買うタイミングで住宅コストが大違い!?新築と中古の価格の決まり方

年数が経過するにつれて価格が下がるマイホーム。買うタイミングはいつ?

日本における不動産価格は、建築後の年数が経てば経つほど下がっていくことが一般的です。

より具体的にいうと、一般的に新築マンションは築15年経過後、新築一戸建ては築20年以降で下げ止まる傾向にあります(分譲・流通物件の70㎡換算価格を築年数別に集計)。

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それではこのような性質を持つ日本の住宅をいつ買えばいいのでしょうか。グラフの中の新築派Aさん・中古派Bさんの様子をみれば、価格の落ち着く「建築後15年~20年」がねらい目だとわかります。

2人とも同じマンションを買ったのに「タイミング」(時期)によって具体的にどのような差がでたのか具体的にみてみましょう。

尚、どんな住宅であってもこのようなグラフを描くわけではありませんし、建築されてから15~20年経過した物件もその後下がり続けることもあります。ここでは一般論としてご理解ください。

中古物件は住宅コストが低く、間取り・設備も自分好みにリフォームでき自由度が高い!

新築派Aさんは、新築マンションを4,000万円で購入後15年間住み続け、2,100万円で売却しました。

つまり、差額▲1,900万円で15年住んだことになり、毎月の住宅コストは単純計算で「▲10.6万円/月」。間取りや設備もマンションを建てたディベロッパーの仕様で変更ができませんでした。

しかも、中古派Bさんに売却した時には(売却価格2,100万円を受け取っても)まだ住宅ローンの残債が400万円残っており、現金を用意する羽目になりました。

一方で、中古派Bさんは、Aさんのマンションを2,100万円で購入すると同時に、500万円のリフォームを実施しました。

15年間住み続け、2,000万円で売却。差額▲600万円(=2,000万円-2,100万円-500万円)で15年住んだことになり、住宅コストは賃貸よりお得なたった「3.3万円」。購入当初にリフォームを実施して自分好みに間取りや設備を変更でき、快適な暮らしを満喫しました。

ローン返済が貯蓄に!中古住宅の資産価値は高い(転売損は小さい)

中古派Bさんはリフォーム込みで2,600万円で購入したマンションを15年間住み続けた後も2,100万円で売却できたのです(▲500万円の売却損)。一方でAさんは残債を含めると▲2,300万円の損です。

この違いはとても大きく、Bさんは月々のローン支払いがほとんど貯金に回っているようなものともいえますね。中古住宅は資産価値(購入価格と売却価格の差)が高いのです。

日本では住宅を売却した時に、25~40%程度の人が▲1,000万円以上の売却損を出し、5%~10%程度の人は▲3,000万円以上もの赤字となっている統計データもあります(一般社団法人 不動産流通経営協会)。

その点、中古住宅であればもともと安く購入し、価格の下落スピードが緩やかになるため、一般的に売却損は大きく抑えられます。もちろん、資産価値を重視した買い方や購入後のメンテナンスをしっかりすれば、転売益も生み出せます。

マイホームは消費財ではなく資産と捉え、資産購入つまりは投資であると考えた購入法です。投資の鉄則が「安く買って高く売る」であるように、「安く物件を購入し、価値が下がらないように維持すること」が大切です。

新築は「販売管理費」が大きく上乗せ。鍵を回せば2割価値が下がる?!

そもそも新築物件はなぜスグに価格が下がるのでしょうか。

それは、新築物件と中古物件では価格の決まり方が大きく異なるためです。一言で言えば、新築物件には元々の物件の価値(価格)に、利益や経費が大きく上乗せされているためです。

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具体的には、マンションを建てる会社(ディベロッパー)の「利益」と、パンフレットや新聞折り込み広告、モデルルームの設置や人件費などの「販売管理費」が建築費に上乗せされて価格が決定されるのです。

また、不動産会社(建築事業者)は多額のおカネを銀行から融資を受けてマンションを建設しますので、資金を早急に回収する必要があります。売れ残りがないように、広告宣伝費や販売管理費をかけざるを得ない事情もあります。

このような事情があり、「新築物件は、鍵を回せば物件価格の2割程度価値が下がる」といわれることもあるのです。

中古住宅は個人での所有者が多い。モデルルームや人件費がかからない

中古住宅の売買は、冒頭に例示したAさんのように、所有者が個人である場合も多いものです(新築は、基本的に建築会社が建てますので売主が個人となることはほとんどありません)。

個人で売却される場合には、一般的に華美な新聞折り込み広告をまくこともありませんし、販売管理費が上乗せされることはないでしょう。

業者利益も乗りませんしそもそも利益を上乗せしようという発想がありません。新築と根本的に価格決定メカニズムが異なるのです。

特段の事情がない限り「売り急がなければならない!」ということもなく、モデルルームみたいに綺麗な部屋を作ったり家具を設置することもありません。

多少部屋を掃除する程度でスーツを着こなした営業担当者を置くこともありません。

売り急ぐ必要もなく、中古市場の需要と供給のバランスで合理的に値付けされる

コストがほとんどかからず利益を乗せないのが(個人所有の)中古物件といえます。中古市場で需要と供給に応じて合理的に価格が決定されます。

もちろん、新築が悪いわけでは決してなく、東京都心の超好立地であれば新築は購入価格より値上がりすることもあります。

ただ、同じ住宅であっても「どのタイミングで買うか」「誰から買うか」などで手にする資産価値が異なることを知っておきましょう。

中古住宅といっても建物は改装できますし、立地や家の枠を買うという考えであれば選択肢が多いのは中古です。建物は好立地物件から建築されていき、資産価値の高い立地は手放さないためです。

あなたの具体的なマイホーム探しにおいてはエージェント(営業担当者)とじっくり相談して資産価値の高い住宅を手に入れてくださいね!

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