なんでキッチンの見積価格がこんなに違うの?!リフォーム業者の儲け方とは

リフォーム会社は規模ではなく、内容や目的で選ぶ。見積費用の考え方は?

外壁塗装や水回り設備の入れ替えなど、ある程度規模の大きなリフォーム工事を実施する場合には、工事内容ももちろん、会社選びや見積書の検討などを慎重に行いたいものです。

リフォーム会社といっても、大手のリノベーション会社やハウスメーカー、地場の工務店など規模の大小によってさまざまな会社があります。

リフォーム会社は内装・外装、耐震補強工事などすべての工事を1社で完結することは少なく、依頼した会社の下請け・孫請けといった感じに案件ごとに職人を融通しあうなどして共同作業で工事を行うことが多いものです。

大手のリフォーム会社であっても、実際に現場入りするのは地場の大工さんであることも少なくありません。ただ単に会社の規模では選ばないようにしましょう。

具体的なリフォーム・リノベーション会社の選び方は以下のコンテンツをご参考ください。ここでは、ある程度大きな工事を依頼する際の、見積費用の考え方についてみていきましょう。

信頼できるリフォーム会社の選び方。希望や工事内容で使い分ける

リフォーム会社は「商品」+「技術料(工事費)」の合計で利益を出す

リフォーム会社の儲け方をざくっと言えば、キッチンやトイレ、クロスなどの「商品・部材」と、それらを設置したり大工工事する職人の「技術料(工事費)」の両方に利益を載せて儲けを作ります。

このうち、商品・部材については型番などで検索すればメーカーの定価があり、見積書では「▲40%OFF」などと大幅に値引いた形で提供してくれることが多いでしょう。

商品や部材は型番が同じものであれば品質に差はなく、依頼者(施主)にとっては安ければ安いほど嬉しいものです。

リフォーム・リノベーション会社は、メーカーから定価で仕入れているわけではなく、卸業者から「仕入れ力」に応じて定価より割安で仕入れます。例えば半額(50%)で仕入れ、そこに利益を10%上乗せして定価の60%で提供する、というのが「▲40%OFF」の正体です。

後述する通り、その仕入れ力やその他の要因によって業者の仕入れ価格が違ってくるため、製品が同じでも見積金額が変わってくるのです。

一方で、大工工事などの「技術料(工事代金)」は、職人の経験やスキルなどに応じて決まってくるもので安ければ安いほどいいというものではありません。コストパフォーマンスをみて、適切な質の工事を適切な費用をかけて実施することが大事です。

ネットの激安商品を頼んで、工事だけお願いすると…工事費の方が上がってしまう?

ネット通販などでは商品を激安で販売しているものもたくさんあります。

そうなると、施主(依頼者)がネットで商材や部材を安く購入し、リフォーム会社に工事だけお願いすることがいいように思います。つまり、施主が支給材を会社に渡して、大工工事をお願いする方式です。

しかし、そうするとリフォーム会社の見積書の工事費(工賃)の方があがるのです。商品で利益が取れなければ工賃の方で儲けを出す、という考え方をするためです。リフォーム会社の見積もりの内訳はあってないようなものともいえますね。

支給材での工事をお断りする業者もあります。利益うんぬんというよりも、商品の受け渡しや商品の欠損などに責任が持てないという事情もあります。

もちろん、(小回りの利く業者など)会社によっては支給材歓迎ということもあります。どうしてもという場合にはお願いしてみましょう。

営業専門や接客充実を優先すればコストが高い。目的に応じて依頼する

リフォーム会社にも、小規模で経営しているところや、大手などお客様の営業に特化し、受注できれば関連会社や外部へ工事を発注して自社は元請となる営業会社もあります。

一般的には小規模の会社は、施工に力点を置いており接客やフォローはそれなりという傾向があります。

一方、大手は設備のモデルルームへ同行したり、アフターフォローを充実させたりと、接客に力点を置いている場合が多いものです。

顧客への接客に力を掛けるということはそれだけコストがかかるため、その分利益を商品や工事費に上乗せせざるを得ません。また、営業に特化しているところは外部へ委託するため、中間マージンも発生します。

どちらがいい悪いというわけではありません。接客の充実性とコストの低さは同時に実現されないため、なにを重視するか目的に応じて依頼する会社を決めましょう。

総合的な内装工事を、複数の専門業者に依頼するのはプロ向け。結局、割高に?

インターネットなどで極端に安く施工している会社は、キッチンならキッチンに特化したり、同じ製品を大量に受注することで商品仕入れを抑えたりします。

一方で、キッチンの他にも廊下や外構など他の箇所もあわせて工事実施する場合には対応できないことが少なくありません。決まりきった工事に特化している分、安くサービスを提供できるという側面があるのですね。

さらに細かな話ですが、例えばキッチンの寸法と間取りに少しの隙間ができた場合、その隙間を埋める大工工事には対応しなかったり別途費用が発生したりと柔軟性に欠くこともあります。

一方、内装を総合的にリフォームできる会社であれば、(複数の異なる種類の工事に対応できる)熟練の多能工を多く擁していることが多く、結果として安く仕上がる場合もあります。

複数のネット専門業者に発注することで総合的な工事を行うこともできなくはないですが、工事日程や管理の調整はカンタンではなく、また養生など同じ工程を何度も繰り返す無駄もあります。

単発の工事で利用することはよいですが、中規模以上のリフォーム工事の場合に複数の専門業者に依頼することはプロ向けといえるでしょう。

商品・部材の仕入れ価格は会社や時期、メーカーの都合などで変わる

工事費(技術料)は職人のレベルなどに応じて決まる場合もあり、少し分かりづらい側面があります。一方で、商品は型番が同じであればモノは同じです。その商品価格はどのように決まるでしょうか。

商品は各業者の仕入れ価格に利益を上乗せしてお客様に提供します。そして、仕入れ価格はその会社の仕入れルートや時期、販売方法などによって変動します。

例えば、大量に仕入れる場合は一つ当たりの商材が安くなります。また、エアコンであれば夏場や冬場で卸価格が上昇し、時期を過ぎれば一気に価格が安くなります。安くなる時期を狙って在庫を仕入れておけば夏場の工事に安く商品提供できます。

小規模の会社でもそれら中小規模の工務店などが組織を作って、全体で大量購入することも行われておりそのルートに入っている会社も安く商品を仕入れられます。

さらに、ネット通販などでは物理的な自社店舗を持たないことなどからコスト削減でき、商品販売価格を低く抑えることができます。

トップブランドは高値で販売、下位メーカーは安値で卸売りする傾向にある

商品をどれだけ安値で仕入れられるかは、同じ会社であってもどのメーカー製品を使うかによって異なります。さらに同じメーカー製品であっても、商品の種類によっても違ってきます。

例えば、キッチンならキッチン、トイレならトイレのメーカーの内、トップブランドに位置するメーカーはあまり安値で卸さない傾向があります。ブランド価値を守りたいことや、安くしなくとも消費者のニーズが強いためです。

一方で、トップメーカーに食い込みたい第2・3のポジションにいるメーカーは、シェアを獲得してトップに食い込みたいため、安く卸す傾向にあるといえます。

具体的なメーカー名には言及しませんが、あまり有名でないところであっても品質は良いことが多く、少なくともトップメーカーとの価格差分の品質差があるわけではありません。

そもそも、ブランド名がついた商品も実際に製造しているのは下請け業者であったりします。その下請け業者は複数のメーカーを受注生産することもあり、同じ技術力を持つ会社が作っているという意味においても品質と価格はイコールではないのです。

さらに、同じメーカーであっても主力製品であれば製造コストも安く済むため、割安な価格で卸業者に納品できるものもあれば、小規模ロットで受注生産するような商品は定価に近い価格でしか販売できないものもあります。

品質にこだわらなければ依頼する会社が安値仕入れできる製品を聞くのも一案

このように、見積書の中で「定価より▲30%OFF!」などと書かれてあるのはこのような背景で実現しています。

どの業者に工事をお願いするか(どこから商品を買うかで、実際の購入価格(割引価格)は大きく変わってくるのです。

さらに、リフォーム・リノベーション業者の独自ルートや、同じ業者によっても時期やメーカー、型番などによって商材価格というのは変動します。

品質にはある程度こだわるが、必ずしも有名ブランドでなくていいという場合には、その旨、リフォーム業者の営業担当者に伝えておくとよいでしょう。

例えば、「メーカーにはこだわりませんので、コストパフォーマンス優先で見積もりお願いします。品質が一定程度確保されており、かつ、一番割安にできる商品を希望します」と言ってみましょう。

リフォーム会社は使い分ける。コスト構造は会社の営業姿勢でさまざま

ここではリフォーム会社の儲け方や、接客に力を入れるかどうかなど会社としての費用のかけ方などによっても見積書に乗っかってくる金額が変わることをみてきました。

製品価格の提示金額が業者によって違うのは、仕入れ力以外にも、どのメーカー製品を使うかや時期や型落ち製品かどうかなどの複数の理由があります。必ずしも高ければ品質が高いというわけでもありません。

ネットなどで激安な製品価格を依頼しているリノベーション会社にもっていって、「ここまで商品価格を下げてください」と交渉することももちろん一つの方法です。

しかし、リフォーム相談や丁寧なフォローなどを受けたいという場合には、それらの「みえないコスト」が見積書にのってくるということを知っておくのも大事です。

導入設備の検討や型番の指定はある程度協力するからコストを抑えたい!という場合には、施工そのものに注力している小規模工務店に依頼するなど「使い分ける」という考え方が大切です。

これらを理解した上で、ぜひ納得のいくリフォームをしてくださいね!

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