家を買うのが不安…希望条件が多すぎる買主がマイホーム購入できた事例
※プライバシー保護のため記事内で一部取引内容をぼかす等の配慮をしています
「家を買うのが怖い」希望条件が多く繊細な買主。売買契約に至る道のり
ミトミの住宅相談をご利用されたAさん。住宅購入の勉強をかなりしっかりしており、とても堅実な方である印象を受けました。
ただ、Aさんがおっしゃるには「私はすごくマジメな性格で、細かいことまで気になってしまう性格です。正直言って、家を買うのがちょっと怖いです」とお話いただきました。
確かによくよくお話を聞いてみると、Aさんは希望条件やNG条件など、20項目以上の条件をかなり細かく決めていました。
希望エリア、面積、築年数、間取り、バルコニーの向きなど一般的な条件のほかにも「玄関にゴルフバッグとベビーカーの両方が置けるスペースがあること」といった指定もありました。
頭の中にある理想の家を思い浮かべながら、思いつくまま条件や要望を増やし、その理想のマイホームを追い求めようとしていたのです。
ここではこのAさんの取引を振り返り、物件購入に至るまでにAさんが悩まれたことや、それをどう乗り越えたかについてみていきみましょう。
目次
内覧しても「イメージと違う」。100点満点の家を求めて“物件評論家”に
初めのご相談で、マイホームの買い方や考え方を一通りお話しました。
その後、Aさんから「SUUMOで出ているこの物件を内覧できますか?」と、Aさんが気になっている物件のリストも多くいただきました。
「まずは物件をみてみたい」とのリクエストがあり、いくつか物件を選んで内覧に行ってみたものの、あれがダメこれもダメという感じで理想と現実のギャップに苦しんでいました。
おすすめできる物件もありましたが「2階の洋室があと0.5帖広ければいいんですけどね」「なんかイメージと違う」といった感じで、物件を見送っていました。
しばらくして、Aさんは「このエリアがいいと思っていたけど、物件を見つくしたし、いい物件はなかなか出会えないですね」という感想を共有してくれました。
いわゆる物件マニアや物件評論家のようになってしまい、物件に対して過度に神経質になったり、内覧すること自体に満足したり、あら探しをしたりしてしまっていました。
100点満点の家はないことを頭では理解できても、なかなか実際に物件を見てしまうと、細かなことや些細なことが気になり次に進めなくなっていたのです。
家は一生に一度でない。自分の好みだけ追求せず他人の視点も取り入れる
そのため、一旦物件探しをやめ、住宅購入のマインドの部分も含めあらためて家探しの考え方をお伝えしました。
100%理想の家を買うことを求めてはマイホームを購入できないことや、希望条件が細か過ぎるとそれを満たす物件自体がなくなることもご説明しました。
理想を追い求めてしまうと、この世に存在しない物件を探すこととなり、手間や時間だけかけて疲れてしまう結果となります。
マイホーム購入に対してかなり神経質になっている理由を探ると、「一生に一度の住宅購入、一世一代の大きな決断をしている!」という意気込みで、かなり肩に力が入っていることも分かりました。
そこで、マイホームはずっとAさん自身が所有し続けるのではなく、将来他人に売却したり賃貸したりすることもあることをご説明しました。
むしろ、そういういつでも売れて貸せる「資産価値ある家」が老後に住み替えるためのお金も生むことをあらためて説明しました。
ですので、自分好みの希望条件を追求するのではなく、他人の視点も取り入れて。肩の力を抜いてリラックスして家探しをするというマインドの方がうまくいくことを伝えました。
他人が住みたい家はバランスのいい家。資産性の検証など将来を見据えた検証も必須
マイホームは、いずれ他人の手にわたることを前提として買うという意味は、決して適当に家を選べばいいという意味ではありません。
むしろ、将来を見据え、住宅の資産性や価格の妥当性をしっかりチェックし、長い目で見て安心安全に暮らせる住宅を見極めるため慎重な検討が必要です。
マイホームを選ぶ際に、将来の買主や借主に「ここに住みたいな」と思ってもらえるような、自分以外の客観的な視点を持つことが求められるのです。
すべて自分好みの住宅としてしまうと、他人にとっては住みづらくなります。妥協というと聞こえが悪いですが、他人の好みを取り入れることでバランスのいい家を買うことに繋がるのです。
逆に、今現時点だけの自分のこだわりだけを追求してしまっては、買える家も買えなくなり、将来にも悪影響を及ぼす可能性があります。
「いずれ他人にわたる」ということを頭の隅において、いい意味でリラックスして長期的視野で家を選ぶことが大切であることをAさんにもご理解いただきました。
物件を見る前に希望条件の優先順位付け。譲れない“絶対条件”は厳選する
次に、物件を具体的に探す前に、希望条件の優先順位をつけることをご提案しました。
これまでいただいた多くの条件を列挙し、立地に関するもの、建物構造に関するもの、間取りに関するもの、設備に関するものなど大項目で分類します。その一つ一つにおいて、Aさんにとって重要度の高い項目から順位付けをしていきます。
さらに、絶対にこの条件は譲れないという「絶対条件」と、できればこれもあったら嬉しいなという「できれば条件」に分けます。
絶対条件は、その条件を満たしてい物件は購入しないという条件です。家を買う時の目的そのものともいえ、かなり重たい条件です。
一方で、できれば条件は、その条件を満たしていないくても、他に買いたい物件がなければその物件を購入するという程度のもので、軽い条件です。
この作業を物件を見る前にやることで、頭の中が整理されると同時に、自分が本当に何を求めているのかを理解できるようになっていきました。
尚、実際に内覧して物件を見た後に、条件整理をすると、どうしても内覧した物件に引っ張られ正常な判断ができなくなります。落ち着いて冷静に考えられる場面で優先順位付けをすることが大事です。
絶対条件を多くすると物件自体が激減する。優良な住宅を見過ごす機会損失も生む
Aさんの条件は列挙するだけで20~30程度の数になりました。
絶対に譲れない条件を選んでもらいましたが、その絶対条件も安易に多くしないことが物件選びのコツです。
世の中に不動産はあふれ、物件情報サイトには無数の物件情報があるように思えます。しかし、希望条件を入力していくと途端に数が少なくなり、意外と希望条件に合う物件は少ないのです。
SUUMOやat-homeなどで、実際に希望条件を入力していくとよく分かりますが、譲れない条件を増やせば増やすほど、物件は一気に減ります。
自分のこだわりを少し妥協したり、住み方を工夫することで希望条件をクリアすれば、それだけ優良な家を買えるチャンスも増えます。
例えば、「絶対に各部屋にクローゼット付きの家がいい」という条件は、収納グッズをうまく活用することで収納スペースを確保できるかもしれません。工夫によって解決できることもあります。
逆に希望条件を多くしてしまったばかりに、マイホーム購入の機会を失うこともあります。物件は限られているという前提で家探しをすることが大切なのです。
物件比較表やキャッシュフロー表、物件検証結果などを客観的資料で確認
Aさんは希望条件を明確にし、再度物件探しをしました。いくつかご内覧し、買いたいと思える家も見つかりました。
物件を選んでいく作業において「物件比較表」も作成しました。これは、Aさんの希望条件を満たしていることが確認でき、かつ、物件ごとの特徴を比較し一覧できる表です。
そうすることで、「確かにこの物件は希望条件を満たしているし、その他の物件に比べて、一番いいと思える物件を選べた」としっかりと目で見て納得できます。
希望条件も、金額や駅からの徒歩距離、築年数、面積、部屋の数など数値で表現できるものは数値で表現することで、条件を満たすことを明確かつ客観的に理解できます。
こうすることで「なんとなく」物件を選んだわけではなく、明確な理由・根拠に基づいてAさんが納得してマイホームを選んだことが自分自身でも理解でき、購入判断を助ける材料となりました。
住宅ローン返済の家計への影響や、価格の妥当性、将来の売却価格なども数値で確認
Aさんはご自身を心配性というくらい、マイホームを買った後のことについてもご不安がありました。
そこで、お金の専門家であるファイナンシャルプランナーと一緒に、生涯のキャッシュフロー表を作成し、住宅ローン返済は問題なくやっていけることを数値に落とし込んで確認しました。
その中には、お子さんの教育資金やAさん自身の老後資金も含め、いつ・どれだけのお金の支払いが発生し、何年何月にはどれくらい手元にお金が残っているかなど、具体的な数値で確認できるため一目瞭然です。
さらには、住宅の過去の成約事例や、購入検討している物件金額が適正であるかどうかの妥当性、将来マイホームを売却する時の想定価格、賃貸時の想定家賃などもすべて数値に落とし込み、あいまいさをできるだけ排除しました。
この結果、Aさんご家族のお金のやりくりには大きな問題がないだろうことが分かり、安心されたご様子で契約に臨むことができました。
契約直前まで不安な住宅購入。周りのアドバイスは真意を確認、慎重に判断
契約の日取りも決まっている中、Aさんから「やっぱり契約を延期できないでしょうか」とのお申し出がありました。
よくよく理由を聞いてみると、親御さんやご友人にマイホーム購入を相談したところ、購入に賛成してもらえなかったというのです。また、Aさんご自身でも建物や設備に関する細かな点の指摘がありました。
ご両親のご意見としては「一軒家の方がいい・不動産の金額が高すぎる・実家近くならもっと安く買える・もっと頭金を貯めてから家を買ったらどうだ」といったことでした。
ご友人としては、主に「もっと他の物件も見たら?中古はやめた方が良くない?」というものでした。
初めての不動産取引、本当に大丈夫かなと怖くなり、契約直前になって周りのいろんな人に意見を求めることは自然なことといえます。誰しも初めての経験はそうですし、特に数千万円が動く取引ともなれば当然ともいえます。
むしろ、最終確認の意味でも大事ともいえます。アドバイスを受けることは決して悪いことではありません。
しかし、アドバイスの真意や信ぴょう性をよく確認して、自分の頭で判断することを忘れないことが大切です。助言を鵜呑みにしてしまうと危険なこともあるのです。
「取引をやめる理由を探していた」契約前は住宅購入を中止する意見に流されやすい
ご両親のご意見は、ご両親の時代の不動産取引のイメージをそのままアドバイスしているものでした。
ご実家は東北地方(東京都外)の一戸建てで、ご両親は長らくそこに住んでいるとのことでした。確かに不動産相場は購入予定物件(東京都)よりもかなり安いエリアです。
また「頭金2割を用意するまで家を買わない」というのは住宅金利がかなり高かった昔では常識でした。しかし、今や超低金利時代であり、なによりAさんはFPによる資金計画でも問題ないとの判定がでています。
どうしてもご両親の不動産取引イメージは、購入エリアや時代も異なるため、今回の取引には当てはまりにくいことをご理解いただきました。
また、ご友人のご指摘はある意味仕方のないことです。
大切な友人が不安な声で「住宅を買っていいか悩んでいる…」と相談されれば、「買った方がいいよ!」と答える人はごく少数です。ほとんどの人が「一旦、考え直した方がいいのでは?」とアドバイスします。
自分の一言で数千万円の取引を後押ししてしまったと責任を背負いたくないですし、なにより不安な友人に寄り添いたいという想いもあるためです。
ご指摘された点については、あらためて調べる点は調べ、ご説明したところ納得されました。
最終的には「正直、親や友人が購入に反対してくれたことで安心していた。物件のあら探しをして取引をやめる理由を探してました」という言葉もあり、マリッジブルーならぬマイホームブルーのような状態にあったことを教えてくれました。
不安は本心の裏返し。専門家と共に解消した結果、今の快適な暮らしを実現
その後、Aさんは無事契約、決済・引渡しも終えて新居で新たな生活をスタートさせました。
「実際に住んでみたらとても住みやすい。街も便利で気に入っています。住めば都で、慣れてしまえば購入前に感じてた不満も全然気になりません」とおっしゃっていました。
マイホーム購入を振り返ると、やはり初めてのことで感情が高ぶっていたとのことでした。
そのため、一つ一つの不安をあやふやにせずに真正面から向き合い、専門家のアドバイスに耳を傾け、数値でも確認することで納得感を醸成できたことは安心につながったとのことです。
今となっては「あれだけ思い悩みそれを一つ一つ解消できたからこそ、今となっては自信を持って住むことができています」とのコメントもありました。
不安に向き合う不動産屋を選ぶ!放置すると将来「なんで家を買ったんだ」と後悔に
Aさんはご自身を心配性と自認されるくらい、今回の住宅購入に対してはご不安が大きかったケースといえます。
ただ、程度の差はあれマイホームを買う時には誰しもが不安になるものです。そして、家を買った後にもトラブルは付き物です。
やはりその時に、不安や不満にちゃんと向き合うことで納得感に繋がります。また、不安には自分にとって本当に大事な本心が隠れていることも多いものです。不安を掘り下げていくことで新たな発見もあります。
特に、家を買った後には長い生活が待ち受けています。不安を不安のまま残し、それを解決せずなんとなく家を買ってしまうと将来トラブルがあった時の心持も大きく違います。
「なんでこんな家を買ってしまったんだ…」「やっぱりこの家を買うんじゃなかった」「あの時不動産屋に騙された買わされた!」となってしまっては目も当てられません。
長期的に安心・安全に住めるマイホームを手に入れるためにも、一つ一つの不安解消にしっかり向き合い、長く付き合っていける不動産屋を選んで住宅購入してくださいね!
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