他の人はどんな家を買ってる?マイホーム選びで重視する4つのポイントが判明!

多くの人は家をどうやって選んでる?住宅市場動向調査から読み解く!

「皆さんどうやって家を選んでいるんですか?」という声を聴くことが時々あります。

人それぞれ考え方も違いますが、「多くの方がどういう家に住みたいと思っているか?」を知ることは、流動性(将来の売りやすさ)を推し量るうえで重要です。

自宅を売却する時に“誰も欲しくない家”に住んでいれば、売るに売れなくなってしまいます。

ここでは、最近の住宅売買の動きを、2019年4月16日に国交省が発表した「2018年度の住宅市場動向調査」を基にひも解いてみましょう。

この調査は、2017年4月~2018年3月に住み替え・建て替え・リフォームをした方を対象に訪問アンケートを行い集計したものです。

あくまで一部の方のアンケートに基づく結果ではありますが、今後の住宅市場動向も含めていくつかポイントをみていきましょう。

①立地環境を重視する人が増加。マンションは6~7割、今後も駅近の流れ

マイホームとしては、新築か中古か・戸建てかマンションかを選びますが、なぜその種別を選んだかという理由を聞いた結果は以下の通りです。

これは注文住宅・分譲新築戸建て(建売住宅)・分譲新築マンション・中古戸建て・中古マンションを選んだ理由を複数回答で答えてもらったものです。

特に注目したいのが、新築・中古マンション購入世帯において「住宅の立地環境が良かったから」が最も多くなり、それぞれ72.3%・60.5%となっていることです。

住宅(種別)を選んだ理由 ※複数回答 ※注文住宅の調査地域は全国、その他住宅は三大都市圏での調査 ※民間賃貸住宅購入世帯のみ設問が1問相違(出典:国交省「2018年度住宅市場動向調査」)

特に新築分譲マンションにおいては、4年連続で「立地環境がよかったから」という理由が増加し続けています。

【経年比較】分譲マンションを選んだ理由 ※出典:国交省「2018年度住宅市場動向調査」

近年ではマンションは最低でも駅距離10分、できれば7分以内とする嗜好が強まっている傾向にあります。

新築分譲マンションも、価格高騰と相まって、駅から遠い立地では販売が長期化し1年以上経過しても売れ残ることが当たり前になっているとの報道もあります。

駅近物件が求められる傾向は今後も強くなることを意識しながらマイホーム探しをしたいですね。

②中古マンション購入世帯は購入価格・将来の売却価格を強く意識している

上記アンケートの項目には「価格が適切だったから」「将来、売却した場合の価格が期待できるから」というものがあります。

これを購入した住宅種別ごとに並べると以下の表になります(カッコ内は順位・太字は上位2つ)。

中古住宅購入世帯は、購入価格の安さを強く意識している様子が伺え、マンション購入世帯は将来の売却価格に対する意識が強い様子が伺えます。

購入種別購入価格が適切売却価格を期待
新築注文戸建て19.0%(5)4.2%(5)
新築分譲戸建て37.5%(3)6.0%(4)
新築マンション33.5%(4)22.3%(1)
中古戸建て59.7%(2)9.0%(3)
中古マンション60.2%(1)14.8%(2)

中古マンション購入世帯は、購入・売却ともに意識が強く、価格メリットを吟味していることが推察されます。

「なぜ中古住宅を選んだのか」という別の設問においても、トップは「予算的にみて中古住宅が手頃だったから」となっていることからもそれを裏付けます。

中古住宅にした理由 ※複数回答(出典:国交省「2018年度住宅市場動向調査」)

反対に、新築の注文住宅世帯は購入・売却価格ともに意識が薄く、自分好みの家を作るために価格を度外視している様子が伺えます(注:注文戸建てのみ全国調査、他は三大都市圏での調査という影響も考えられます)。

安易に将来の売却価格を期待するのは要注意。イメージだけでなくデータでも検証を

やや気になるのが、新築マンション購入者が「将来、売却した場合の価格が期待できるから」と考える傾向が強いことです。

新築マンションは土地の値段や建築費(人件費・資材費)の高騰によって、マンションの質に関係なく価格が高止まりしています。そのため(都心部以外は)中古として売り出す際には大きな価格下落が見込まれます。

新築マンション購入者が「中古にしなかった理由」としても、「新築の方が気持ち良いから」という感覚的な理由がトップです。

中古住宅にしなかった理由 ※複数回答(出典:国交省「2018年度住宅市場動向調査」)

「設備も最新だし新築マンションは高く売れそう」という考えや、不動産営業担当者のセールストークを真に受けて高く売れるという期待が込められた結果になっているとしたら問題です。

特に、購入価格が適切だと考えて住宅を購入した割合は、中古マンション(59.7%)に比べて新築マンション(33.5%)は約半分です。割高に購入した場合、将来、売却損失が発生する可能性が高いと言わざるを得ません。

購入時にはイメージだけで考えるのではなく、人口動態やこれまでの成約事例、現在の売出事例などデータとともに、価格の適正さや流動性(将来の売りやすさ)をしっかり検証しましょう。

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③住宅の広さ・間取りを検討する傾向。狭すぎず広すぎない家が売れやすい

家の設備のどこを評価したかについて、購入した住宅の種別ごとに集計したものが以下の図です。

注文住宅以外を購入した方は、「間取り・部屋数」「住宅の広さ」を重視して選んでいる様子が伺えます。

住宅購入動機には、子どもの誕生に合わせて「家が手狭になったから」や、お子さまの独立に合わせて「家が手広になったから」というものが少なくありません。

設備を評価した理由 ※複数回答 ※住宅を選んだ理由の中で「住宅のデザイン・広さ・設備等が良かったから」を選択した人のみのアンケートであることにはご注意ください(出典:国交省「2018年度住宅市場動向調査」)

そのため、住宅の広さ(やそれに起因する間取り・部屋数)が家を選ぶ際の重要な要因となっているのですね。

逆にいえば、広すぎる部屋・狭すぎる部屋というのは敬遠される恐れがあります。その地域・エリアで売買(流通量)の多いボリュームゾーンの大きさはなにかを知った上で購入検討したいですね。

※あくまでご参考まで、持ち家・借家全てを含めた都道府県別住宅辺りの面積は以下の通りです。最大の富山県に比べ、首都圏はその半分以下となっています。

都道府県別1住宅当たり延面積(持ち家・借家の合計) ※住宅には一戸建て・長屋建・共同住宅・その他を含む ※出典:総務省統計局「2013年住宅・土地統計調査」(確報集計)より国交省

新築戸建て・新築マンションは二重サッシや複層ガラス窓など省エネ設備を積極導入

一方で、家に強いこだわりを持つと考えられる注文住宅購入世帯は少し様子が変わります。

理由のトップ3は「高気密・高断熱住宅だから」「住宅のデザインが気に入ったから」「火災・地震・水害などへの安全性が高いから」となっています。

省エネ設備(二重サッシまたは複層ガラスの窓)が付いているかどうかという別の設問においても、注文住宅が8割超と断トツでトップとなっています。

省エネ設備(二重サッシまたは複層ガラスの窓)の有無 ※複数回答(出典:国交省「2018年度住宅市場動向調査」)

住宅の省エネ義務化の流れにみられるように、世界的に見ても省エネ住宅化はますます強まっていくと考えられます。

新築戸建てや新築マンションを買った世帯では、約5割が二重サッシまたは複層ガラス窓を設置しています。将来、自宅を売却するころには省エネ設備が住宅のスタンダードとなっている可能性もあります。

光熱費削減だけでなく、省エネ住宅には健康面・建物の長寿命化・補助金など多くのメリットもあります。今後リノベーションされる場合には住宅の質向上の一環として省エネ化も検討されるとよいでしょう。

④金利が売れ行きを左右。マイホーム購入に与える最も大きな経済的要因に

家を買うにあたって、景気動向など6つの要因がどれほど影響を与えたかもヒアリングしています。

具体的には、「景気の先行き感」「家計収入の見通し」「地価/住宅の価格相場」「住宅取得時の税制等の行政施策」「従前住宅の売却価格」「金利動向」という経済的要因がどう影響したかを調べています。

住宅取得時に経済的要因が与えた影響度 ※6要因を5段階評価。評価は「大きなプラス影響」に1・「多少のプラス影響」に0.75・「影響なし」に0.5・「多少のマイナス影響」に0.25「大きなマイナス影響」に0の点数を付与、当該点数を5段階評価の構成比で加重平均(出典:国交省「2018年度住宅市場動向調査」)

全体の平均値は「0.56」となっています。また、6要因すべてが「0.5」(「影響なし」という水準)を上回っており、多かれ少なかれ上記6つの項目はマイホーム購入に影響があることが確認されます。

特に、過去10年間にわたって住宅購入に最も大きな影響を与える経済要因は「金利動向」となっています。

金利は住宅ローンの融資額にも大きな影響を与えるため、やはり現在の低金利時代においては家を買おうとする世帯が増えている様子が伺えます。

優遇制度も重視。住宅ローン減税制度の適合物件は新築で8~9割・中古でも約7割

金利と合わせて、2~3位の水準で住宅取得にインパクトを与えている経済要因が「住宅取得時の税制等の行政施策」です。

その最たるものが「住宅ローン減税制度」です。「住宅ローン減税制度の適用を受けたか(受ける予定か)」という別の設問の結果からも、購入者の意識の高さが分かります。

ローン控除を受けた(受ける予定の)世帯は、注文住宅「89.5%」・新築分譲戸建て「95.4%」・新築分譲マンション「82.4%」・中古戸建て「72.6%」・中古マンション「68.3%」となっています。

住宅ローン減税制度適用の有無 ※複数回答(出典:国交省「2018年度住宅市場動向調査」)

住宅ローン減税制度を受けるには一定の要件を満たさなければならないため中古住宅になるほど適用しづらくなりますが、それでも約7割がローン控除を受ける(または受ける予定)です。

住宅ローン減税制度は未来永劫ずっと続く保証はありませんが、その適用要件を満たす住宅を購入した方が売却時に有利になる可能性は高くなります。

尚、築古の中古住宅でもインスペクション(建築士による建物状況調査)や既存住宅売買瑕疵保険を使うことで適用できることがあります。忘れずに利用してくださいね。

資産価値の高い家を買う!みんなが住みたいと思う住宅は将来売りやすい

以上、住宅市場動向調査から現在のマイホーム購入者の姿勢や嗜好をみてきました。

好立地の住宅を選ぶ姿勢や価格に対する意識が強まっており、住宅ローン減税制度といった税優遇制度に適合している物件かどうかも重視されている様子がわかります。

また、部屋の広さ・間取りに加えて、注文住宅購入や新築物件を買う世帯は先んじて省エネ設備が整備された家に住み始めている流れもうかがえます。

将来の売却を見据えると、「みんなが住みたいと思う家を買う」ことが資産価値のあるマイホームを手に入れる第一歩といえます。

これからマイホームを買う方は、この調査結果もご参考に「家選びの考え方の変化」を捉えながら検討してみてくださいね。もちろん具体的な住宅購入相談があればいつでもミトミにご相談ください!

【P.S.】「この家、買っていいのかな?」…迷わずご相談ください!

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