【後悔】新築の建売分譲戸建てを買って失敗した3事例。共通する原因は?
マイホームといえば新築戸建て!こだわりの強さが招いた後悔事例3選
「マイホームといえば新築戸建て!」という方も多くいらっしゃいます。
誰も住んだことのない手あかのついていない奇麗な新築、しかも、共同住宅(マンション)ではなく、自分だけの広々とした敷地で自由に住めます。
こういったイメージが先行して「なにがなんでも新築戸建て!」とこだわりが強いあまりに、他の部分に目が向かずに買って後悔するケースがあります。
ここでは、あまり意識されていない新築戸建ての特徴と、それがどういう後悔に繋がったのかに関する3つのケースをご紹介します。ぜひ参考にしてください。
尚、ここでいう新築戸建ては、建売分譲住宅を念頭に置いていますが、注文住宅の場合でも同じことがいえますのでご参考にしてください。
目次
①新築は選べる物件数が少ない。立地の悪い家を買ってしまった
新築戸建てを建築しようとすれば、新しく土地を確保する必要があります。
既存の中古住宅を取り壊して建てるか、余っている土地に建てるかの2択しかありません。当たり前ですが、現在見渡す限り立ち並んでいる住宅はほぼすべて中古物件です。
新築住宅はその隙間を縫って建築されているに過ぎません。売り出されている物件数は圧倒的に中古住宅が多いです。中古物件に比べて新築物件の数はかなり限られているのです。
特に人気エリアや駅から近いところでは、新たな土地が出づらく、新築を建てる敷地が見つかりにくいものです。
逆に、不人気なエリアや人口の少ない地域では土地が余っていることが多く、新築住宅が立ち並ぶこともあります。
「新築住宅は好きな場所に自由に建てられるものではない」ことを理解すると、新築住宅数が中古住宅数に比べて少ないことがイメージしやすいでしょう。
新築にこだわり立地を度外視!駅から遠い物件や、狭小住宅・変形地物件を買った
新築を買おうとあれこれ見ていくうちに、建物(家の中)にばかり気を取られてしまう場合があります。
しかし上記の通り、新築戸建ては同じエリアに無数あるわけではありません。
また、中古物件より価格が高く売り出されており、当初の予算をオーバーしてしまうことがあります。特に利便性の高い駅から近いところになると、思っていた以上に高く手が出ないこともあります。
そうすると新築にこだわるあまり、だんだん駅から遠い距離の物件をみはじめたり、狭小住宅にすることで価格を抑えようとします。
または、変形地など土地の価格が安い物件を買ってしまう結果となるのです。
すべての新築は中古になる。建物の中身はリノベできても、立地は変えられない
上記のように、建物(家の中)ばかりにこだわるあまり立地(家の外)を度外視することは、後悔に繋がりやすいことを知っておきましょう。
なぜなら、立地は動かせない・変えられませんが、建物は変えられます。中古戸建を買ったとしても、リノベーションで新築同様にもできます。
それならば、利便性の高い立地に中古を買ってリノベしたら、生活しやすさも家の中の快適さも両方得られた、というケースは多いのです。
時間の経過とともに変わらないのが立地であり、時間の経過とともに劣化していくのが建物です。結局すべての新築物件は中古になります。
後から変えられる建物部分に過度にこだわって立地をないがしろにすると、「やっぱり立地を妥協しなければよかった」という後悔に繋がりやすいのです。
②新築は値下がり幅が大きい。住宅ローン支払いが家計を圧迫することも
新築戸建ては、建物を新しく建築するため、やはり同じエリアの中古住宅に比べて高く売り出されます。
しかし、新築戸建ては入居した途端に中古戸建に変わります。例えば20年後に自宅を売却するしようと思っても、初めに買った新築の価格が高かった分、大幅に値が下がる可能性があるのです。
例えば下図は、東京23区のあるエリアにおいて実際に成約した戸建てをプロットしたものです(青色)。一番左にあるオレンジの点が売り出された新築戸建てです。
敷地の㎡単価でみると、同じエリアで売り出された新築の㎡単価が約44万円であるののに対して、20年後には約半分の単価まで落ちていることが分かります。
駅距離や土地の形(整形地か否か)、接道など複数の要因が絡むため一概には言えませんが、新築戸建ては一般的に値下がり幅が大きい傾向にあります。
この物件は東京23区内の物件なので、まだ半値で収まっていますが、郊外住宅では1/3、1/4になる戸建てもザラにあります。
(ちなみに、築1~2年での成約単価がガクっとさがっていますが、買ってすぐ売り出さなければならない売主の事情により、特に売却金額が下げられたのだと推測されます)
同じエリアで築10年の中古物件を買った場合には、まったく違う結果に
上記では新築時からの経過年数を見ましたが、このエリアで築10年の中古物件を買った人はどうでしょうか。
上のグラフをみると、このエリアでは築10年以降の価格が㎡単価20~25万円で安定しています。築10年の中古物件を買って、その10年後(築20年)で売却した時、購入価格とほぼ同じ値段で売れることになります。
新築戸建てを買った人は、購入価格の半分を損したのに対して、築10年の中古戸建を買った人は損しない結果になりました。
しかも、新築戸建てに比べて約半分の値段で変えます。住宅ローンの支払いも半分で済むことになり、家計を圧迫しません。同じエリアに住むにも、新築と中古では家計に与える影響も大きく違うのです。
そのため、売却する時になって初めて現実を知り、「どうせ中古になるのだから新築にこだわる必要はなかった」と後悔する人もいるのです。
③建物の不具合が分かりづらい。業者の補修対応の悪さにうんざり…
中古物件の場合、時間が経過しているため建物の不具合が出尽くしているといえます。購入前と実際に生活した印象が大きく乖離する心配が少ないのです。
しかし新築の場合は、実際に住んでみて初めて分かる不具合が多いものです。
建売住宅のようなケースでは、元受けが大手ハウスメーカーで、実際に施工するのは下請けや孫請けであることも多いです。繁忙期と閑散期など、時期によっても品質にばらつきが出る事情もあります。
住宅は人の手で作るもので仕方ない側面もありますが、新築物件を買って数年以内に補修が必要となると気分がいいものではありませんね。発覚していない他の欠陥もあるんじゃないかと気になってしまいます。
もちろん、新築住宅に欠陥や不具合があれば不動産会社に連絡をして直してもらえます。
さらに不動産会社(売主)には、引き渡しから10年間は、家の重要箇所(構造耐力上主要な部分と雨水の浸入を防止する部分)に不具合を出してしまうと、無償で修理しなければならない義務が課せられています。
建物欠陥そのものより「仲介業者や売主の補修対応が最悪だった…」という失敗談も
上記の通り、新築戸建ては住んだ後に、程度の差はあれ不具合や欠陥が見つかることが少なくありません。
新築というのは誰も住んでいない分、ある意味仕方ないことでもあります。
しかし、意外と多い失敗談は「不具合が発生したこと自体よりも、不動産業者の対応が最悪だった」「こんな業者と長く付き合っていかなきゃならないのは嫌だ」といった、建物自体ではなく業者に対する不満です。
調査依頼や補修依頼をかけても、対応が遅かったり、「住まい方の問題であってうちには問題ない」と言い逃れされたりと、初めてその会社の対応の悪さを知ることになる方もいるようです。業者に頼るのを諦めて自分で対応した方もいらっしゃいました。
事業者から見れば、住宅を販売した後のクレーム処理は、コストがかかるだけで儲けが出ないと考えているところもあるのかもしれません。
「建物ばかりに気を取られず、建築会社の接客態度や長く付き合っていける会社さんかどうかも含めて調べておけばよかった」という声も聞かれます。
【注意】優良な新築戸建ても、買ってはいけない中古戸建もある
ここでは、新築の一軒家を買って後悔した3つの事例をご紹介しました。
誤解して欲しくないのは、新築戸建が悪いわけでも中古戸建が必ずいいわけでもないということです。おすすめできる優良な新築戸建てもあれば、買ってはいけない中古戸建もあります。
新築には、ランニングコストの安さや10年間の瑕疵担保、税制優遇、新築に住むという精神的な満足感・快適性が得られることなど、新築ならではのメリットもあります。
特に、最近の新築は省エネ性能や設備面で品質がかなり上がっており、住宅性能評価の最高等級を複数取得する建売住宅も珍しくありません。
好立地の新築戸建ては価格が落ちにくくもあります。すべての建売住宅が悪いわけでは決してありません。
失敗を防ぐには、よきアドバイザー(仲介業者)と共に家を買うこと!
大事なのは、新築にせよ中古にせよ、マイホームの買い方(買うプロセス)が大切だということです。
上の3事例は、よきアドバイザーとなる仲介業者がいれば、冷静なアドバイスや調査・分析を行うことですべて回避できたものです。
家を買おうとする買主さんは、どうしても住宅取引の経験に乏しく、また、目の前のことで手いっぱいで将来に対する影響まで考えが及びにくいことは仕方ないことです。
また、相場や価格、地域情報などにも情報格差があり、なにをどう調べればよいのかも分からないことも多いはずです。
その点、不動産のプロとして適切な仲介業者がついていれば、将来の価格動向など専門的なことも含め、長期的な視野を持ってアドバイスを受けられ、失敗を減らすことができます。
住宅購入者は気になるところを楽しみながらしっかり考え、その他の専門的なことや長期的な視点は、仲介業者などのプロに補ってもらえば後悔を防げるのです。
ぜひ、信頼できる不動産会社を選び、良好な関係を築きながら、遠い将来まで安心して暮らせる住宅を選んでくださいね!
【P.S.】「この家、買っていいのかな?」…迷わずご相談ください!
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