【5月の住宅ローン適用金利】10年固定はメガバンク3行(特にUFJ)が引き下げ

金利は小幅な増減。三菱東京UFJのみ大幅引き下げ、借換え需要を取り込む

2017年5月の住宅ローンの適用金利について、固定型10年の最優遇金利で比較すると、先月と比べて主要3行(三菱東京UFJ・三井住友・みずほ)は引き下げに動きました。

4月には日銀のマイナス金利導入前の水準にまで金利が戻っていましたが、ここにきて再び引き下げられた格好です。尚、メガバンク3行が同時に引き下げるのは2016年8月以来、9カ月ぶりのことです。

一方、りそな銀行と三井住友信託銀行はそれぞれ金利を+0.05%ずつ上げましたが、いずれにせよUFJ銀行を除く4行は±0.05%と、わずかな増減には留められています。

固定型10年の最優遇金利(年利)
※フラットは21年~35年(借入90%以下)
2017年3月4月5月
三菱東京UFJ銀行0.55%(↑)1.05%(↑)0.70%(↓)
三井住友銀行0.80%(↑)1.05%(↑)1.00%(↓)
みずほ銀行0.85%(→)0.90%(↑)0.85%(↓)
りそな銀行0.95%(↑)0.95%(→)1.00%(↑)
三井住友信託銀行0.55%(↑)0.55%(→)0.60%(↑)
フラット351.12%(↑)1.12%(→)1.06%(↓)
※あくまでも固定型10年の最優遇金利のみ抽出したもので、住宅ローンの借り入れ条件も各行で異なります。
各行比較のためではなく、金利の時系列推移のご参考としてご覧ください

その中で大きく動いたのは三菱東京UFJ銀行です。2月や3月の年度末での(転勤や入学など)新生活に向けて住宅購入する動きを積極的に取り込むために2~3月には0.5%代にまで戦略的に金利を引き下げていました。

それが一転、年度末を越えたため4月には1.05%にまで一気に引き上げていたものを5月には再び0.70%と▲0.35%も引き下げに動いたいのです。

積極的に住宅ローンの顧客を囲い込もうとするUFJは、他行に先駆けて金利を下げることで、まだなお根強い借り換え需要を取り込もうとしていることが一因といわれています。

固定型住宅ローン金利の指標となる10年物国債利回りはゼロ%付近へ下落

固定型の住宅ローン金利は新発10年物国債利回りを基準として、その他の要因や各行の戦略などを総合的に考えて実際の適用金利が決まります。

その大元の基準となる国債利回りは4月中旬に大きく引き下げられ、4月末には(日銀が誘導目標としている)ゼロ%近傍で推移している状況です。

背景には、不安定な北朝鮮情勢やフランスの大統領選挙など世界情勢の転換への懸念などから、安全資産とされる国債が買われていることがあげられます。

また、米国のさらなる利上げがなされるかどうかについて5月にはある程度見通しがつきますが、利上げが遅れそうだと予想されればさらに低金利が続くと考えられます。

現段階では様子見の状況という解釈もでき、6月以降の適用金利は地政学リスクの顕在化や、米国の利回りなど外部要因によっても大きく左右されそうです。

【参考】フラット35の金利はこうやって予想できる!

4月29日時点では正式なフラット35の適用金利が発表されていません(5月1日に1.06%と発表されました)。しかし、5月のフラット35の金利は先月よりも金利が下がると考えられます。

長期固定型の住宅ローン「フラット35」は、銀行がそのままおカネを貸し出すのではありません。貸し付けた債権を住宅金融支援機構が買い取取る仕組みがあります。機構は、その債権を元に、MBS(Mortgage Backed Security)と呼ばれる証券を投資家に販売します。

つまり、機構としては投資家に発行する利回り(支払う利息)と、実際の住宅ローンの適用金利(回収する利息)の差額が儲けとなる構図となっています。

発効するMBSの条件が決まる(募集を開始する)のが通例前月の15~20日前後であり、その利回りをみれば予想がつきます。

発効する利回りが低ければ、それだけ適用金利を下げることができ、逆にMBSの利回りを高くして投資家からおカネを集めれば、その分フラット35の適用金利も高くしなければならないと考えられるからです。

5月金利は▲0.6%程度下がる?住宅金融支援機構機のMBSの利回りが減少した

この機構MBS(貸付債権担保住宅金融支援機構債券)の「表面利回り」が、5月分0.40%と4月分0.46%に比べて▲0.6%も小さくなっているのです。

フラット35も10年物国債利回りを基準として金利水準を決められています。その10年物利回りがMBS発行条件(利回り)を決定した4月20日の前には大きく下落している関係で、一気にこれだけ下がったのだと考えられます。

以上より、5月のフラット35適用金利は前月より▲0.6%程度低い1.06%前後となると予想されます。 ※「1.06%」でした(5月1日発表済)

フラット35はずっと金利が変わらない固定型の住宅ローンです。それが1%程度で組めるのはとても住宅購入者としては嬉しいものですね。

ただ、金利が低いからといって、借りられるだけ借りて住宅を買うということはしないように気を付けてくださいね。借入可能額(いくら借りられるか)ではなく、返済可能額(実際にいくら返せるか)を基に借入額や金利の種類などを選びましょう!

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