事実上、消費増税の影響がゼロに?新しい住宅ローン減税制度の中身は?

消費増税対策として住宅ローン減税が3年間延長?与党案の方針が固まった

2019年10月に消費税が8%⇒10%へ増税されることに伴い、住宅ローン減税の拡充が予定されています。

12月14日、政府与党は住宅ローンの期間を現在の10年間から13年間(+3年間)とすることを2019年度税制改正大綱に盛り込みました。

これまでの住宅ローン減税より3年長くし、ラスト3年間の最大減税額は建物購入価格の2%とすることで、実質的な消費税負担を相殺しようとするものです。

政府としては、駆け込み需要(需要の先食い)やその後の住宅購入の落ち込みを防ぐことで景気が落ち込むことを回避しようとしています。

ここでは、新しい住宅ローン減税制度の内容がどう変わるかみていきましょう。

10%に消費増税、影響を受ける家・非課税の家。優遇制度はどう変わる?

現行のローン控除は10年間。新たな制度では+3年間のボーナス期間がある

まずは、現在検討中の新しい住宅ローン減税制度がどのようなものかみていきましょう。

現在の住宅ローン減税は、延べ床面積など一定の要件を満たす住宅を購入した場合、10年間かけて毎年住宅ローンの残高の1%分が還付されます(所得税・住民税が安くなります)。

例えば新築の場合、住宅ローンの残高が1年目(年末)に3,000万円、2年目に2,900万円、3年目に2,800万円…という場合、1年目は▲30万円、2年目は▲29万円、3年目は▲28万円が還付される仕組みです。

これが10年間続き、上の例でいえば、10年間総額で▲255万円がお得になる(戻ってくる)という仕組みです(一般住宅の場合、最大400万円まで)。

これが、11年目・12年目・13年目と+3年間のボーナスをもらえるというのが新しい住宅ローン減税制度の中身です。

最後の3年間は最大で建物価格の2%分を減税。事実上、増税がゼロに?

延長される3年間について、減税額は最大で建物価格の2%分です。

不動産取引において、土地には消費税がかかりません(税務上、土地は腐らず消費されないものとして取り扱われるためです)。つまり、建物部分にのみ消費税が課税されます。

ですので、今回2%の増税(8%⇒10%)は「建物価格の2%」ということになります。

この建物価格×2%を上限として、11年目~13年目の3年間は住宅ローン減税が延長されます。例えば、建物価格2,500万円の住宅を購入すれば、最大▲50万円(=2,500万円×2%)がラスト3年間で還付されます。

13年後に戻ってくる(所得税・住民税から控除される)ため、時間的価値を考えると増税の影響がゼロではありません。また、借入金額自体は消費増税分上がるため、金利も若干増えます。

完全には増税の影響を相殺できるものではありませんが、増税の影響を極力排除しようという姿勢が見える制度ですね。

【参考】10年間⇒15年間の案もあったものの、財政規律の観点から3年で決着した

実は、与党内や住宅業界などからは15年と+5年間の延長という声もありました。

一方で、あまりにも拡充しすぎても政府の財政が緩みすぎてしまい、そもそも消費税を増税する目的である財政の健全化が達成できなくなります。

尚、現時点では確定ではありませんが、以前実施された「住宅エコポイント制度」を参考に、省エネや耐震性能に優れた住宅を新築する場合や改築する場合にポイントを付与する制度も導入が検討されています。

その他にも、新築住宅やリノベ物件など、消費税が課税される所有者(売主)が業者の物件に対し、一時金を渡す「住まい給付金」も年収(目安)510万円⇒775万円、最大30万円⇒50万円を支給と拡充されます。

両方のバランスを考慮した結果、13年という期間に落ち着いたのですね。

ラスト3年間は「建物価格×2%」or「現行の住宅ローン控除」の少ない額

新たな住宅ローン減税制度の最後の3年間は、“上限”が建物価格×2%ということで、通常の住宅ローンの減税額と比べて少ない額の方が適用されます。

建物価格2,500万円のマイホームを購入しても、いくら住宅ローンを組むかなどによって、残債(住宅ローンの残高)がこれを下回る場合もあるでしょう。

例えば、11年目の年末の残債が1,700万円、12年目が1,600万円、13年目が1,500万円であれば、3年間で▲48万円の減税です。

上で挙げた例でいえば、建物価格2,500×2%の▲50万円の方が2万円ほど有利ですが、通常の住宅ローン減税を適用させた(少ない方の)▲48万円が適用されます。

要は、最後の3年間は、「建物価格×2%」と「住宅ローン年末残高×1%の3年分」の内、少ない金額が減税されるということです。

尚、一般住宅の場合、住宅ローン減税に適用できる建物価格(税抜き)の上限は4,000万円であることに注意しましょう(認定長期優良住宅または認定低炭素住宅なら5,000万円が上限)。

自宅兼事務所など居住以外の部分が含まれる場合は、床面積割合に応じた減税額に

基本的に住宅ローン控除は、居住用の住宅に適用される制度です。

しかし中には、事務所兼事務所など、居住以外の目的に使用する部屋を含む家を購入するケースもあります。

その場合には、「全部が居住用として計算した減税額」×「居住目的に使う床面積÷全体の延べ床面積」という計算がなされます。

要は、居住目的部分に該当する割合だけ減税されるということです。

尚、補助金や(父母・祖父母など直系尊属から)住宅取得資金の贈与を受けた場合でも、住宅ローン減税を計算する際の購入金額から差し引かれないよう配慮されています。

【対象者】2019年10月~2020年12月の間に引き渡しを受けた買主

新しい住宅ローン減税制度が適用される対象者は、2019年10月~2020年12月末の間に実際に住み始めた(引き渡しを受けた)買主です。

住民票をちゃんと移して、実際に居住を開始しなければならないことに注意しましょう。

また、注文住宅の場合には2019年4月の契約分からが対象です。

ただ、2019年4~9月末に注文住宅の契約をした場合にも、10月までに引き渡されれば、新しい住宅ローン減税制度は適用されません。

10月までに引き渡しを受ければ増税前の8%の消費税で済むため、これまで通りの(現行の)住宅ローン減税でいいからですね。

【参考】優遇制度に矛盾?実は住宅ローン減税制度は消費税と無関係?

家を買うことを考えれば、消費増税の裏で優遇制度が拡充されるというのはありがたいことです。ただ、よくよく考えると少しおかしな点もあります。

まず「すまい給付金」は、売主が業者で消費税がかかる物件(新築やリノベ物件など)に使える制度で、消費増税の影響を軽減するための制度であることがわかります。

一方で、住宅ローン減税制度は、個人が売主の中古住宅にも適用できます。消費増税に直接関係なく使える制度です。“理論的”には、消費税とは関係ない個人間売買などではむしろ安く買えることになります。

ただ、景気とは“気”持ちに左右されるといわれるように、「なんとなく消費税が上がるから買い控えよう…」という消費者心理の冷え込みを回避させる効果を狙っているのです。

結局、消費税のことを考えればいつ家を買えばいいのか?という疑問など、なかなか深く考え出すと難しくなりますね。消費税だけで購入タイミングを決めるのは危険な側面もあります。

今後の住宅購入に少なくない影響を与える住宅ローン減税、よくよく考えると複雑な制度ですが、まずは基本的な仕組みを理解しましょう。

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