高齢者が自宅を売却⇒駅徒歩5分の便利な中古マンションに住み替えた事例

※プライバシー保護のため記事内で一部取引内容をぼかす等の配慮をしています

高齢者が自宅を売却、駅から5分の便利な中古マンションに住み替えた事例

70歳代後半のご高齢者であるAさんご夫婦は、借地権付き戸建て住宅にお住いでした。

つまり、土地を地主さんから借りて、毎月地主さんに地代(土地の賃借料)を払いながら、Aさん自身が土地の上に建てた戸建住宅に住んでいました。

ところが借地契約の更新時期を迎えたころ、地主さんから「借地権を返して欲しい」と言われ、どうすればいいのかミトミに相談したいとのことでご来店されました。

結論から言えば、Aさんご夫妻は住んでいた借地権付き戸建て住宅を売却し、駅から徒歩5分の便利な中古マンションに住み替えることができました。

築古の中古マンションであるものの、給排水管を含むフルリノベーションをしており、内装設備は最新のもので新築同様の快適な暮らしができています。

賃貸に出せば、家賃は月額13~14万円程度取れる資産価値あるマンションであり、老人ホームへの入居など更なる住み替えにも備えられます。

ここでは具体的にこのマイホーム取引を振り返り、ぜひマイホーム購入の参考としてください。

借地権付き戸建て住宅を地主に売却し、次の住まいを半年以内に探すことに

具体的には、地主さんから「Aさんの持っている借地権と戸建て住宅を合わせて2,800万円で売って欲しい」と言われている状況でした。

そもそもこの価格が妥当なラインなのか、そして売却したとしてその後の住まいをどうすればよいか、といったことを知りたいとのことでした。

そこでまずは、借地権とその上の建物(戸建て)の価格を評価し、以下をお伝えしました。

  • 必ずしも借地権を手放さなくてもよく、このまま住み続けることも可能であること(正当事由のない借地権の返還には応じる必要はないこと)
  • 一方で、売却価格2,800万円は妥当であり、借地権と戸建てを手放すことも選択肢の一つであること
  • 売却する場合には、次の住まいを買う(マイホーム購入)か借りる(賃貸物件に入居)かどちらかであること

Aさんは考えた末に、借地権と戸建てを2,800万円で売却することにしました。

そして地主さんとの間で、約半年後までに土地と建物を明け渡すことと引き換えに、売買金額2,800万円の対価をもらうという売買契約を結びました。

借地権付き建物の引渡し日は半年後です。ですので半年以内に現在の住まいを出ていかなければならず、それまでに次の住まいを探すこととしました。

尚、借地権売却において2,000万円以上の譲渡益が発生しましたが「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」を適用することで、譲渡所得(税金)をゼロとすることができました。

次の家を買うか借りるか悩む。好立地に住む ⇒ 購入、不便なエリア⇒ 賃借

Aさんは借地権付き建物を売却することを決めたものの、次の住まい(マンション)を買うべきか・借りるべきかでも悩まれていました。

借りるにしても買うにしても、今後10年20年と続く余生を同じ場所で過ごしたいという想いがありました。

そこで「不便な立地に住むなら賃貸住居を借りる、便利な立地に住むならマンションを買う」ことをおすすめしました。

不便な郊外住宅は購入しても値下がりリスクが高い一方、賃借するなら安く借りやすい特徴があります。入居者の募集競争が激しいため、大家さんが安い賃料でも貸してくれることがあるからです。

一方で、好立地物件であれば将来売ったり貸したりと不動産活用ができ、資産となるため購入した方が有利です。借りるとなれば高い家賃を支払わなければならなくなります。

Aさんとお話を進めていく中で、Aさんは住み慣れた成増駅(板橋区)に住みたいという希望があることが分かりました。

利便性の高い成増エリアの駅近物件を考えており、そうであればマンション購入で進めた方がよいことをアドバイスし、Aさんご夫妻も家を買うことを心に決めました。

高齢者が好立地の賃貸物件に住むリスク。最後は劣悪な物件に住むことに?

実は家を買うか借りるか問題は、すぐにAさんご夫妻が納得されたわけではありませんでした。

当初は「家を買うのは一生に一度」という考えが抜けきれず、いまいち「再び家を買う」という感覚に実感がわいてないご様子でした。

「マンションを買うなんて贅沢をせず、賃貸暮らしでいい」というご意見もあったくらいです。そこで、利便性の高いエリアで高齢者が賃貸物件に住むリスクを説明しました。

まず、好立地の賃貸物件で老後を過ごすリスクは、そもそも高齢者の入居を断られる可能性があり、入居可能な物件が限られてしまうことです。

大家としては、孤独死リスクや年金暮らしによる家賃滞納リスク、認知症発症リスクなど、不動産賃貸経営上はどうしても高齢者を避けたがる傾向にあります。

特に利便性の高い成増アドレスで、かつ駅近物件は若い入居者が多くいます。わざわざ高齢者に賃貸したくない…という大家さんが居ることは無理もありません。

将来の認知症等を大家は懸念。建物老朽化で強制退去すれば不便な家に住むリスクも

Aさんはご夫婦でのご入居であり、健康上の問題もなく、手元資金も豊富なため直ちに問題になるわけではありません。

しかし、借主の権利がかなり強く保護される借地借家法上、一度入居を許せば、大家としては「出て行ってくれ」とはいえません。

今はよくても将来、ご夫婦のうちどちらかがお亡くなりになられたり、その後孤独死となるケースも想定されます。

また、2025年には高齢者のうち5人に1人、20%が認知症になるとの統計もあるくらいです。今は元気でも将来認知症など病気を発症する可能性はあり、やはり高齢者の入居は厳しい現実があります。

加えて、特に、今後10年20年と亡くなるまで賃貸物件に住む場合、途中で賃貸アパート・マンションが老朽化により取り壊される可能性もあります。

老朽化による建物取り壊しは、やむを得ない事情として正当事由が認められることが多く、事実上、強制的に退去になります。

そうなると、次の賃貸物件を探すことになりますが、年齢を重ねた高齢者は賃貸物件難民となるリスクがさらに高まってしまいます。

最終的にはかなり駅から遠い不便な立地や、建物性能の悪い物件、つまり一般の入居者が避けるような劣悪な物件に住まなくてはならないリスクがあるのです。

資産となるマンションは、家賃収入や売却資金という形で将来お金が戻ってくる

一方で、マンションを購入する場合にはお亡くなりになるまで、誰に文句を言われることなく住み続けることができます。

なにより、利便性の高い成増アドレスの駅近マンションを適正価格で購入できれば資産となります。

例えば老人ホームに入る場合には、マンションを賃貸に出し家賃収入を得ることで、老人ホーム代を賄うことができます。お亡くなりになった後にお子さんなどの相続人がマンションを引き継いだ後も、売ったり貸したりすることで不動産を活用できます。

一方で賃貸では家賃がそのまま出費となります。

Aさんご夫妻の希望賃貸物件の条件(スペック)であれば最低でも月額家賃10~12万円であり、初期費用や更新料、火災保険料などを含めると18~20年程度で2,800万円はなくなる計算です。

この2,800万円を家賃として二度と戻ってこないお金として支払うか、購入資金として将来戻ってくるお金とするか、大きな違いがあるのです。

Aさんご夫妻にこういった事項を丁寧に説明し、Aさんは最終的にマンションを購入することに決めました。

予算増額し駅距離や耐震性を優先して中古マンションを探す。築年数は妥協

Aさんご夫婦の中古マンション探しが始まりました。

住宅予算は、借地権+戸建て売却資金の約2,800万円以内でマンションを探して欲しいとのご希望がありました。

しかし、便利な成増エリアの相場はもう少し値が張ります。成増駅は、東武東上線、東京メトロ有楽町線・副都心線の3路線が利用可能です。

東武東上線では準急・急行が止まる駅なので、池袋までは直通(1駅)10分で着くため交通の便が良好です。東京メトロでは池袋や新宿、渋谷など都心や横浜方面へのアクセス性もよいです。

また、スーパーや飲食店、繁華街、複数の商店街があり、再開発により駅ビルや複合施設や商業施設も集まっています。少し歩けば大きな公園(約60万㎡の光が丘公園)もあるなど、とても便利で賑わっている街です。

このような利便性が高い成増で2,800万円を下回る物件となれば、専有面積が極端に小さいものやエレベーターなしの物件、現行の耐震基準を満たさない旧耐震物件などであり、手を出してはいけない物件ばかりです。

そこで、Aさんの資産状況や老後の生活資金、マンションの管理費・修繕積立金支払いなど将来の家計負担を考慮した上で、住宅予算を3,300万円程度まで増額してもらいました。

駅距離は妥協せず徒歩7分圏内で物件探し。築年数の古さを許容し予算に収める

Aさんご夫妻は住み慣れた板橋区成増エリアで老後を過ごしたい希望がありました。

利便性や物件の資産性を考えると、やはり駅距離は妥協できません。そこで徒歩10分以内は厳守(絶対条件)と、できれば7分以内の立地(できれば条件)を目指すこととしました。

尚、成増駅周辺は多くの坂道があることも踏まえ、駅から近い場所を重視しました。駅から離れるとご高齢のAさんご夫妻は歩くのが億劫になる可能性があったためです。

さて予算は増額してもらったものの、このように立地(駅距離)を最優先することとしたため、その他の物件スペックを妥協する点がでてきます。

そこで、1981年6月以降に建築確認された「新耐震基準の物件であること」は厳守しながら、築年数を1980年代半ばまで許容していただくこととしました。

また、設備故障による出費や工事依頼等が煩わしく、すぐに修繕が発生しそうにない物件やリノベーションされた物件があれば、そういう物件をご希望されました(できれば条件)。

そのため、駅距離が近い好立地にある築古を含めた中古マンションの中で、数年以内にリフォームされた物件または不動産業者によるリノベーション中古マンションを軸に検討していくことにしました。

このように予算制約がある場合には、重視するポイントと妥協するポイントを定め優先順位をつけて物件探しすることで、失敗のない家探しができます。

Aさんご夫妻の場合には資産性を重視し、結果的に、将来にわたって経済的にも安心して暮らせるマンションが手に入る要因となりました。

人気エリアの物件は動きが早い。検証を内覧前に終わらせ、迅速に購入判断

具体的に物件選定に入ったものの、希望エリアや予算が限られるため、必然的に物件もかなり絞られます。

特に、人気エリアの駅近物件は売り出されればすぐに売れることも珍しくありません。人気のエリアは物件競争が激しく、希望条件を満たす物件が出たらすぐに買おうと待っている人が一定数いるのです。

実際、Aさんが内覧する予定だった4物件のうち、内覧の前日に2物件の買付申込(購入申込)が入ったこともありました。

現在居住している借地権付建物の明け渡し期日が半年後に迫る中、スピード感を持って購入決断を行うことが人気エリアの住宅購入のポイントです。

駅近マンション購入を成功させるためには、内覧してからあれこれ考えだすのではなく、内覧までに「買っていい物件か?」「適正価格はいくらか?」とったチェック・検証を終えておく必要があります。

そこでミトミでは、毎日REINSでの物件チェックを欠かさず行い、希望に沿う物件が出ればすぐに物件検証を行い、ご提案に資する物件と判断すればAさんご夫妻に物件資料をご送付しました。

内覧までに不明点やできる限りの検証作業を終え、Aさんご夫妻のご内覧はある意味確認作業として、購入判断をすぐできる状況を作ったのです。

コスパ良いフルリノベマンションを購入。大規模修繕も実施済で管理も良好

結果として、駅から徒歩5分にある築古のフルリノベーションマンションを気に入り、3,200万円で購入しました。

スケルトン(柱だけの状態)にしてからの、給排水管を含む設備を一新するフルリノベーションがされており、キッチン、浴室、洗面化粧台、トイレといった主要設備、フローリングやクロス、建具、その他照明設備もすべて刷新されています。

リノベ内容や設備仕様等から価格検証も行いましたが、仮に個人が業者に発注する場合であれば、700~900万円程度のリノベーション内容です。

リノベーションを専門とする買取再販業者は、物件自体を安く買いたたき、自社施工(または大量発注)でコストパフォーマンスよく実施します。

特にこの中古マンションは、リノベ大手によるフルリノベ物件で、仕入れ・企画・検査・施工まで一貫して行う業者が売主です。

そのため、価格の妥当性の検証を行っても決して割高でなく、リノベーションによるバリューアップを加味しても相場通り~割安の範囲にある物件でした。

加えて、当面の補修は発生しないことが予想され、さらに中古物件ながら給排水管・ガス管を含む10年長期のアフターサービスがあることも安心材料でした。

マンション自体も、エレベーターのリニューアルを含む大規模修繕工事も数年前に終えたばかりで管理状態もよく、本物件の購入に踏み切る後押しとなりました。

尚、この物件にはAさん以外にも購入申込が入りましたが、すぐに購入判断をしたAさんが一番手となり、無事契約できました。

【まとめ】貸せて売れるマンションで、経済的にも安心して暮らしていける

Aさんご夫妻が購入したマンションの他の住戸は、月額家賃13~15万円程度で賃貸できています。

もし、将来老人ホームにご入居される場合などには、本物件を貸し出すことで毎月収入を得ながら、老人ホームの費用支払いに充てることもできます。

成増は人口も増えており、公示地価も年々上昇しています(2020年は新型コロナウイルス感染症の影響でマイナス)。売却することで、2,500~3,000万円の売却資金を得ることもできるでしょう。

もし、賃貸物件に居住していれば毎月家賃を支払い続け、どんどん現金が目減りしていくだけでした。

利便性が高く「ここに住みたい」と思えるエリアにマイホームを所有しているからこそ、自宅という資産を活用できます。結果として土地に縛られることなく、高齢者になっても経済的に安心して暮らしていけるのです。

振り返ればAさんご夫妻は、元々お住まいだった借地権付き建物も、次に購入した中古リノベマンションも、結果的に好立地物件を所有してきました。

資産価値のある家が住み替えを可能にすることを裏付けていますね。ぜひ、家を買う時には将来貸せて売れる「資産価値のある住宅」であるかどうかを、不動産屋さんにチェックしてもらってください!

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