“一生に一度”は嘘!マイホームを買った後に引っ越す可能性は意外と高い

マイホームを買ったら定住する?引っ越す可能性はどれくらい?

マイホームを買ったらずっとそこに住み続ける、というイメージを持っている方が多くいます。

「夢のマイホーム購入は一生に一度」「終の棲家」といった不動産広告用語もあるくらいです。

しかし、これらの広告用語は、「めったにない住宅購入だから、奮発して買いましょう!」という営業トークに使うことが目的の、不動産業者の都合によるイメージの刷り込みに過ぎません。

実際には、家を買った後に引っ越す確率は結構あります。これからの時代、ますます持ち家から移動するケースは増えるとみられ、引っ越す(住み替える)前提で買うことが望ましいといえます。

逆にいえば、定住する前提で住宅購入してしまうと後で困ることになりかねません。

ここでは、マイホームを買った後に引っ越す可能性と、住み替える前提で家を買う時に気を付けるポイントを見ていきましょう。

生涯の平均引越回数は4回。45歳以上でも5人に1人は引っ越ししている

国立社会保障・人口問題研究所の行った第8回人口移動調査によると、年齢別での平均引越回数は以下のようになっています。

年代別でライフスタイルが異なるため一概にはいえませんが、50~54歳の「4回以上」というのが一つの目安になります。

ここで注目すべきは、住宅購入済である可能性がある40歳以降にも引っ越し回数が増加(右上がり)していることです。

40歳~54歳までが引っ越しに関して同じようなライフスタイルで過ごしてきたと仮定すれば、家を買った後(40歳~54歳のうち)にも引っ越す機会があることがうかがえます。

【年齢別】平均引っ越し回数【出典】第8回人口移動調査(国立社会保障・人口問題研究所)

さらに、5年前の居住地と今住んでいる場所が違う、つまり、5年前以内に引っ越したことのある人の割合は以下のようになっています。

マイホームを購入済である可能性の高い45歳以降においても、10%~20%の人が5年以内に引っ越したことがわかります。5~10人に1人は45歳以降でも引っ越しをしている計算になります。

【年齢別】5年前居住地が現住地と異なる人の割合【出典】第8回人口移動調査(国立社会保障・人口問題研究所)

45歳~64歳でも約8人に1人は5年後の引っ越す(住み替える)可能性がある

では、まだ引っ越しをしていなくとも、近い将来(5年後)に「引っ越すだろうな」と考えている人はどれくらいいるのでしょうか。

第8回人口移動調査(国立社会保障・人口問題研究所)によると、5年後に引っ越す可能性がある人の割合は以下のようになっています。

【年齢別】5年後に移動可能性がある人の割合【出典】第8回人口移動調査(国立社会保障・人口問題研究所)

平均住宅購入年齢(40歳前後)を超える労働者年齢層である「45歳~64歳」でみても、8.5%~14.9%の方が、わずか5年以内に引っ越しをする可能性があるとしています。

年齢階層を同人口として単純に平均を取ると、45~64歳の人のうち約8人に1人は5年後に引っ越しそうという計算になります。

5年ではなく10年後、15年後、20年後と期間を長くすると、引っ越す割合はもっと増えるはずです。

もちろん、この中には住宅を買っていない方もいるはずですが、マイホームを購入した後にも住み替えざるを得ない事情になるケースが少なくないことがうかがえます。

多岐にわたる引っ越し理由。自分でコントロールできない事情も多い

引っ越し理由としては、思いつくままに挙げれば以下など様々な理由があります。

例えば、会社からの異動命令(転勤)や転職、介護など自分でコントロールできない事情はいつ起こり得るかわかりません。誰にとっても可能性があるともいえます。

理由具体例
学業・仕事入学・進学・留学(語学・MBA等)・就職・社宅追い出し(年齢制限等)・転勤・転職・独立開業・家業継承・解雇リストラ・定年退職
結婚・子育て・介護同棲・同棲解消・結婚・出産・子育て環境上の理由・子の巣立ち・離婚・死別・介護・同居・近居・別居・介護からの復帰
その他立地等の不満・周辺環境の変化・ご近所トラブル・療養・健康上の理由・行政上の理由(区画整理や道路拡張等)・ローン整理の売却・趣味(家庭菜園やDIY等)

第8回人口移動調査(国立社会保障・人口問題研究所)によれば、年齢階層別の移動理由は以下の通りとなっています。

24歳までの若い世代は「入学・進学」が理由として多い一方、それ以降の世代では「住宅を主とする理由」以外には、「職業上の理由や親や子との同居・近居」、「結婚・離婚」となっています。

【年齢階層別】過去5年間における現住地への移動理由【出典】第8回人口移動調査(国立社会保障・人口問題研究所)

仕事や親子の同居、別居、離婚など、プライベートでの想定外の変化がいつ起こることになるかは分かりません。

マイホームを購入したからといって、ずっと定住していくと考えるのはやはりリスクがあるといえるでしょう。

主要都市の中高年(50~64歳)の約3割は近々引っ越すかもしれないと考えている

ちなみに、中高年(50~64歳)が「5年後に移動する可能性が少しでもある」と回答した割合を地域別に示したのが以下の図です。

主要都市で引っ越す可能性が高くなっており、東京都では31%に上ります。大阪圏でも25%~30%、北海道では27%など高い水準になっています。

5年後の移動可能性が少しでもある中高年(50歳~64歳)の割合【出典】第8回人口移動調査(国立社会保障・人口問題研究所)

もちろんこれは、「少しでも移動の可能性がある」というだけであって、実際にこれ程の中高年が、5年という短い期間で引っ越すものではありません。

ただ、中高年になってプライベートでもさまざまな事情や変化が訪れることで、引っ越す可能性を認識している人が多くいることが読み取れます。

中高年になると、住まいが落ち着くのではなく、むしろ引っ越し予備軍になっていくことは、家を買う前に知っておきたい事実です。

引っ越しを前提に家を買う。売れて貸せるマイホームか事前チェック!

マイホームを買った後にも、引っ越し(住み替え)の可能性は十分あることがわかりました。

家を買うには引っ越しを前提としておかないと後で慌ててしまうことになります。特に、会社が赴任先の住居を用意してくれないケース、例えば転職や介護など自分の都合で住み替える場合には要注意です。

もし、自宅が売るか貸すかできない場合、住み替え先の住居費(住宅ローン返済または家賃支払い)と、自宅の住宅ローン支払いのダブルパンチになってしまうからです。

その他にも、一生に一度と思い込み、将来の住み替えを考えずに家を買うリスクはあります。

ですので、一時的または長期的な引っ越しをしなければいけない状況が将来くるかもしれないという前提で、売れて貸せるマイホームを購入することが安全です。

マイホームを買う前には、不動産会社に「購入検討物件が、将来売ったり貸したりしやすいかどうか?」という資産性の検証・チェックを必ず実施してもらいましょう!

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