美味しい話には裏がある?!「競売物件」の安さに潜む大きなリスクとは
目次
裁判所が不動産を差し押さえ、叩き売る「競売物件」
不動産を格段に安い値段で買う方法のひとつに「競売物件」があります。最近は個人の参加者も増えていますが、「安く買える」というメリットの裏には、デメリットやリスクが多くあるのです。
そもそも競売とは、「(おカネを借りている)債務者が(貸している)債権者に支払いをしない(できない)時に裁判所が不動産を差し押さえ、その不動産を売ったお金で債権を返済する手続き」のことをいいます。
では、なぜ競売物件であると実際の市場より安く買えるのでしょうか。その理由が隠されている、競売の売却の仕組みを見てみましょう。
通常の不動産取引よりもリスクが高い競売
通常の場合と違い、裁判所が物件を差し押さえ「売主」という立場につきます。そして、応札(裁判所が決めた標準価格に対して、参加者が一斉に値段を入れること)によって最高値を入れた人が「買主」となります。
通常の不動産取引のような相対取引ではなく、公開された場で誰でも参加できる仕組みなのですね。
通常の不動産取引では、「売主」と「買主」の間に我々仲介業者が入ります。そのため、契約上のトラブルについては購入後に問題が発覚した場合にも、売主や仲介業者の責任が発生します。
しかし競売の場合には入札形式となるため、責任を問う業者はいません。つまり、購入後に起きた事に対しては全て自己責任となります。さらに、不動産の売買においてその契約の背景に複雑な経緯や権利関係がある事は珍しくなく、そのような場合においてもご自身で解決しなければなりません。
安く買えるのは、ずばりリスクが高いから
つまり、不動産競売は入札形式で通常より格安で購入できる一方で、知識や経験が豊富な方でないと対処できないリスクをはらんだ取引方法なのです。「誰でも応札することができる」という仕組みの割に、応札者には知識や経験が豊富な方が求められるのです。
売主は買主に対して瑕疵担保責任を負わないうえ、買受希望者の物件への事前立入調査も原則として認められていません。
例えば、購入した不動産に「自分のものである」と言い張る人が住み着いていたりします。その場合は、自分でその人に退去の交渉をしなければなりません。法外な立ち退き費用を請求されたり、応札に参加する際に妨害行為を起こされたり、競売中に債務者(所有者)が入居者をみつけ賃貸借契約を新たに締結し、売った後に自由に処分できないようにするケースもあります。
ただ、これら明らかな妨害行為に対しては、都度、規制や取り締まりも厳しくなり現在では改善されてきていることも事実です。
また、情報が少なすぎるリスクも考えねばなりません。競売物件の価格を裁判所が決めるための情報源として、①「現況調査報告書」②「物件明細書」③「評価書」という3つがあります。逆にいえば、この限られた3つの情報の中で選ばなければなりません。限られた情報、応札期限の中で価格が決められるため、やはりリスクは依然大きく残っているのです。
安く買える理由という点から見ると、そもそも③の「評価書」では、通常の市場の評価点にいくつか修正が加えられており、初めから30%ほど安く設定されているケースが多くあります。初めから減価されている標準価格をみて応札するわけですから、当然安い価格がつけられますね。
このようなリスクが価格に反映され、安値で物件を購入できることになっているのです。
競売物件の情報はどこから仕入れるの?
競売物件の情報をいったいどこから入手するのでしょうか。実は「競売物件のSUUMO」ともいうべき、便利なWebサイトがあるのです。
このサイトはBIT「不動産競売物件情報サイト」といって、物件検索のほかにも、用語集や過去のデータ分析機能もついている優れものです。
また、状況によっては内覧を申し込むこともでき(見たい人からの申請ではなく、物件を差し押さえた債権者が「いつに内覧会しますよ」という)、リスクの回避に繋がります。
結局のところ、競売物件はいいの?悪いの?
競売の妨害行為に対しては、昔に比べ状況が大幅に改善されています。そうすると、やはり競売物件はお得なのでしょうか。
競売環境がよくなったことは、裏を返せば競売に参加する人が増えることを意味し、競売マーケットが盛んになってきたということです。事実、競売物件の落札価格が上昇しており、「格安で購入できる」という旨味が減っている側面があります。
つまり、事前に物件を精査できない不透明なリスクが依然残っているのに対し、リターンが小さくなっている場合があるのです。
そういう視点から通常の不動産取引を振り返ってみると、不動産のプロである仲介業者を通すことで、購入前の内覧や売主との交渉、売主側への詳細な問い合わせも自由にできます。購入後も重大な過失などあれば、責任追及でき、安心安全な取引の仕組みが整っていることが分かりますね。
もちろん、競売物件が一概にダメと言っているのでは決してなく、ご自身の資産ポートフォリオや資産形成の目的などを総合的に判断していただきたいのです。
競売物件に応札する前に知っておいて欲しいことは「安いから」という理由だけで飛びつくのは、やはりリスクが大きいということ。旨い話には裏があります。酸いも甘いも知った上で競売物件を検討しましょう。
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