だから買主・売主は不動産屋をクビにできる!都合よく売りたい仲介業者に注意

契約ありきの仲介が生む、買主に不利な取引。売り圧力が一方的に買主へ

不動産会社(仲介業者)は、契約が成立しないと報酬を一切受け取ることができません。

宅地建物取引業法という法律の中で、不動産会社は取引が契約に至ってはじめて報酬を「仲介手数料」という形で得られるように規定されているためです。

すると、売主側の仲介業者はもちろんのこと、買主側の仲介業者でさえ売主の味方になってしまう可能性をはらんでしまうのです。

 

 

取引が成立しなければ報酬がゼロなので、業者はとにかく売りたいのです。そうなると、買主に不利な情報を出さなかったり、過度に物件の良い点を強調したり、買主にとって危険な取引となる可能性があります。

このように、契約に向けて無理な取引を持ちかけるインセンティブが働く構造があり、買主にとって危険な取引を行う可能性があるという実態があります。

買主の味方は買主だけという構造ともいえるのです。宅建業法という「制約」が「成約」ありきの仲介を生んでしまっているともいえる皮肉な状況になっています。

見てるところが違う!契約までの仲介業者 vs 購入後こそ大事な買主

(あくまで宅建業法の文脈ですが)取引に対する力点の置き方が、業者と購入者では大きく違います。

宅建業者は、原則として契約すれば対価(報酬)を得られますが、逆にいうと契約までのサービス提供を行えばいいと考えているかもしれません。

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マイホームを購入された買主のその後の生活についてなにも思いを巡らせていないことも考えられるということです。

ですので、悪質な業者であればあの手この手を使ってなんとか契約に持ち込んで仲介手数料をいただくことに腐心してしまうのです。ニコニコ対応する営業担当が、裏ではリスク情報を隠しているかもしれません。

短期的な利益をみる不動産屋と、長期的な利益を求める買主という、時間軸でみれば利益相反の構造がここにも表れているのです。

両手仲介による囲い込みは売主への裏切り。取引を歪めて仲介手数料を稼ぐ

不動産仲介業者は、その名の通り、売主と買主の間に入って仲介する立場です。あくまでも黒子的存在であり主役に躍り出ていいものではありません。

しかし例えば、仲介業者が自分の利益を優先するために、あえて他の不動産仲介会社が連れてきた買主を排除する「囲い込み」があります。業者都合で、本来は実現していたかもしれない取引を壊すのです。

なぜなら、売主側の仲介業者が自分たちで買主を見つけてくると、売主からも買主からも仲介手数料を取ることができ、報酬が2倍になるためです。

買主と売主の間に1社のみ仲介業者が入る取引である「両手取引(両手仲介)」自体は問題ありませんが、両手取引にこだわって取引を壊す「囲い込み」は言語道断です。

自社利益を最優先して、売主・買主を裏切る行為などあってはなりません。

売主・買主には「不動産業者の選択の自由」がある。不審な業者を断る

以上の3例からもわかる通り、業界構造や宅建業法などによって不動産会社は売主や買主と利益相反の構造になる場合があります。

特に買主には不利な構造といえます。多くの場合はまっとうな取引が行われていると考えたいですが、しかしながら実態としてお客様が不利益を被る取引が少なからず行われています。

不動産取引ではどうしても物件そのものについて目が行きがちですが、その前に不動産会社や営業担当者を見極めることが大切です。

自社利益を過度に優先していたり、相談や要望に応える姿勢をみせない、不誠実な対応をとられれるなど「合わないな」と思えば不動産業者自体を変えることを強くお勧めします。

不動産業者はREINS(レインズ)でほとんどの物件を共有しています。それは、どこの仲介業者でもその物件を取り扱うことができるということです。お客様には信頼できない業者を外す強い権利があるのです。

他の不動産会社に変えたい場合はどうしたらいい?仲介業者はコンビニと同じ?

日米の仲介業者の違い「調整 vs 代理」。エージェントは顧客利益を最大化

日本では、売主と買主との板挟みの状態で仲介する「両手仲介」が許されています。

しかし、例えば米国では法律で禁止されている州が多数を占め、売主と買主それぞれが不動産会社(仲介業者)をたてて取引にあたります。

これは、不動産先進国であるアメリカでは、営業担当は「Agent(エージェント)」である、つまり「代理人」であるというプロ意識が強いともいえます。

買主側の仲介業者と、売主側の仲介業者はそれぞれ完全に分かれます。日本のように、買主・売主の両方に接することができる仲介業者とは異なります。

誰から依頼されているかを仲介業者(エージェント)はしっかりと理解し、依頼主(売主または買主)の利益を最大化させるように最前の交渉を尽くす姿勢があります。

日本の仲介業者は代理人ではなく「調整人」。契約に結び付けようとする動機が強い

日本の場合は、仲介業者はあくまでも「媒介」であって「代理」ではない、つまり「調整人」であるという考えがあります。

片手取引でも両手取引でも、両者の間に入り中立な立場で調整しながら契約に結び付ける立場です。

仲介業者は、買主・売主双方をなだめて「あちらさんがああ言ってますからこの辺で着地させましょう」といった具合に、契約させることを目標にするきらいがあります。

代理と調整、文化の違いもありどちらが絶対的に正しいということはいえませんが、しかしやはり依頼者(売主または買主)のために交渉や調査を行うことがあるべき姿だと考えます。

不動産屋は契約書作成代行屋でも伝言屋でもなく、依頼者のために、依頼者になりきった代理人としてあなたのために動く「エージェント」たる意識を持った営業担当を選びましょう!

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