タワーマンションは買っていい?高層階に住む意外なデメリット6つとは?

タワーマンションの高層階に憧れる…でもイメージ買いすると後悔する?

「タワーマンションの高層階に住んでいる」と聞くと、なんだかお金持ちや富裕層のライフという感じがしますね。

高層階というと景色も綺麗で毎日が快適な暮らしというイメージもあります。でも、そのイメージだけでタワマン高層階を買ってしまうと後悔することにもなりかねません。

後述する通りメリットとデメリットは表裏一体ともいえ、タワーマンション(の高層階)は意外と人を選びます。

タワマンだからこその特徴を理解しておかないと「こんなはずじゃなかった…」「意外と住みづらい…」となるケースもあります。

ここでは、漠然としたイメージだけで買う前に、しっかりとタワーマンションの性質を理解しておきましょう!

尚、ここではタワーマンションは20階以上のマンションのことをいうものとします(ちなみに、60m以上は超高層マンションなどといわれます)。

【まとめ】6つのメリットとデメリット。タワマンの長所短所は表裏一体?

まずはメリットとデメリットを6つの視点でまとめます(詳細は後述)。

この表をみると分かる通り、メリットが逆にデメリットとなるような性質があるといえます。

Noメリットデメリット
陽当たり・眺望・風通しがいい日射や強風が厳しい・洗濯の制限
共有施設が豪華管理費・修繕積立金が高額
利便性の高い立地(商業地域)生活費や固定資産税が高額
子どもの遊び場が乏しい(高所平気症の誘発も)
耐震性に優れる(制振・免振など)揺れが大きい
セキュリティレベルが高い移動時間がかかる
(外出・帰宅・駐車場・宅配便など)
コミュニティが充実(住人との出会い)上下階層格差・合意形成の難しさ

もちろん、どのタワマンの高層階も必ずこういった特徴があるというわけではありません。あくまで一般論です。

ただ、具体的に購入検討する時には、この表に書かれてあることも照らし合わせながら、ご参考にしてください。

なによりタワマンは価格が高い傾向にあります。最上階となるととんでもない価格になることも…ぜひ後悔のないようにご購入ください。

①陽当たり・眺望・風通しが良すぎ ⇒ 暑すぎ・騒音・洗濯の制限など

タワーマンションの高層階は、遮るものが少なく、陽当たりや眺望、風通しもよいという大きなメリットがあります。

一方で、高層階は遮るものがないからこそ、夏に猛烈に暑くなる部屋がでてくる場合があります(時間や部屋の位置などにもよります)。

また、タワーマンションの上層部は、(地面との摩擦などがないため)風も強くなります。強風となる場合もあり、窓を閉めても風の音が騒音と化すケースもあるようです。

窓を開けっぱなしにしていると突風が入ってくることもあるなど、生活の制限がかかる時もあります。

この強風のため、高層階の場合には洗濯物が干せないことがほとんどです。布団などを干して飛ばされた時に危険なことや、景観上の問題も理由の一つです。

浴室乾燥機や乾燥機付洗濯機を使ったり、部屋干しをしたり、クリーニングに出したりということが苦手な場合は、慎重に検討したいですね。

②共有施設が豪華 ⇒ 管理費・修繕積立金が高額に。使わない設備も多数?

タワーマンションは一般的に共有施設や設備が豪華なことで知られます。

24時間ゴミステーションや宅配ボックスは当たり前です。その他にも以下の施設など、たくさんの豪華な施設・設備があることが一般的です。

タワーマンションの共有施設・設備の例
24時間ゴミステーション、宅配ボックス、ゲストルーム・パーティールーム、ロビー・ラウンジコンシェルジュ、ライブラリー・ワークスペース・スタディルーム、スパ・温泉、バー、プール、ジム・フィットネスクラブ、キッズルーム、シアタールーム、コンビニ・スーパー、医療施設、保育園、役所の出張所

またこれら以外にも、一定の要件を満たすタワマンは、ヘリポートなどの緊急離着陸場や緊急救助用スペース、非常用エレベーターを設けることも義務付けられています。

尚、宅配サービスとの連携などもあり、タワーマンションの中だけで生活が完結できるところもあります。タワマンが一つの街と化した状況ですね。

使わない施設でも管理費を支払う必要あり。住戸数が少ない中規模タワマンも要注意

これらの共有設備のメンテナンスや設備入れ替えなどは、管理費・修繕積立金で賄われます。

ですので、施設がたくさんあればあるほど、毎月の管理費・修繕積立金が高額になります。中には、月額10万円を超えるタワマンもあるほどです。

また、すべての設備を使うかというとそれは住人の趣味嗜好にも大きく依存します。使っていなくても支払わなければなりません。もったいないですね。

さらにいえば、キッズルームなどは一時期使っても、子供の成長とともに使わなくなります。目先の利便性に惹かれたものの、これまた無駄な支出になってしまう場合もあります。

特に住戸数の少ない中規模タワーマンションであれば一戸(一世帯)当たりの支払額が多くなり負担が増すことにも注意したいですね。

大規模工事が高額で、築年数の経過とともに修繕積立金が値上げ。一時金の徴収も

タワーマンションの場合、高層階までクレーンが届かない事情などによって、大規模修繕工事も特別な工事となり工事費が高くなります。

外壁の素材や設備に特注品が使われている場合はさらに高額になります。

また、管理費や修繕積立金は購入当初は割安に設定されていることも多く、築年数が経過するごとに値上げされることがあります。

さらに長期修繕計画の見通しが甘い場合には、修繕積立金の一時金を徴収することもあります。

当初の想定以上の負担を強いられることにならないよう、しっかりと確認した上で購入したいですね。

③便利な商業地域 ⇒ 居住用エリアでなく生活費も高い。子どもには不便?

タワーマンションは、建築基準法上の用途地域でいえば、商業地域~工業地域に指定されたエリアにしか建築できません。

ですので、タワーマンションの多くは商業地域に建築され、周辺にショッピングセンターなどの商業施設が立ち並び利便性の高いエリアです。

一方で、商業施設は本来居住を主目的としていないため、住環境としては騒音などには注意したいところです。地価も高く、固定資産税・都市計画税の支払いも高くなりがちです。

また高級スーパーなど、タワマン周辺は値段の高いお店が多く、物価が高くなりがちで生活費が多くかかるという傾向もあります。

さらに、お子さんにとっては公園などの遊び場が周囲に乏しいことが多く、室内で遊ぶことになりがちです。

また、高い所でも恐怖を感じにくい「高所平気症」に育ちがちともいう指摘もあります。利便性の反面、お金や子育て面で懸念があるということですね。

④制振・免振構造など地震に強い ⇒ 高層階では揺れが大きく船酔いに?

タワーマンションは、一般的に耐震性が優秀です。

新耐震基準であることは当たり前で、さらに制振・免震構造であることも多く、大規模地震への備えも強く意識されています。

一方、制振・免震構造であることで、特に高層階は揺れる構造で揺れを大きく感じることがあります。

地震が発生した時には、ゆっくりと大きな揺れ(建物が壊れないよう“しなる”ような揺れ)を感じ、人にもよりますが船酔いのような感覚に陥るケースもあるようです。

揺れやすくしているのは、振動エネルギーを逃すための技術ではあるなど、意味のあることです。

ただ、恐怖を感じる方もいらっしゃるようですので、事前に地震時の対策が建物にどう施されているのかということを知っておきたいですね。

大地震で電気や水道が止まると…階段の昇り降りに苦労するタワーマンション

地震時の揺れだけではなく、タワーマンション独自の懸念もあります。

例えば大地震が起きて、電機や水道、ガスなどのインフラがストップしてしまうことがあります。

その場合、停電すればエレベータが止まりますので、高層階に住んでいればそのフロアまで階段で昇り降りしなければならなくなります。

また、水道が止まれば給水車などで水を確保しなければなりません。その際にも、重たい水を持って階段を上がっていかなくてはならず大変です。

大規模災害時に脆弱な面が露呈してしまうタワーマンション。超高層マンションならではのリスクといえますね。

⑤セキュリティが高い ⇒ 外出・帰宅・駐車場・宅配便で時間がかかる

タワーマンションは、セキュリティ面も管理が行き届いていることが多いです。

防犯カメラやセキュリティ会社との連携以外にも、訪問者にコンシェルジュが対応したり、24時間体制で管理人や守衛が在中している場合もあります。

駐車場に専用のスタッフが常駐しているマンションもあります。

さらに鍵も電子管理されることが多く、エントランスゲートはもちろんのこと、エレベーターに乗車後にも鍵をかざすことで居住している特定の階にしか止まらないシステムが導入されているところもあります。

誰かが他人の鍵を拾ったとしても、特定の階にしか止まらないため防犯効果がありますね。

鍵の複製も特定の会社のみが取り扱い、スペアキーを作るにも管理会社で記録を取る場合も多いです。

エレベータや駐車場で待ち時間が長い。毎日不便を感じてストレスになることも

セキュリティ面がしっかりしている反面、外出・出勤時や帰宅時などに時間がかかりタイムロスが発生しがちなデメリットもあります。

例えば、エレベーターの待ち時間が長いことがよく指摘されます。階数が高い分、(高さごとに専用エレベータを分けたり高速機を導入していても)エレベーターの往復に時間がかかります。

また、多くの住人が住むため駐車場の出し入れも混雑しがちです。特に時間のない朝の出勤時間には、待ち時間やマンション内渋滞でイライラすることもあるようです。

さらに、宅配ボックスではなく、直接宅配便の受け取りする場合には、エントランスで呼び鈴をならされてから実際に玄関に来るまでかなりの時間を要する場合もあります。

尚、コンシェルジュのスタッフが常駐するため、挨拶がおっくうだったり、ちょっとしたゴミ捨てなどでも化粧しなければと、そういう面で面倒くささを感じる方もいらっしゃるようです。

毎日不便を感じるとちょっとストレスですね。。タワーマンションの質の高さの裏側には、面倒くささや不便さが潜んでいることは理解しておきたいです。

⑥社会的信用の高い住人が多い ⇒ タワマン内格差や合意形成の難しさも

タワーマンションは、一般的に高額な商品です。1億円を超えることも決して珍しくありません。

その住戸を購入できることは、高収入であったり資産家であることも多く、特に高層階では富裕層といわれる方も多く存在します。

社会的ステータスの高い人が集まる傾向にあり、そういうコミュニティの中で新しい出会いがみつかることもメリットの一つといえるでしょう。

一方で、高層階の住人が低層階の住人を下に扱う“マウンティング”や、下の階層の住人が高層階の住人をみて劣等感を抱くなど、マンション内格差が生まれる場合もあります。

また、自動車や学校、趣味などもコミュニティ内での同調圧力を感じる方もいるようです。結果として、高級車や私立のブランド学校、海外旅行などお金のかかる生活を無理して行い、生活が苦しくなるという話もあります。

すべてのタワマンがそうとは限りませんが、その辺りの心理的負担を強く感じる方はおすすめできないかもしれません。

タワマンは海外投資家も多い。マナー違反や滞納トラブル、合意形成の難しさも

タワーマンションは、居住用(マイホーム用)として購入する方の他に、投資用やセカンドハウスとして買う場合も少なくありません。

中国や台湾、香港などの海外投資家(富裕層)がこぞって日本のタワーマンションに投資した時期もあったほどです。さまざまな住人がいる可能性があります。

そうすると、日本の生活習慣や文化の違いから、住人トラブルとなることもあります。ゴミ出しや共有施設の使い方のマナーの悪さ、管理費・修繕積立金の滞納などです。

もちろん、通常のマンションよりも住民の国籍も多岐にわたるということは、悪いことだけではないでしょう。

ただ、海外に居住している所有者が多く、文化的な背景も異なる場合、将来的に大規模修繕の実施や建て替え決議などで合意形成が難しくなることが考えられます。

いずれにせよ、管理組合の運営を円滑にするためにも、日ごろから積極的なコミュニケートをしていきたいですね。

低層階も悪くない?欧米ではタワマンが不人気?購入前にしっかり検討を!

タワーマンションはメリットもある一方、管理費などに高額なお金がかかったり、生活上不便なことがあったりとデメリットもあることが分かりました。

タワーマンションの醍醐味といえば高層階ではありますが、いいところも悪いところもあります。低層階の方が価格メリットなどもあり、おすすめという意見もあります。

ちなみに、日本ではタワーマンションに価値を置く人が多いです。

一方、特に欧米では、タワマン自体に必ずしも良い印象を持っておらず不人気なケースがあります。一定の規制をかけたり、低所得者向きの建物というネガティブな考え方もあります。

タワマンの購入される前には、事前にしっかりとこれらメリット・デメリットを考え、いろいろな視点で検討してみてくださいね。

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