競争激化の賃貸アパマン経営、「スピード」と「長期入居」で乗り切る!

入居者減少で部屋数は増加、大家さんは「待ち」から「攻め」の賃貸経営に

賃貸アパート・マンションを取り巻く環境は昔と比べて大きく変わっています。

人口も世帯も増え続けていたその昔、賃貸住宅の需要が強く、大家さん(オーナー)は入居者の確保にそれほど苦労していなかったといえます。大家さんや地主さんは力が強かったのです。

それが一転、少子高齢社会の進展や世帯数と人口のダブル減少など、部屋の借り手そのものが少なくなっています(需要が減っています)。さらに悪いことに、アパート・マンションの数はどんどん増え、空室率の上昇や家賃相場の下落につながっています。

加えて、滞納の増加や消費者保護の強化の流れもあり、パワーバランスが入居者に傾いています。今後もますますその傾向は強まることが予想され、不動産投資は「黙っていても儲かる業態」ではなくなったといえます。

不動産オーナーの取り組み姿勢も「待ち」から「攻め」へ促される中、オーナーとしては具体的にどのようなことに気を付ければよいのかみていきましょう。

入居者を待たせない。迅速な対応で、疑問・トラブルをスピード解決する

賃貸募集は、スピード勝負といえます。入居者目線でいえば、今は部屋が余っている状況です。つまり、選択肢が多く「あっちの物件がだめでもこっちがある」というように、供給過多なのです。

お部屋探しのために不動産会社(客付仲介会社)にご来店したお客様(入居候補者)は、REINSなどから複数の物件を紹介され広告図面(マイソク)などを閲覧します。

そこで、その図面には載っていない情報があれば、客付仲介会社から(オーナー側の不動産会社である)元付仲介会社に問い合わせが入ります。

その時、元付会社が「それはオーナー様に確認してみないとわかりません。分かり次第、折り返します」という答えが返ってきたら、客付会社もお客様も、おそらくその物件はあきらめるか優先順位を大きく下げて他の物件の検討に入るでしょう。

物件が賃貸市場に過剰に出されていることをしっかり意識し、自分の物件を選んでもらえるように、まずはオーナーと元付仲介会社との間で、問い合わせ時の対応を決めておくことがとても重要なのです。

条件交渉は入居申込書の一歩手前!値下げやフリーレントなどの限界値を決める

一般的に、複数の部屋の内見(内覧)を行い、気に入った物件に入居申込書を提出します。その直前、または入居申し込み時に条件交渉が入ることが少なくありません。

お客様の営業担当から「お客様はこの物件をとても気に入っているのですが、家賃を▲3,000円/月下げられないかとご要望を受けております」「フリーレント1カ月付けられないでしょうか」などと、内覧している現場からかかってくることもあります。

この時「オーナーに確認します」というのと、「▲2,000円/月までなら値下げ可能です。お客様にお伺いをお願いします」とすぐにその場でお客様にボールを返すのとでは、成約率が変わってくるでしょう。

条件交渉に入るということは、入居するかどうか最終判断を行っているということであり、その好機を逃してしまうことは命取りになります(じらすという営業手法もあるかもしれませんが…)。

オーナーは、あらかじめ元付仲介業者と条件交渉が入った場合の対応(例えば、指値は▲2,000円/月まで受けるがその場合は1年間以内の解約は別途違約金を取る、など)を詰めておくと機会損失を防ぐことができるでしょう。

入居後のトラブルも待たせない。早め早めに取り組み、最悪の事態「退去」を防ぐ

入居前のみならず、入居後も原則として「待たせない」ことが大切です。

カギや水漏れなどよく起こるトラブルには、「24時間緊急駆け付けサービス」に加入したり、緊急の修理は1万円以内の工事であれば管理会社の裁量に任せたりと事前に体制を万全にしておくとよいでしょう。

また、住人同士の騒音トラブルなどは、管理会社が即座に解決できるものではありませんが、少なくとも入居者に対してこまめな説明を欠かさず「解決に向けて動いているんだ」という安心感を与えるだけでも印象はずいぶん異なります。

クレームを出してもその返答が遅いと、せっかく確保した入居者から「ここでは安心して生活できない」と退去されるリスクがあり、さらに「損害賠償を請求する」などと話が大きくなる場合もあります。

賃貸経営において「待たせる」ことは、事態が悪化する可能性を大きく高めることを今一度認識したいですね。

優良居住者には特別サービスで感謝の気持ちを伝える。長期契約にも繋がる

部屋を綺麗に使ったり、長く住んでくれるなど優良な居住者には、オーナーも感謝の気持ちで応えたいものです。

例えば、トイレに無料で温水洗浄便座(ウォシュレット)をつけたり、商品券をプレゼントしたりする方もいます。また、更新時に更新料の減額や、家賃の減額を行う場合もあります。

特に長期入居者の場合、過去の高い賃料のままとなっていることも少なくありません。オーナー側から積極的に働きかけることで入居者はとても喜びますし、これまで以上に綺麗に長く住もうと考えてくれるかもしれません。

特別なサービスを提供することオーナーはかなり少なく、だからこそインパクトも強いのです(不動産投資として賃貸経営を行っているため、無謀な値下げなどは禁物です)。長期入居に繋がりやすいものでもあります。

感謝の気持ちに見返りを求めるものではありませんが、投資家目線でいえば、入居者との関係を強固にするための先行投資ともいえるかもしれませんね。

長期入居は賃貸経営の目指すべき姿。入退去が激しいと出費も増え、投資効率が悪化

賃貸アパート・マンションのオーナーにとっては、入居者が長く自分の物件に住んでもらえることが収益面でみても得策です。

仮に空室期間が短くても、入退去が繰り返されるとそのたびにクリーニング費用や仲介手数料が発生し、無駄な費用がかさんでしまいます。そのためには、住人が長く快適に住める環境を普段から整えておくことが大切でしょう。

一方で、家賃滞納が度々発生し、近隣トラブルを頻発させるなど、悪質な入居者には毅然とした態度で追い出す方向にもっていくことも忘れてはなりません。他の住人の安心な住環境の提供に繋がり、優良居住者の退去を食い止める効果もあるでしょう。

ここではオーナー目線で少し打算的な説明を行いましたが、「入居者を待たせない」のも「感謝の気持ちを伝える」のも、すべて「どうすれば入居者が快適に暮らせ、喜んでもらえるか」という考えから出てくるものです。

「どうすれば儲かるか」というより、「どうすれば喜ばれるか」を追求し実践した結果としてそれが長期入居につながるのです。せっかく入居してくれた居住者と良好な関係を築きたいですね!

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