米国で戸建ての資産価値を維持する秘訣は「HOA」!住宅の管理組合?

日本のマンションには管理組合があっても、戸建て住宅は野放し?!

マンションには必ず管理組合があります。マンションの修繕計画を立て毎月住人から修繕積立金を徴収するなど、建物が健全に維持できるよう管理・運営されています。

また、室内の床を取り替える場合には一定の防音性能を求めたり、ペットの飼育可否、楽器の使用可否など住民が快適に暮らせるよう、あらかじめさまざまな取り決めがなされています

一方で、戸建て住宅の場合にはどうでしょうか。任意の自治会はあっても、建物のメンテナンスは住宅の所有者に任されており、自由に暮らすことができます(ごく一部の地域を除く)。

「所有者なんだから当たり前!」といえばそうですが、地域としてとらえた場合、統一性のない虫食い状態の街ができる原因にもなるのです。

アメリカは「HOA」が戸建て住宅エリアを管理。住民が資産価値を維持

米国の一部地域では、マンションのみならず、複数の一戸建て住宅においても「HOA」(Home Owners Association:管理組合)が資産価値を維持するためにそのエリアを管理・運営しています。

そのために、住宅の所有者とHOAの間で、「環境管理約款」(CC&Rs:Covenants,Conditions and Restrictions)を締結し、規制をかけるのです。

マンションの場合には複数の住戸を管理するのですが、これの戸建てバージョンです。一軒家のコミュニティを創り出しているのですね。

外観や屋根、窓などの色や素材、建て替えや改修時のルール、庭や芝の管理、ホームパーティの開催時間、賃貸に出す時の条件などを取り決め、違反した場合には罰金を課す場合もあります。

地域住民が一体となって、景観などを損なわないように努めることで魅力的な住宅地をつくり、「そのエリアに住みたい!」と思える住環境を住民全員で育てていくのです。

エリアマネジメントに課題。自分たちで街を「育てる」意識醸成が必要

いくら利便性や機能性の高い戸建て住宅があっても、無秩序に住宅街が形成されれば景観も悪化し、エリア全体でみた場合に特色のない街になってしまいます。

日本も一定の制限はあるものの、やはり住民全体で特色ある街並みを維持しようという意識は薄いといえるでしょう。

例えば、地方も都心部も駅前にパチンコ屋が立ち並ぶ光景は世界に類をみないともいわれています。住宅を購入することを考えれば、パチンコ屋が近くにあるのは敬遠するでしょう。

日本は、エリアマネジメントやタウンマネジメントに乏しいとの声もあり、地域を自分たちで「育てる」という意識を醸成することが課題といえます。

日本の状況や文化に根差した方法で資産価値を維持向上させる

日本は国土が狭く、狭小な住宅が乱立せざるを得ない事情もあります。

無計画に作られた街並みが、ある種「日本らしさ」を象徴し、雑多な街並みや下町風情も日本文化の一部といえ、やみくもに規制をかけても「ルールで縛って住みづらい」と敬遠されては元も子もありません。

また、自分たちで街のルールを定める「建築協定」や「一人協定」、独自色を打ち出すために建築基準法に加えて制限を課す条例を制定するなど、一部地域では動きがあります。

しかし、日本がこれまで不動産市場に投下したおカネは約900兆円に対して、現在の価値は350兆円程度、その差約▲550兆円は日本の不動産が失った価格(含み損)となっています。やはり日本全体で資産価値を向上させていく必要性を感じます。

「どうせメンテナンスしても評価されない」を払拭する仕組みが喫緊の課題

日本では、実際の取引において不動産評価方法がまだまだ未熟といえます。

金融機関も本来の建物状況とはあまり関係のない「法定耐用年数」を評価の基準としている実態があります。最近は、国交省や一部の先鋭的な信金などがそれを軟化させ、住宅の状況に応じた柔軟な評価方法に切り替えようとする動きが活発化しています。

自分一人が手間暇かけ、おカネも時間もかけて住宅メンテナンスしたり、地域の景観に気を付けたりしてもそれが適切に評価されなければ、やる気を削ぐことになります。日本全体として、資産価値向上を動機付けることが今後の課題でしょう。

古くからHOAが確立された米国と、そうでない日本ではそもそも歴史も文化も異なります。既に建物はできあがっており、街を形成しています。

今後もなかなか一筋縄ではいかないかもしれませんが、日本の良さを生かし、日本にあった方法を模索していきたいですね!

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