の報酬で売り上げた方が経営効率がはるかによいでしょう。

不動産会社が物件を保有する場合、少なくとも数棟~10棟単位で保有しなければ毎月の固定収入として実質的に意味をなさないのです。買いたくても、その資金力がたまるまで泣く泣く紹介するという状況もあるのです。

個人投資家の最大の強みは「待つ」こと。余裕資金でゆっくり運用・回収できる

個人の投資家が不動産投資する場合、ゆっくりと時間をかけることができます。

個人投資家は、会社員として働くなど本業から給与をもらいながら生活ができ、余裕資金で不動産投資をする方が多いものです。

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毎月給与としての安定収入があり、そして自己資金(余裕資金)を支払った後は家賃収入などで不動産経費を賄いながら、ゆっくりと回収を待つことができます。

一方、特に規模の小さな会社であれば、収益が不安定で、最低限、運転資金を毎月稼がなくてはいけない状況になることも少なくありません。

法人は、初期費用をキャッシュアウトし、ゆっくり回収する判断はなかなかできない事情があります。“余裕”資金というおカネがそもそもなく、「待つ」ことができないという違いがあるのですね。

仲介業者は担保を持たず融資を受けにくい?会社の方針で買えない場合も

初めから保有や転売で利益を出すビジネスを行わない方針の会社もあります。より多くの投資家に購入してもらうことが不動産「仲介」会社の役割です。

また、自己資金を2,000万円使って投資するくらいなら、新規事業の立上げ資金など他の用途として使った方がいいという経営判断もあると思います。

法人は経営状況や会社の方針、多くの利害関係者の中での判断となり、いくら好条件の物件であっても見送ることがあるのですね。

そもそもおカネを引っ張る担保(物件)を持っておらず、金融機関から思うように借入ができないことも多々あります。初めから自分で買うという選択肢が持てないこともあります。

一方で、個人では自分一人の都合を考えて余剰資金を使って投資することもでき、勤務先などの属性によって簡単にローンを組めることがあります。そのため投資物件をお勧めしてくる場合があるのです。

不動産屋は、リスクを負う投資家(買主)の本当の気持ちを分かっていない?

仲介業務を専門とする会社は、不動産を自分で所有しない(リスクを取らない)会社ともいえます。

仲介業者の本業は自社でリスクをとって収益物件を保有するのではなく、買主と売主をマッチングすることに力を入れます。契約が成立すればリスクを負うのは買主です。

ということは、仲介会社は自社で投資物件を保有していなければ、リスクを取る投資家と同じ土俵には立っていないともいえます。

投資家の本当の気持ちがわかっていないともいえますし、一方で第三者的な立場で冷静な分析・アドバイスを行えるとも解釈できます。

そのような立場の違いを踏まえた上で、投資物件の営業の話を聴くのがよいかもしれませんね。

万人にとって「いい物件」はない。資産状況によって求める要件もバラバラ

「なら社員が個人で買えよ!」というごもっともな意見もあります。しかし、投資はそれぞれ現在の資産状況に応じて欲しい物件は異なります。

例えば、収益物件のポートフォリオを見つめ直し、リスクをとるフェーズか、現金化してリスクを抑えるかを考えます。

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また、購入動機も税務的戦略から減価償却が大きく取れるものがいい方もいれば、地域や建物種別を分散してリスクヘッジするための購入もあります。

万人にとって「いい物件」というものはなく、それをその人にとっては悪いものでも、別のある人にとっては求めていた物件ということもあるということです。

マイホームを買った社員にとっては不要な家も、購入検討中の個人顧客には魅力的

投資物件で考えるとややこしく感じますね。

例えばマイホームのケースでいえば、「すでに自宅を所有している」不動産会社の社員が、個人のお客様に「この物件どうですか」とおススメする場合がありますよね。

お勧めしている社員としては、すでに自分は家を買った後ですのでさらなるマイホームは不要です。しかし、個人のお客様にとっては価値があるのです。

それぞれで動機が異なるため、おすすめする側にとっては必要のない物件であっても、お勧めされる側にとっては魅力的な物件であるケースもあるということですね。

そもそも融資が付きづらい事情も。自社物件を買うことを禁じる会社も

個人の場合でも、(特に中小規模の)不動産会社の社員は金融機関からの評価が低いことがあり融資がつきづらいという事情もあります。

また、会社によっては、社員が自社物件を購入することを禁じている場合もあります。

経営者が無理に社員に押し付けたと外見上受け止められないことや、お客様(投資家)に“余り物”を売りつけていると捉えられないためなどが理由です。

さまざまな制約があり、たとえ自分ではよいと思う物件であっても買えない場合もあるのですね。

一方的なセールストークは無視!信頼できる不動産会社なら検討の余地あり

ここでは、なにも電話営業が正しいとか投資物件を買うといいとか言いたいわけではありません。

初めにお断りした通り、押し売りをしてくる悪質業者も多く、一方的にしゃべったり迷惑な電話営業を仕掛けるような場合は、警戒モードで話をお断りすることが賢明です。

一方で、信頼のおける不動産会社からおすすめされた時は、ご自身の資産形成の一助となるかもしれません。しっかり話を聴いてみてご判断くださいね。

最後に、投資家になるということは、リスクと正面から向き合い、不動産投資「事業」の経営者としての資質が求められます。

不動産投資は資産形成の一つの手段に過ぎず、必ずやらなければいけないものでもありません。ご自身と向き合い、リスクを取る投資家となる決断ができてから検討してください!

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