イギリス版、資産価値をあげる5つのリフォーム・リノベーションとは?

マイホームのリフォームでも資産価値を設備ごとに考える

英国のNational Association of Estate Agents(NAEA)は、去年、物件価値を高めるのにもっとも適したリフォーム・リノベーション内容を発表しています。

その中で、不動産業者の半数が「寝室を増やすこと」を挙げました(通常、屋根裏のスペースを改築して寝室スペースを確保します)。また、1/3はキッチンに重点的に投資すべきとし、その他はサンルームやガレージをリビングスペースに改築することを提案しています。

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不動産エージェント会社のMove With Usが実施した同様の調査では、最も価値あるリフォームは「寝室を増やす」「屋根裏を改築する」「バスルームを増やす」「キッチンのリフォーム」「全館集中暖房・中央暖房(セントラルヒーティング)」となっています。

寝室やキッチンなど、生活の中心となる部分に加え、屋根裏を改築するなどは日本ではあまり考えられない調査結果であり面白いですね。

日本ではマイホームのリフォームに売却価格を意識していない?

さて、これらの結果を受けて書かれた、英国のリフォーム・リノベーションに関する記事の一部要約は以下の通りです。ここから何が読み取れるでしょうか。

  • 増築
    増築の形は多岐にわたる。そのためにどれだけのコストがかかり、どれだけの価値を生むか数値化するのは難しい。その家に見合う適当な広さの部屋を上手く増築したり、その家に馴染む形での一貫性のある改築ができれば、大きな売り込みポイントとなる。
  • バスルームの追加
    バスルームを増やすことは、物件を売るのにセールスポイントとなる。Move with Usによると、バスルームを増やすことで家の資産価値を6%上げられる可能性がある。タイルの種類、設備によるが、新たにバスルームを増やすには、£2,500~£6,000(約33万円~80万円)程度かかるとのデータがある。
  • 屋根裏の改築(寝室の追加)
    Move with UsおよびNAEAによると、寝室を増やすことにより、9~10%住宅の資産価値を上げることができる。それが屋根裏の改築だった場合は特にである。リビングスペースを侵害しないことが大事であり、屋根裏を拡張に使えれば、妥当なリターンが得られよう。広さと家の中の場所にもよるが、小規模の改築で£25,000(約33万円)、大規模になると£40,000(約52万円)のコストがかかるだろう。
  • 新しいキッチン
    キッチンは、良く家の焦点となるところであり、またオーナーの好みや人柄が反映されやすい。恐らく買い手がまず始めに改築しようとするところであり、それ故、すでに魅力的なスペースに仕上がっていれば、買い手は新たに改築する必要がなく、高値で売却できよう。近年の大きな変化に、オープンプランのキッチン、ダイニング、リビングスペースのトレンドがある。Move with Usによると、新しいキッチンは、平均して£8,000(106万円)のコストがかかるが、マイホームの資産価値を6%押し上げる。
  • サンルーム
    サンルームを改築することにより、もう一部屋増やすことが可能。だが、庭のスペースを諦めることとなる。サンルームの改築は、ドアの開閉場所が制限される可能性があるが、安いコストで部屋を広くすることなどに良い方法である。Move with Usによると、サンルームの改築は、5%家の価値を上げるが£4,000~£10,000(約52万円~133万円)のコストがかかる。

Five home improvements that add the most value to your property(Marc Shoffman)(邦訳:住宅の資産価値を上げる5つのリフォーム)より

注目したいポイントは、どの設備をどのように改修すればどれくらい資産価値(売却価格)が高まるか、という意識をマイホームの修繕においても持っていることでしょう。

日本では、投資物件の場合にはどれくらいコストをかけたらどれくらい賃料を高まるかというコストパフォーマンスを考えることは一般的ですが、マイホームの場合にはあまり意識されていないことが多いものです。

そのリフォームが住宅価値を何%押し上げるかを意識している

上の要約は、すべての項目について、いくらくらいかかって、それがどれくらいマイホームの資産価値を上げることにつながるかを説明しています。

英国や米国などでは、高値で売却するためにリフォームをするということが当たり前に行われています。

calculation_graph_table_asset-value_s以前ほど修繕工事によって売却価格を押し上げることがしずらい経済環境ともなっており、そのようなリフォームをしないと価格を維持できないという言い方もできるかもしれません。

いずれにせよ、このリフォーム・リノベーションをやったら住宅価値がどのようになるのかを強く意識しているのです。

将来の買主より自分の快適な住環境。売却が近づいたら転売価格も意識

なにもすべての修繕工事に資産価値資産価値…とうるさく考えるべきだとも思いませんし、まずはあなた自身が一番心地よいと思えるリノベーションが大切です。

しかし、将来の住み替えに備えてそろそろ売却が近いかなと思えば、未来の買い手に売る時の価格を意識することも大切です。

ペンキ・女性・補修_s欧米では、将来の買い手が魅力的に感じるかを考慮した上で、やっていいリフォームとそうでないものを分けています。自分のためというより、周辺物件との競争に勝つため、将来の買い手のため、といった想いも秘めているのです。

特に米国などでは不動産取引においてエージェントが、設備状況に応じて値を上げたり下げたり積極的に交渉する仕組みが整えられているため、その努力が報われることがわかっているからですね。

今後日本でも中古住宅の品質がが問われ、選別される時代に

海外では資産価値を上げることがリフォームの大きな動機の一つとなっており、だからこそ競ってマイホームのメンテナンスを実施し、優良な中古住宅が残ります。

一方、日本のマイホーム所有者にとっては、「リフォームをしても売却価格が明確に高まるわけではないし…」と考え、必要があったら実施する出費しか生まないものと捉えられている側面があります。

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今後、マイホームの品質がふるいにかけられるようになった時、競争力ある良質な住宅が残せるよう今の内から準備したいですね。マイホーム購入は資産購入、そしてその資産価値を維持するのは日ごろのメンテナンスです!

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