なぜ不動産屋は物件紹介型ホームページばかり?潜むリスクと会社の選び方

不動産屋のホームページは物件情報だらけ…なんで同じ作りになってるの?

最近「不動産会社のホームページ(Webサイト)はどうしてどこも同じような作り方になっているのでしょうか」と質問を受けました。

実際、物件情報をホームページ上に所狭しと並べている不動産会社は依然として多く、ほとんどの会社が同じような内容を掲載しています。

実はもっと昔、まだホームページ(自社サイト)自体が目新しかったころは、会社情報(屋号、代表者、住所、電話番号など)のみのページも珍しくありませんでした。

 

 

それが(不動産業者が物件を共有しあう)REINSシステムがインターネット運用され、また、SUUMOやat-homeなど物件情報サイトが充実するにつれ、自社ホームページでも物件情報を掲載する会社が急増しました。

会社情報だけのホームページから、今は物件情報メインのWebサイトが主流となっているのです。

ここでは、その背景と問題点、今後の新しい動きについてみていきましょう。

簡単にページを量産。不動産屋にメリットの多い「物件紹介型サイト」

これほどまでに「物件紹介型サイト」が多くなったのにはいくつか理由があります。

まず、お客様(買主)を惹きつけるために最も手軽なものは物件情報でした。数百・数千と物件を載せていれば、どれかは問い合わせ反響があり自社顧客とすることができます。

(REINSでいくらでも他の物件を紹介できるため)問い合わせのある物件自体はどの物件でもよく、悪質な業者は「おとり物件広告」を行うことさえあります。

逆にいえば、物件情報以外の例えばニュース記事や税制の変更、不動産業界の動向紹介など、一から作らなくてはいけないコンテンツは非常に面倒です。

少人数の会社がほとんどの不動産会社、記事を書くのは大変でそこまで手が回らず、短い時間で対応できるものでもありません。

儲けに直結し、かつ、REINSから無数に入手できる「物件情報」を手軽に掲載することが、いろいろな面で“不動産会社にとって”メリットが大きかったのです。

物件広告をしまくり、お客様からの問い合わせ反響を取った不動産業者が勝てる時代

不動産会社は日々新しい売り物件を入手できます。どこかの不動産会社が売主から売却依頼を取り、それをREINSで共有するためです。

不動産仲介業者はどの会社であっても、この新規登録された物件を取り扱えます。ですから、こぞってSUUMOやat-homeなどの物件情報サイトに掲出します(売主からネット広告許可が取れた物件の場合)。

 

 

つまり、不動産会社を営むだけで(REINSにアクセスするだけで)、大手と同じだけの物件情報量をいとも簡単に手に入れることができるようになっているのです。

そうすると、他社に先駆けてどんどん売り物件情報をインターネット上に広告しまくることで、お客様からの問い合わせを勝ち取ることができます。

このように、REINSが業者間に急速に広まり物件情報サイトも発達した現在、とにかく物件広告をしてお客さんからの反響を取った会社が勝てる時代になっているのです。

物件情報量で不動産会社を選ぶと後悔する意外な理由とは?【図多め】

物件機能を充実させた多くのWebサイト制作会社が不動産会社に営業攻勢

同じようなページの作りになったのは、Webサイト制作会社の営業攻勢もありました。

不動産業者に次々と「物件情報紹介型のホームページ」の導入を提案し、物件情報が各社のホームページに載るようになってきたのです。

「不動産 ホームページ制作」と検索しても分かりますが、ほぼすべての制作会社が物件情報の紹介をメインとしたページ作成を前提としていますね。

物件情報をメインとして、さらにそれを補強するように様々な機能を埋め込んでいます。

例えば、会員専用物件機能(会員登録機能)、条件検索・絞り込み機能、物件お気に入り機能、閲覧履歴、物件地図掲載(Googleマップ連動)、360度パノラマ画像・YouTube動画対応などです。

物件紹介に重点を置いた、物件反響型ホームページを作る技術・機能が今や広く普及しきった状況です。

無数にある物件情報(REINS)を効率よく転載したい。複数ページの同時登録も

繰り返しますが、不動産会社は物件共有データベース「REINS」にアクセスできるため、物件情報自体は無尽蔵にあるといえます。

いくらでも物件データが揃っているため、それを取り込み・掲載を効率化することが至上命題といえます。

そこで、(物件データCSV管理などによって)それら物件情報を簡単に自社サイトに掲載できる機能を、ホームページ作成会社はこぞって提案・導入しています。

REINSに限らず、SUUMOやat-home、HOME’Sなどのネット物件(他社物件)を自社サイトに自動取り込みする機能も今や当たり前になっています。

自社の物件をインターネット登録する場合にも、一度の登録で自社サイト・SUUMO・at-homeなど複数のページに同時登録する機能も一般的になっています。

「物件情報No1!」などと謳う不動産会社もありますが、実はその多くはこのような便利機能を使って、ただ物件情報を自社サイトに“転載”しているに過ぎないのです。

お客様と業者の接点がネットの物件情報。内覧すると契約を急かされる…

さて、お客様(買主)側の視点に立つと、これらのおかげでインターネットで物件情報を取得することが容易になったといえます。

物件を多数載せている不動産会社をよく目にすることとなり、「この会社は物件をたくさん持ってるのかな」と誤解することも相まって、取引の入口がネット広告を出している会社となることが多いものです。

しかし実際に問い合わせて内覧をしてみると、すぐに「購入申込書を提出しましょう」「契約日はいつにしますか」と契約を急かされることが少なからず起こります。

業者の心理としては、同じ物件は他の業者でも取り扱うことができるため、1番最初に契約を結ばなければ売上(仲介手数料)がゼロになってしまうからです。

また、不動産会社としては物件の検証やチェックなど、契約から遠ざかるようなことはほとんどなにもせず、マイナス情報やリスク情報も積極的には(聞かれるまでは)伝えません。

確かに物件情報を入手しやすくなりましたが、不動産会社に都合のいい物件を選別して載せるなど、危険な取引となる遠因ともなっているのです。

SUUMOなどの物件サイトも業者寄りでリスク情報は皆無なのが現実

さらに、例えばSUUMOなど(不動産会社が運営していない)物件情報サイトも、不動産会社寄りに作られています(それが悪いことでは決してありません)。

というのも、これらは不動産事業者が支払った広告費で運営されているためです。どうしても業者に都合がいいように作られており、「この物件の大きなリスクはこれです!」といった情報掲載は皆無に等しいものです。

つまり、不動産の素人ともいえるお客様側で「買ってもいい物件かどうか?」を注意しなければならない状況があるということです。

大きなリスクのある物件であっても、契約前に宅地建物取引士によって行われる小難しい「重要事項説明」で一気に説明してくるため、個人のお客さまも十分な理解がなくとも取引が進むことがあります。

とんでもない欠陥物件でさえも、買わされるかもしれない危険な取引構造になっているのです。

いまだに不動産取引のトラブル相談は多く、その一端には物件至上主義ともいえる情報発信の仕方に原因があるといえるでしょう。

ホームページも変化し始めた。物件情報メインからお役立ち情報の発信へ!

そしてこれらの反省から、最近新たに少しずつ増えてきたのが、住宅購入に役立つ情報発信も本格的に行う「コラム(ブログ)型ホームページ」です。

不動産に関するタイムリーなニュース解説や、住宅を購入する時のお役立ち情報や注意点など、家の買い方に直結する(物件情報以外の)価値ある情報発信を充実させているものです。

もちろんまだ圧倒的に多いのは物件紹介型のホームページですが、今後、お客様のニーズの変化とともにホームページも形を変えていくでしょう。

消費者側が徐々に「物件情報はどこの不動産屋も同じ」ことを理解・浸透していけば、物件のためだけに(ネット上でも現実世界でも)不動産会社を回ることの意味はなくなっていきます。

「物件が同じであれば検証をしっかり行い安心・安全な取引を行う業者を選ぶ」という消費者側の合理的な行動変化に備えて、ホームページも形を変えているということですね。

物件ではなく不動産会社を選ぶ時代。“この会社で取引する理由”を確認!

お客様が物件情報“以外”を強く求めだすと、不動産会社としては「なぜ当社で取引をするといいのか」と具体的な説明を行わなくてはならなくなります。

他社との違いや・自社の強みを明確にすることが業者に求められます。どの会社でも行っている物件紹介や内覧、契約手続き「以外」で切磋琢磨することになります。

例えばスタッフ紹介ページでも「お客様のために頑張ります!」といった抽象的なコメントに終始する会社は相手にされず、より消費者にとって分かりやすい不動産屋選びができるようになるかもしれません。

これからは物件ではなく、不動産会社を選ぶ時代といえます。しっかり根拠を持って自分に合った不動産会社を選びましょう。

ちなみにミトミはずいぶん前から「コラム型ホームページ」で情報発信し、「資産価値のある家を買う」ことを強みとした不動産会社です。いつでもご相談くださいね!

【P.S.】「この家、買っていいのかな?」…迷わずご相談ください!

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