家を買ったことが会社にバレる3つのルート。隠す方法と意外なリスクとは?

家を買ったことを会社に知られたくない…発覚ルートと隠す方法は?

たまに「家を買ったことを(少なくとも短期的には)会社に知られたくない…」という質問を受けることがあります。

もちろん、新居を買ったのに社宅家賃補助を継続してもらう…というような悪い意図ではありません。

「会社とプライベートは分けたい。同僚に新居の場所を知られたくない」「マイホームを買った途端、転勤を命じられる社風でして…」といった理由です。

特に後者は深刻です。住宅を購入するということはそこで腰を据えて住むことを前提にしているのに、転勤を命じられるというのは本末転倒ですね。。

かといって会社とも争いたくなく穏便に済ませたい…なかなか難しいお悩みです。

ここでは給与所得者の場合に、会社にマイホーム購入がなぜバレるのか(発覚するルート)と、どうすれば隠す可能性が高まるのか?隠すリスクは?ということをご紹介します。

①住宅ローン本審査の在席確認で「家を買おうとしてる?」と感づかれる

会社へ住宅購入が発覚するケースについて、まずは住宅ローン本審査の在席確認があります。

住宅ローンを組んで家を買う場合、不動産売買契約から決済までの間に銀行の本審査があります。その一環として、「本当にこの会社で働いているのか?」ということを確認する「在席確認」があります。

具体的には、銀行の担当者が会社宛に「〇〇と申しますが、△△部の□□様はいらっしゃいますでしょうか?」と電話をかけてきます(在席確認をしない場合もあります)。

多くの場合、融資申込者(□□さん)ではなく、その部署の他の人(受付など)がその電話を取ることになるでしょう。

「□□はただいま外出中でして…」という返答があれば、金融機関はそれで在席確認OKとします。

この電話を受けた同僚が勘のいい人であれば「もしかして住宅ローンの在席確認?□□さん、家を買おうとしてる?」と感づくケースが第一のハードルです。

在席確認は自動車ローンやカードローンでもある。確証は持てず言い逃れはできる

〇〇の部分に銀行名を入れるところもあれば、個人名のみとするケースもあります。

どうしても気になる場合には、「在席確認するなら銀行名を言わないで欲しい」と念のため事前に銀行に伝えておきましょう。銀行もトラブルや、取引できなくなることは望みませんから聞き入れてくれるでしょう。

また、在席確認があっても決して「住宅ローンの審査の一環です」とはいいません。こういった在席確認電話は、カードローンや自動車ローンでもあります。

審査が厳しいところでは、賃貸物件の入居時にかけてくる会社さえあります。在席確認するのはさまざまなケースが考えられ、住宅ローンだけではないため“言い逃れ”はいくらでも可能です。

「家買おうとしてるの?」と聞かれても、そもそも「いや何も心当たりないけど…」で流せばそれ以上、詮索できませんので同僚としては確証を持つことができません。

または「クレジットカードの更新の連絡かなあ」「自動車ローンを組もうと思って」とはぐらかしてもいいかもしれませんね。

②住民税の特別徴収を行っている場合には、6月ころに経理部が察知する

勤務先の会社が住民税の特別徴収を行っている場合、6月ころに経理部に察知される可能性があります。

特別徴収というのは、所得税の源泉徴収と同じような仕組みで、会社が従業員の毎月の給与から住民税を天引きして、代わりに市区町村に支払う仕組みです(多くの企業はこのケースです)。

この方法を取っている場合には、毎年6月ころに役所から会社へ特別徴収額の更新通知がいきます。

そのため、この時期にその通知を受けた経理部が「あれ通知元の市区町村が変わった。もしかして□□さん住所が変わった?」と知られてしまう可能性があります。

もし、家賃補助などもない場合には「賃貸物件を引っ越しまして~」などと言えば、なんとか誤魔化せるかもしれませんね。。

同じ市町村で住宅購入しても、5月までに住民票を異動すると気づかれる可能性あり

住民税は、毎年1月1日時点で居住していた住民登録地でかかります。

もし同じ市区町村で家を買った場合には、同じ役所から通知が行くため、家を買ったこと(住所が変わったこと)の疑問を経理部が持たないかもしれません。

一方で、5月ころの住民票記載住所で役所は通知書を作るため、5月までに住民票を異動させてしまえば、新住所が記載された状態で会社の経理部へ請求がなされます。

つまり、通知元の市区町村に変わりはないものの、封筒を開けて中身をしっかりとみれば、引っ越しした(住所が異動している)こと自体はバレる可能性があります。

つまり、5月上旬ころまでに住民票を異動した場合、例え同じ市区町村で家を買っても6月ころに経理部が感づく可能性があるということです。

逆にいえば、同じ市区町村に家を買った場合、6月以降に住民票を移すことができれば、住宅を購入した翌年の6月ころまでは経理部に知られる可能性は低いと考えられます。

③住宅ローン減税適用を年末調整で行う場合、来年の年末頃に会社が気づく

住宅ローン減税制度を適用できる物件を買う場合、ぜひこの制度を利用したいものです。

給与所得者(サラリーパーソン)の場合、1年目(住宅を購入した翌年)の確定申告は自分で行わなければならないので、会社に家を買ったことを気づかれにくいでしょう。

一方で、2年目以降は(住宅購入した翌年の年末頃に行われる)会社の年末調整で簡単に手続きを済ませられます。わざわざ確定申告をする手間をかけなくて済みます。

ただし、会社の年末調整を利用するということは、家を買ったことを会社に気づかれるということです。ですので、年末調整を利用するころには会社に知られてしまいます。

もちろん、2年目以降も毎年ご自身で確定申告を行って住宅ローン減税制度を適用することもできます(それほど手間でもありません)。確定申告を毎期ご自身で行うことを考えてもいいのかもしれませんね…。

尚、そもそも住宅ローン減税を使うには住民票を新住所に異動する必要があります。②で指摘した通り、住民税の特別徴収を行っている会社の場合には、経理部が察知する可能性があります。

ローン控除が所得税額より多くなった場合は住民税が減税⇒会社に住宅購入がバレる

住宅ローン減税制度を毎期確定申告で行っていても、会社にマイホーム購入を知られるルートがあります。

それは、ある年の住宅ローン控除額が、所得税額を上回り、住民税からも減税される状況になった時です。

例えば、所得が一時的に下がるなどした場合には、そもそも控除対象となる所得税額が小さくなり、減税しきれなかった分が住民税から控除してくれるのです。

ただそうなると、2年目以降も確定申告で対応したとしても、その年の6月ころに市区町村から会社への通知で気づかれる可能性が高いです。

本来は住宅購入者に優しい制度ですが、会社側にばれてしまう可能性を秘めているということですね。。

【リスク】住宅ローンを選べない・減税制度の手続きが煩雑になる etc…

家を買ったことを隠そうとするがために、ペナルティを受けることもあります。

まず、住民票を異動することを正当な理由がなく遅らせることは、住民基本台帳法第22条(14日以内に市町村長に届け出義務)の違反で、最悪の場合には5万円以下の過料にかされます(同53条)。

また、住宅ローンを組もうと思っても金融機関を自由に選べないこともあります。

銀行によっては「決済前に新住所に住民票を異動してください」「現住所(旧住所)で登記しても構いませんが、決済後2週間以内に住民票を異動すること」という条件が課されることもあるためです。

さらに、決済前に新住所へ住民票を異動(新住所登記)すれば、登録免許税や不動産取得税の減税措置の手続きがシンプルとなるメリットがあります。

しかし、家を購入したことを気づかれないようにするには、住民票の異動を遅くした方がよく新住所登記ができません。結果、各種減税手続きが煩雑になるというデメリットがあります。

ずっと隠し続けるのは難しい。安全な取引のためにも会社と話し合いを!

以上、家を買ったことを会社に知られる主な3つのルートをみてきました。長期的に知られなくするのはかなり難しいことが分かります。

他にもバレてしまうルートはありますし、ここで紹介したことを行ったからといって確実に隠せるという保証はありませんので、その点はあしからずご了承ください。

例えば、いつもと違う電車のルートを使ってしまえばそれだけで感づかれますね。

そもそも論ですが、社員として会社に住所地を正確に申告しなければならないことは言うまでもありません。また、家賃補助や交通費不正受給に該当する可能性があるなど、問題行為にもなりかねません。

上述の通り、金融機関が限定されたり、住民票の異動を恣意的に遅らせる行為には罰則もあります。このようなペナルティや取引上の制限、デメリットなどがあることを知った上で判断したいですね。

やはり会社側に知られたくない理由があっても、会社側としっかり話をすることが安全な取引につながります。よい取引ができること応援しています!

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