長期金利がマイナス0.1%目前まで下がってしまった!今後金利が乱れる?

ゼロ%に誘導すると日銀が発表しても、金利が下がり続けている

日銀が9月21日の金融政策決定会合で、固定型住宅ローンの基準となる長期金利をゼロ%程度に誘導する目標を立てましたが、その後も意に反して長期金利が下がり続けていることをお知らせしました。

%e6%82%a9%e3%82%80%e3%83%bb%e4%bb%95%e6%96%b9%e3%81%aa%e3%81%84_s政策変更発表後の21日時点で、(長期金利の基準である)10年物国債の終値ベースの金利が▲0.035%であったのが、9月28日には▲0.090%まで利回りが低下しています。

市場は日銀はどれまでマイナス幅を許容するのか探っている

日銀の黒田総裁は、9月26日に行った大阪市内での講演後の記者会見の中で「元々「ゼロ%程度」と示しているところでゼロ%程度で推移している」と、現在の水準もゼロ%”程度”の範疇に収まるという認識をにじませています。

%e6%a0%aa%e5%bc%8f%e5%b8%82%e5%a0%b4%e3%83%bb%e9%87%91%e5%88%a9%e3%83%9e%e3%83%bc%e3%82%b1%e3%83%83%e3%83%88%e3%83%bb%e6%8a%95%e8%b3%87%e5%ae%b6_s市場参加者は、日銀のいう長期金利の現状維持(ゼロ%程度)の”程度”の許容幅をめぐって思いを巡らせている状況です。その多くは「節目となる▲0.1%まで長期金利が低下すればさすがに日銀が動くのではないか」とみて、下限を探っている状況です。

さすがに▲0.1%に届いてしまうと、日銀も何かの手を打ってくるのではないかという見方が大勢を占める中、チキンレースのように日銀が動くのをチラチラと確認しながら買っているのですね。

日銀が国債の購入予定量を以前の水準で継続。市場が安心して買い入れている状況

日銀は、どれくらい市場から国債を買い入れるのかという予定を発表することが通例となっています。

9月26日が発表した、28日の「残存期間5年超10年以下の国債」の買い入れ予定額が以前と変わらない金額であったため、市場はまだまだ日銀が国債を買ってくれると考え、自分たちも安心して買い増しているのです。

マイナス0.1%に到達すれば日銀は本当に動く?動けない?

▲0.1%までさがれば、長期金利をゼロ%へ戻すために「国債の買い入れ額を減らす」または「買い入れる国債の利回りを指定(下限を設定)」という手段をとってくる可能性があります。

nippon-ginko_ssしかし、日銀は年間80兆円を目途として国債買い入れを続ける姿勢を崩しておらず、もし国債の買い入れ額を減らせば事実上の金融引き締め効果を生み、動くに動けず板挟みになっているのです。

金利が上昇して円高を招き、株価も下がる悪循環を避けたい

日銀はあくまで、国債の年間買い入れ量の80兆円を”目途”としており短期的には増減があることもにじませていますが、怖いのは、市場が過度に反応して一斉に国債市場から手を引く(長期金利が急騰する)ことです。

%e6%a0%aa%e4%be%a1%e4%b8%8b%e8%90%bd%e3%83%bb%e4%b8%8d%e6%b3%81_s急騰とまではいかなくとも長期金利が上昇すれば、(金利の高い日本円を買う動きが高まるなどして)円高を招くことが予想され、輸出産業を中心として少なくない打撃を招く可能性もあります。

今でさえ、総括検証前より主要メガバンク株などの金融株は▲3%程度安を記録しており、株式市場でも長期金利上昇に伴う金融機関の収益改善を疑問視している状況です。

そもそもの長期金利ゼロ%という目標を引き下げる手段もある

黒田総裁は26日の講演で、今後の金融緩和の手段としては「マイナス金利の深堀り」と「長期金利誘導目標の引き下げ」が中心的な手段になるとも発言しています。

まだ発表して1週間しか経っていないため、早々に長期金利誘導目標を変更するわけにはいかないと思いますが、量から金利へ軸足を映した日銀が躊躇なく目標変更する可能性もゼロではありません。

市場参加者は、短期政策金利の深堀りは年一回程度しかできないと考えている

民間銀行が日銀におカネを預け入れた時に”手数料”として金利を取られる「マイナス金利(短期政策金利)」の深堀りについては、市場は年1回の引き下げに留まるとみています。

1年先の短期政策金利を反映する「翌日物金利スワップ」が、現在の政策金利の▲0.1%から、ほぼ0.1%低い▲0.202%(9月28日)に留まっているためです。

%e4%b8%80%e5%9b%9e%e4%b8%80%e3%81%a4%e3%83%bb%e4%ba%ba%e5%b7%ae%e3%81%97%e6%8c%87_s一回の引き下げ金利が0.1%だとすると、日銀が決定する短期金利が、一年後には今より一回分の引き下げ金利幅だけ下がっており、市場参加者は「年一回の引き下げしかできないだろう」とみています。

今回の日銀の政策変更がそもそも金融機関の収益圧迫に配慮したものであり、何度も短期政策金利を引き下げるのは銀行などから猛反発を受け現実的でないと考えているのですね。

明日発表!日銀の動き方とそれを市場がどう読み取るかがカギ

市場が今注目しているのが、明日9月30日に日銀が発表する10月の国債買い入れ方針です。長期金利の目安となる10年物国債が▲0.090%と、節目の▲0.1%目前に迫る中、日銀が姿勢を変更するかどうかが問われています。

man_magnifying-glass_ss長期金利は固定型住宅ローンの基礎となるもので、この動き方次第で今後の住宅ローン金利水準もその方向性を決めていくことになるでしょう。

いずれにせよ、数年前と比べものにならないくらい低金利となっていることに変わりはありませんが、動き方次第では乱高下する可能性もあり目が離せません!

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