事故物件をどう見分ける?不動産屋が訳あり物件を紹介できなくなる3つの方法!

※ブー太郎シリーズの「過去の記事一覧】はこちら!

自殺や火災があった「事故物件」「訳あり物件」。第三者チェックが難しい

ブー太郎:この前、おとり物件(広告)はネットに載っている情報だけでは見分けづらいって話がありました。

他にも、不動産で見抜きづらい物件ってありますか?

クマ社長:あります。ある意味、おとり物件よりももっと見抜きづらいのは、「事故物件」や「訳あり物件」と呼ばれるものですね。

ブー太郎人が死んだ物件ですね…。自殺や孤独死、火災による焼死とか。。あとは、他殺の場合など事件性があればもっと嫌ですね。

クマ社長:イメージ的にはそうですね。ただ、事故物件というものの確固たる定義はありません。

もう少し専門的にいえば「心理的瑕疵(かし)」がある物件ともいわれます。心理に影響を与える物件ですね。

ブー太郎:瑕疵といえば、瑕疵保険を思い出します!雨漏りや構造上の不具合など、住宅の欠陥が見つかった時に補修費用がでるあれです。

クマ社長:そうですね。瑕疵保険の瑕疵は、建物の不具合といった「物理的瑕疵」といわれるものが保険対象になっています。

瑕疵にはその他にも、建築基準法違反などの「法的瑕疵」、騒音・振動があったり近隣に嫌悪施設があるなどの「環境的瑕疵」もあります。

ブー太郎:たくさん瑕疵がありますね。。これら3つの瑕疵と、事故物件のような心理的瑕疵の大きな違いはなんですか?

クマ社長心理的“以外”の瑕疵は、インスペクションや周辺調査などで第三者がチェックすることが可能です。

でも、心理的瑕疵は確実な調査が難しいというところが他と大きく違う点です。

ブー太郎:そもそも、過去に事故・事件があったことはなにか建物の形状に変化を及ぼすなど形に残る変化を生じませんからね。

事故物件を公開する有名サイト「大島てる」。参考にはなるが確実ではない

ブー太郎:なるほど。聞き込み調査しようと思っても、そんなこと聞かれたら、個人情報を根掘り葉掘り探ってるように思われて警戒されますね。。

そもそもそんな事件知らないって人もいますし、事件・事故を早く忘れたいって人もいるかもしれませんね。

クマ社長事故物件かどうかを調べようにも、情報を持っている人が一部の関係者に偏ってしまい、外部調査も難しいのです。

「一室だけリフォームしてたり定期借家で募集してる物件は怪しい…」といわれたりもしますが、大家さんが2年後に住むことを予定しているケースなどいろんな理由があり、事故物件かどうかをそれだけで判断できません。

ブー太郎:でも、「大島てる」っていう事故物件サイトもありますよね!

クマ社長:はい。このサイトは確かに多くの物件の事故情報と思われるものを公開していますが、情報の正確性や網羅性が十分とはいえません。

誰とも分からない一般の個人が、事故情報を投稿していますので確認が十分でなかったり、間違った情報が載せられていることもあります。

民間のサイト運営者側の判断で事故と決めつけていることもあるようで、そして物件すべてを網羅しているわけでもありません。

ブー太郎:まあ、すべての物件について確実な情報を集めるってのは物理的に限界がありますしね。。

話半分程度でみる分には使えるのかもしれませんね。

クマ社長:はい。現実問題として、事故物件を何も知らない第三者が見抜くのは至難の業です。

大きくニュースで報じられた事故や事件なら多くの人が知り得ますが、そうでないとしたらなかなか知る機会がありませんからね。

仲介業者には告知義務が課せられるため、心理的瑕疵を知る事ができるが…

ブー太郎:事故物件を知る術はないということですか?

クマ社長:そうではありません。実は、事故物件であれば借主や買主に対して「この物件は過去に自殺者が出た物件です」といった説明を契約前にしなければなりません。

不動産仲介業者には、取引の判断に影響を及ぼすと考えられる事実を契約者に伝える「告知義務」が課せられています(宅建業法第47条)。

基本的には、これが忠実に守られていれば事前に知ることができます。

ブー太郎:物件の広告ではたまに「告知事項あり」と書かれていますしね。

マイホームの売買では、「物件状況報告書(告知書)」というのも売主側から提出してもらうことが多いです。

クマ社長:そうです。この時にも売主が知り得た事実が開示されるようになっています。

ブー太郎:それなら安心ですね?!

クマ社長:ただ、それがうまく機能しないケースが少なくありません。

問題は、告知に関する統一的なルールがないことです。それぞれの不動産会社が独自のルールを作ってそれに従って営業活動を行っているのが実態です。

ブー太郎:あ、それ聞いたことがあります。賃貸物件なら、事故物件となった後に新しい入居者が入れば、その入居者が退去した後は事故物件でなくなる…とか聞いたことがあります。

だから、事故が起こったらすぐに安い賃料で、しかも2年後に出ていってもらうために定期借家で入居者募集することが多いって。

売買物件なら、3年とか7年とかそれくらいの年数が経てば告知しなくていいって…

どこまで告知するか厳密なルールなし!裁判でも案件により判断が分かれる

ブー太郎:あれって駄目なんですか?

クマ社長:いいとも悪いとも言えません。裁判所でも、どこまで告知すべきかは物件の状況によって判断が分かれます。

売買であれば、買主が居住用で買うのか商業目的なのかでも変わります。殺人事件が起こった物件でもその内容が凄惨な内容であれば告知期間は長くなる、というのが裁判所の考え方です。

さらには、事故物件の立地にもよります。都心か地方か、といった地理的なことでも変わります。

ブー太郎:事故物件も立地によるんですか???

クマ社長:はい。住む人の入れ替わりが激しく、誰が隣に住んでいるかも知らないことが珍しくない都心部であれば、匿名性が高いとされ告知期間は短くなる傾向にあります。

逆に田舎であれば、事件・事故の内容が近隣の住人に知れ渡り、語り継がれることもあります。

それを知らない買主がそこに住宅を買っても、周りの住人がその事件を記憶していれば買った人はそのことを知り、ずっと嫌な思いをしてしまいます。

ブー太郎かなり判断が曖昧なイメージですね。。

クマ社長:約50年前に殺人事件が起こった殺人事件について、なお告知しなければならないという判例もあるくらいです。

しかもその案件では、建物を取り壊して更地にして40年以上もずっと放置された土地の売買でした。買主が居住目的で買ったことや、地方の土地であったことが判決に影響したようです。

かと思えば、都心の商業ビルのケースでは、2年前の放火殺人は告知しなくていいという判決が下った例もあるのです。

ブー太郎大前提として契約者に不利な情報を知らされる制度はあるとはいえ、どこまでいうかという線引きはすごく曖昧なのですね。

事情を知る売主や不動産屋に聞く。希望“しない”条件を伝えるのも有効策

ブー太郎:ではどうすればいいのでしょうか。

クマ社長:自分で知ることや調査することが難しく、売主や元付仲介業者(売主側の不動産会社)しかその事実を知らないケースもあります。

ということは、その事実を知っている人から、伝えてもらうように促すことが大切でしょう。

ブー太郎:買主・借主自ら積極的に説明を促すことが大事だと。

クマ社長:はい。ずばり直球勝負で、①不動産会社に対して「この物件に心理的瑕疵はありませんか」と逃げ道を作らずに聞いてみることは意外と有効です。嘘をつけませんから。

ブー太郎:案外単純な方法が有効なのですね。。

クマ社長:それから、②あえて「希望しない条件」を伝えることもメリットがあります。

「事故物件は絶対に契約したくありません!」と伝えておけば、それを言われた不動産会社は特に注意して事故物件を避けざるを得ません。

特に、メールなど後から見返すことができる手段で伝達すれば、ある意味証拠になりますので、安心ですね。

ブー太郎:うーん、事故物件は見分けるというより、知らされるかどうかという問題なのですね。

契約の当事者である買主・借主が積極的に情報開示を求めることが第一歩だということはよく分かりました。

なぜその価格なのか?を必ず確認。リスクを積極的に伝える不動産屋を選ぶ

ブー太郎:そもそも、買主や借主に対して、リスク情報やマイナス、デメリットなどこそ丁寧に伝えてくれる業者を選びたいですね。

クマ社長:その通り!物件を選ぶ前に不動産会社を選ぶ、やはり王道はそこなのです。

特に、仲介業者の実力が如実に表れるのが「価格の妥当性」の説明です。

ブー太郎:③「なぜこの価格なのか?」ってことを具体的に説明できる不動産会社を選ぶということですね。

クマ社長:そうです。事故物件には安い物件が多くあります。

「相場より安くて早くしないとなくなっちゃいますよ!」と契約を急かすセールストークが横行していますが、そういう時こそ冷静に立ち止まりたいものです。

ブー太郎:そうですよね!契約が成立するということは、買主・借主の相手方として、売主・貸主がいます。売主・貸主は「その価格で契約してほしい」って願っているもんです。

買主が契約書にニコニコ顔でサインしていると同時に、売主も笑顔でサインしているのだから、安井には安いなりの理由が必ずあるはずですよね!

クマ社長:不動産の価格には、目に見えにくい様々な要因がすべて集約されていると考えたほうがいいのです。

それを解きほぐして、なぜこの価格なのか?ということを突き詰めて説明してくれるのが不動産仲介業者の役目の一つです。

価格の妥当性を検証するプロセスをしっかり行うことで、耐震性が低い、建蔽率がオーバーしていて建築基準法違反だ、など、物件の本当のところが分かってくることがよくあるのです。

ブー太郎:どの物件にもデメリットや欠点、マイナスポイントはありますよね。

そういうことを先回りして教えてくれる不動産屋さんで安全な取引をしたいですね。

物件紹介が不動産屋の仕事ではない。エージェントを通じて安全な取引を!

ブー太郎:事故物件はある意味おとり物件よりも見抜くのが難しく、そしてリスクも大きいですね…

クマ社長:そうですね。おとり物件は契約ができませんが、事故物件は契約できてしまいます。売買であれば、将来売る時に大きな値下げリスクもありますからね。

今回の話をまとめると、

  • 事故物件(心理的瑕疵のある物件)は見分けにくい。一部の関係者しかその事実を知らないことがあり、第三者による外部チェックも難しいため
  • 不動産屋には契約者に不利な情報を開示しなければならない「告知義務」があるが、その解釈や運用方法は各社でバラバラ。判例でも意見が分かれる
  • 買主・借主が①積極的に説明を求め、②希望しない条件を伝えることが有効。なにより、③価格の妥当性を検証し、リスク情報こそ積極的に開示する不動産屋選びが大事
ということですね。

ブー太郎:何回も話題に上ってますが、やっぱりリスク情報こそ積極的に発信してくれる不動産エージェントを選ぶことがカギになりますね。

クマ社長:その通りです。物件紹介が不動産屋の仕事ではありません!ぜひとも不動産エージェント(検証できる会社)を通して契約しましょう!

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