中古住宅はレモンばかり?「買いたいけど不安」に応える制度が4月から本格始動

中古市場はレモン市場?“欠陥物件”が適正な家を駆逐、低品質の家だけ残る

中古住宅市場は「レモン市場」ともいわれます。経済学の用語ですが、買主が欠陥住宅かどうかを見抜けないがために、市場に出回る物件が悪質なものだけ残る現象をさします。

レモンは皮が分厚いため、外見だけでは美味しいレモンなのか、腐ったレモンなのか判断できません。

本当はピーチ(=適正な中古物件(優良物件))が売り出されていても、買主は「欠陥住宅なのではないか?」と考えレモン(=傷物の中古物件(不良物件))とみなしてしまうのです。

そのため、ピーチを売り出している売主は「なんでこんなに安くしか売れないんだ!」と市場からどんどん撤退し、結局はレモン(不良物件)だけが市場に残るという理論です。

逆にいえば、レモンを切って中を開けて確認することができれば、適正な中古と不良な中古が選別でき中古住宅を安心して買えるようになるといえます。

インスペクションで“レモン”の中身を確認できる。不具合の補修金額も事前に把握

資産価値の高い住宅は中古に多く存在します。それをすべての中古をレモンとみなして敬遠するのはもったいないことだともいえます。

たとえ建物がボロボロであっても、その分安く買えてリフォームでリーズナブルに修復できるものであれば、賢い買い物をしたといえるでしょう。特に、中古戸建てであれば築20年程度で建物価格がゼロとなり土地値だけで取引されるような例もあります。

その検討を行うために実施するのがインスペクション(建物状況調査)や耐震診断です。これらは、建物に不具合があった場合、それを直せるか・いくらの費用が掛かるかを試算するものといえます。

中古だからといって敬遠するのではなく、今後はインスペクションが取引に標準装備されるようになります。建物の躯体など構造上の安全性や雨漏りシロアリの有無などの品質を確かめた上で、購入の判断が可能になるということです。

耐震性や躯体部分など、修繕に多額の金銭がかかる部分の見極めも可能となり、柔軟な買い方が広がるキッカケになるでしょう。

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国も中古市場の倍増と共に、優良な中古住宅を増やすことを忘れていない

政府としては、優良な中古住宅が数多く残っており、その取引を活発化させようとしています。

2016年3月18日に閣議決定された住生活基本計画(全国計画)では、以下のような成果指標も設定されています。

  • 中古市場を2025年までに20兆円に倍増(内訳は以下)
    • 既存住宅流通の市場規模4兆円(2013年)⇒8兆円(2025年)に倍増
    • リフォームの市場規模7兆円(2013年)⇒12兆円(2025年)に約倍増
  • インスペクション(建物状況調査)を受けて「既存住宅売買瑕疵保険」に加入した住宅の、中古住宅流通量に占める割合5%(2014年)⇒20%(2025年)と4倍増
中古住宅の取引や、それに付随したリフォームを倍増させるとともに、(インスペクションが必須の)既存住宅売買瑕疵保険に加入する家を一気に増やそうとしています。

なんでもかんでも中古取引を増やそうとするのではなく、レモン市場とならないよう優良なマイホームを意識的に残していこうとしているのです。

既存住宅売買瑕疵保険に加入するには、インスペクション(建物状況調査)が必須

既存住宅売買瑕疵保険は、建物構造上の不具合などに対して、最長5年間で最大1,000万円の補修費用を補償する中古住宅のための保険です。

これに加入するには、一定の品質が認められることをインスペクション(建物状況調査)で検査しなければなりません。

つまり、一定の品質が確保していることを「既存住宅売買瑕疵保険」に加入させる過程で確認できるのです。

瑕疵保険に加入しているマイホームが増えれば、それは適正な中古が増えていることを意味し、市場に“ピーチ”が増えていくことになります。

これが広まれば、家を買おうかなと思っている人が「優良な中古マイホームがあるんだ」と安心して中古市場に目を向けられることになります。

これは売主の立場にたっても、他の欠陥中古住宅との差別化につながり、良いものは適正な価格で売れるということがわかれば自宅をしっかりメンテナンスしようという好循環を生み出すことが期待されます。

中古に対する抵抗感は薄まってきているが、見えない不安は根強く残る

住生活総合調査によると、新築住宅にこだわらない世帯が顕著に増加していることがうかがえます。

現在、持ち家または借家に住んでいる世帯を対象に実施したアンケートによると、住み替えるなら「中古住宅がいい」または「新築・中古どちらでもいい(こだわらない)」と答えた世帯(つまり「新築住宅にこだわらない世帯」)の割合が以下のようになっています。

今後の持家への住み替え方法(新築・既存住宅)に関する意向【出展】住生活総合調査(2013年)より国交省作成

【新築住宅にこだわらない世帯の割合】

  • 持家世帯:24.9%(2003年)⇒ 28.3%(2008年)⇒51.6%(2013年)
  • 借家世帯:30.6%(2003年)⇒ 35.3%(2008年)⇒44.1%(2013年)
まだ新築重視の傾向は残っているものの、意識調査からは、中古に前向きな層が確実に増えていることがうかがえます。

その一端として、(新築価格の高止まりという大きな要因はあるものの)2016年には首都圏の中古マンションの成約件数(約3.7万戸)が、初めて新築マンションの発売戸数(約3.6万戸)を上回っています。

中古住宅を買わなかった人は、買った人より品質や住宅性能に対する不安が強い

しかしながら、実態としてはそこまで中古住宅の取引が増えているわけではありません。

国交省の独自アンケートによると、中古を買おうと思って実際に買った人と買うのを断念した人に対して同じ質問を投げかけたところ、以下のような結果となりました(インターネット調査なので、一定のバイアスがかかっていることにはご注意ください)。

既存住宅を購入する上での重要度(購入者/非購入者)【出展】国土交通省独自調べ(2016年10月実施)※インターネット調査会社のモニターに対するアンケート調査

各項目で「とても重要」「まあまあ重要」と答えた割合(水色とオレンジ色の合計)を、「基本情報」「品質」「住宅性能」「見た目・使い勝手」に分けて集計すると以下のようになります(20ポイント以上の差が出ている項目を太字で記載)。

「基本情報」に関わる項目①非購入者②購入者差:①-②
(ポイント)
立地
※通勤・通学などのしやすさ
88%88%±0
住宅価格97%94%+3
周辺施設80%77%+3
広さ・間取り93%92%+1
日当たり・風通し93%90%+3

 

「品質」に関わる項目①非購入者②購入者差:①-②
(ポイント)
耐震性能82%69%+13
耐久性能
※防蟻・防錆処理など
80%62%+18
購入後の維持管理に関する計画などの情報77%55%+22
建物検査結果や性能評価結果に関する情報76%52%+24
住宅履歴に関する情報
※設計図書、リフォーム履歴など
76%52%+24
瑕疵保険・自社保険の有無72%43%+29
設備に不具合がないか
※給排水・換気など
89%80%+9
「住宅性能」に関わる項目①非購入者②購入者差:①-②
(ポイント)
断熱性能
※外壁、屋根、天井、床など
70%46% +24
断熱窓(2重サッシ、内窓設置)の有無62%39%+23
省エネ設備の有無
※高効率給湯器・太陽光発電設備など
53%33%+20
バリアフリー性能52%34%+18
防犯性能71%59%+12
「見た目・使い勝手」に関わる項目①非購入者②購入者差:①-②
(ポイント)
外装のきれいさ・デザイン75%64% +11
内装のきれいさ・デザイン
※床、壁紙、天井
78%66%+12
キッチンのきれいさ・使いやすさ83%71%+12
浴室のきれいさ・使いやすさ84%69%+15
洗面台のきれいさ・使いやすさ82%66%+16
トイレのきれいさ・使いやすさ84%70%+14

建物検査結果や維持管理計画、住宅履歴情報、保険、住宅性能など、目に見えづらい品質や性能に関わる部分において、20ポイント以上の差が出ていることがうかがえます。

これらの情報を分かりやすく提供し、安く資産価値のある中古マイホームの取引を安心して行える環境を整えることが喫緊の課題といえます。

また、中古住宅購入者の中には、品質情報にあまり関心を示さずに安さに飛びついて買っていることも想像され、安心安全な取引の一層の努力が必要であることも同時に読み取れます。

2018年4月からは「インスペクション」と「安心R住宅」制度が本格始動!

このような状況において、中古住宅の取引を安心に行う環境整備が着々と進んでいます。

2018年4月からは、インスペクション(建物状況調査)を促す改正宅建業法が本格始動します。中古住宅の取引を行う前に、建物を調査することが当たり前になっていくでしょう。

さらに、耐震性など基本的な品質を国が認めた中古マイホームには「安心R住宅」というロゴマークをつけて物件情報が提供される制度も同時期に始まります。

安心R住宅においては、ロゴマークを使う場合に、売主が売却依頼する不動産会社を1社に限定する「専任媒介契約」を強制されるなど課題もありますが、実際の状況を見ながら制度が改善されていくでしょう。

いずれにせよ、これらの制度がうまく機能して中古住宅市場がレモン市場から脱却、レモン(不良住宅)とピーチ(適正住宅)がしっかりと選別できる環境が整うことを期待します。

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価格は適正か(妥当性)
将来の売りやすさ(流動性)
住宅ローン減税の対象かどうか
地震に強い建物か(耐震性)
管理の状況(マンション)
土地の資産性(戸建て)

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