アメリカ版、やってはいけないリフォーム・リノベーションとは?
目次
資産価値を下げてしまう10のリフォーム事例(米国)
資産価値を高めるリフォームのカギは「将来の買主が喜ぶか?」がポイントになることを紹介しました。
一方で、やってはいけないリフォームとはどのようなものでしょうか。ここでも米国の事例を参考にしながらみていきましょう。
Heather Levin氏は、もし2~3年以内に家の売却を考えているのなら、再販売価格を上げないような投資を行ってはいけないと述べています。
具体的には以下のようなリフォームは価値が低いと指摘しています。
- スイミングプールの設置
小さな子供のいる家族は特に、プール付きの家を望まない。これらの家族を除くと、あなたの家を買ってくれる家族層は大幅に減ってしまう。また、プールを設置することにより、光熱費も保険料もあがる。プールはメンテナンスが大変で使用するにも多くのコストを費やす。 - 高級設備付きのグルメ志向なキッチン
実用的な設備が多くの人に受け入れられる。一般的に、過度に家をカスタマイズすることは、買手を遠ざける。 - 泡風呂
一見楽しそうで一日中働いた後の温かいお風呂はリラクゼーションに思えるが、買手は新設された泡風呂の為に余計なお金は払わない。さらに、光熱費がかさみ、毎月のメンテナンスコストもかかる。 - サンルーム
残念ながら、サンルームはほとんど家の価値を上げない。また、植物は仕切りにならないので、夏冬のエネルギーの消耗も大きい。しかし、もし多くの家のサンルームがあるような南部、もしくはビーチに住んでいるのなら、もしかしたら売却時に競争力があるかもしれない。また特定の層には魅力的かもしれない。しかし多分建設費の回収は難しいだろう。 - 高級な庭
庭は特に買手から見て家の見え方が変わるかもしれない。しかし、素敵であっても提示価格を上げることはない。高い庭に投資する代わりに、自宅の芝生に縁石を加える等魅力的にアレンジしてみましょう。良く手入れされ、素敵に並べられた植え込みや低木があると、買手に魅力的に映る。お洒落にちょっとした変化を庭に加えると、家に大きな輝きを与える。 - 部屋の増築
増築すると簡単にコストが跳ね上がる。節約志向の買手の多くは、光熱費がかさむ広すぎる家は望まない。しかし、寝室を増やすことは唯一このルールから除外される。エキストラベッドルームは、すべての買手にとって魅力的だ。増築するのではなく、広いスペースを壁で仕切る等するリノベーションで支出を抑えましょう。寝室と認定されるには、窓やクローゼットの設置が必要。 - 仕事部屋のリフォーム
ほとんどの人は贅沢な仕事部屋を必要としない。科学技術の進化は早くすぐに現状のものは廃れてしまうため、配線やオフィス機器への投資は売却時に益を生みにくい。ほとんどの人は、良い照明器具と机と椅子といった家具のスペースだけを必要とする。家でフルタイムで仕事するのでない限り、このリフォームは必要ない。 - 屋根の入れ替え
家の売却時、屋根の取り換えを行っても、新品の屋根のコストを補うだけの売却価格引き上げは厳しい。屋根はいずれは修理が必要となる。専門家たちによれば、家の売却時に得られるのは屋根の取り換え費用の半分強とのこと。傷んだ屋根は買手を遠ざけるため、新品の屋根は家をきれいに見せることができ、市場での競争力を生む。しかし、取り換えまで実施するとコストパフォーマンスに劣るかもしれない。 - 物置
物置の増設は費用がかさむ割に僅かな益しか生まない。家の資産価値向上を目的である場合、新たな物置の設置をしてはいけない。 - 生活必需品
不動産の専門家によると、汚水処理タンクシステムや配管工事は、家の売却時にコストをカバーするだけの益は生まない。買手は流し台やトイレが機能するか知りたがるが、細かいところまで気にかけない。費用がかかるバックアップ発電機は、竜巻やハリケーンの心配がある地域に住む買手の興味をそそる可能性はある。そうでない場合は、発電機は家の資産価値をあげるものではない。
7 Home Improvement & Remodeling Ideas that Increase Home Value(Heather Levin)(邦訳:マイホームの資産価値を上げる7つのリフォームとやってはいけない10のリフォーム)より
資産価値を高めるリフォームは、将来の売却価格が高まる修繕
上記の10の例は、あくまで一般論に過ぎませんが、すべてにおいて「将来の買い手のニーズ」に照らし合わせて、リフォームの可否を考察していることがわかると思います。
例えば、プールや泡風呂など魅力的に思える設備も、その後住んでいく中でランニングコストがかさむものはやはり嫌われてしまいます。
高級なキッチンや庭、新たな仕事部屋の増築など、過度に力を入れたリノベーションも買い手を遠ざけてしまうのです。
サンルームは日本ではなじみがないかもしれませんが、ここにも省エネ性に鑑みて一般論としておすすめはしていません。
ただし、米国南部のようにサンルームが一般的な地域によってはその需要は強く、ケースバイケースで判断してくことも示唆しています。
住み替える時期に差し掛かったらコストパフォーマンスを意識する
注意点として、これらのリフォーム・リノベーションが悪いと言っているのではありません。
マイホームです、好きなように暮らしていくことは当然のことです。
しかし近々マイホームを売り出し住み替える時期にくる場合など、資産価値、つまり将来の売却価格を高めたい場合には、自分だけでなく他人のニーズも取り入れることが必要となるということです。
その場合にはリフォームを実施する前に、「費やすコスト」とそれによる「売却価格の値上がり額」を意識して、コストパフォーマンスという概念を取り入れていることが重要になってくるのです。
景気によってもリフォーム内容が左右される。状況に応じた修繕を
Heather Levin氏は「不動産市況がピークだった2004~2005年と異なり、リフォームは利益を生まなくなっている」と述べています。
もしリフォームを計画しているのであれば「節約志向の買手にとって魅力となる家にする為の、小規模なものに集中する」ことをポイントにあげています。
景気にも意識を向け、エネルギー効率や家を快適にする為のちょっとした工夫を加えたリフォームに注力することを推奨しています。
その時々の買主の状況を想像しながら、コストパフォーマンスを意識したリフォームを行うべしといっているのですね。
王道は定期メンテナンス。住宅の健康診断で出費を抑える
家の資産価値をあげるためのリフォームの選択肢はたくさんあります。
どうしても設備や大がかりなリノベーションを想像するかもしれませんが、資産価値をあげる(維持する)一番の基本は定期的なメンテナンスであることも忘れてはなりません。
家の天敵である雨水の侵入を防ぐための外壁塗装や防水チェックは重要です。定期的にメンテナンスすることでトータルでみれば少額の出費ですみます。
10年も20年もそのまま放置していれば、大がかりな工事や設備取り換えが必要になったりと、多額の出費となってしまいます。
日ごろから住宅の健康状態を気遣いながら、ご自身の状況に応じて適切なリフォームを行いましょう!
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