住宅ローンの借入額が増えても返済の負担は減る?返済比率で検討を!

低金利によって、年収が低くなってもマイホーム価格は変わらず

年収の何倍のマイホームを買ったかを示す「価格年収倍率」(=物件価格÷年収)は、2000年には「約3.5倍」であったものが2016年には「5倍超」と上昇しています。

これは、三井住友トラスト基礎研究所の竹本副主任研究員が「フラット35」の利用者について調べたもので、住宅価格やローンの頭金は横ばいである一方、年収が下がったために価格年収倍率が上昇していると分析しています。

いずれにせよ、2000年に比べて2016年は年収の約1.5倍分も高い価格のマイホームを買っているのです。

背景には、日銀によるマイナス金利導入や、10年物国債のゼロ%付近への誘導などによる金利の低下があります。金利が安くなる分、住宅購入価格を上げられるようになっているということです。

住宅ローンの借入総額が増えても、返済の負担(返済比率)は軽減

年収に対して(頭金が変わらずに)物件価格が高くなるということは、住宅ローンの借入額が増加するということです。

「年収に対する物件価格が上昇している」という事実だけみるとローンの支払い負担が大きくなる印象を受けます。しかし本当に考えるべきは、収入に対するローン返済額の割合である「返済比率(返済負担率)」です。

実際、2010年当初より価格年収倍率が急上昇する反面、金利の低下とともに返済比率も大きく改善(負担が減少)、住宅ローンの延滞率やデフォルト率も改善したようです。

現在は、平均的な返済比率の水準は23%弱とみられ、借入額が増えても一概に負担増とはイコールではなく、返済比率を適正水準に抑えることが重要であるといえます。

返済比率が25%を超えると、デフォルト率が2倍に急騰?!

返済比率が25%を超えると、25%以下の場合に比べて、ローンが返せなくなるデフォルトが起こる率が2倍に悪化するという統計結果もあります(同竹本研究員)。

もちろん、25%以下であっても返済比率が20%を下回れば、よりデフォルト率が改善します。

できるだけ、月々の収入に対して25%以内に返済額が収まるように住宅ローンを借り入れるようにしましょう。

「住宅ローンは年収の〇倍!」は単なる目安。「返済可能額」が大切

マイホームを購入する際、「年収の5倍の物件を買う」「年収の6倍が予算」など年収の何倍といった表現が使われることがあります。

大雑把な目安として考えることは否定しませんが、これは銀行が最大でいくらまで貸してくれるかという「借入可能額」の視点によるものです。その額にあまり意味はありません。また、この倍率自体その時の金利水準などで変わります。

それよりも、収入の中で住宅ローンの返済に充てることのできる限度額である「返済可能額」を把握し、その視点で予算を考えましょう。

いくらまでなら返済できるか、実際にマイホームを購入後に始まる生活の実態を捉えたものだからです。

返済比率だけではない。ライフプランに応じた堅実な資金計画の作成を!

おカネを貸し出す金融機関も審査において「返済比率」を重視しており、借り手にとってもローンを受ける際に返済が生活に与える影響を推し量るとても大切な指標です。

しかし、返済比率は「今の」年収によって計算されます。今後、収入が減る可能性もありますし(収入が上がっても)子どもの成長にあわせて支出が大きく増えるかもしれません。

マイホーム購入は住宅ローン購入ともいわれます。大きな買い物をする前に、今後数十年を見据えた資金計画(ファイナンシャルプラン)を立てましょう。

その計画通りに人生が進むことはないかもしれませんが、家計の基準を作ることで、何が課題かがみえてきます。数値に落とし込んで具体的に考えることもできます。気を付けるポイントが可視化されるのです。

安心・安全・快適な暮らしを実現するためにも、まずは日々の家計を圧迫しないよう十分な検討をしたいですね。

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