日銀の損失は国民が負担?!米国につられて上昇する国債利回りの危惧
国債利回りがつられて上昇。市場参加者は海外の利回りと比較する
アメリカのトランプ相場によって米国の利回りが上昇、米長期金利は2.4%台にまで上昇しています。債権から株式にマネーが動いており、米国債が売られ(国債利回りは上昇)、長期金利があがっているのです。
それが他の国にも波及して米国以外の国債利回りも上昇、日本では12月8日時点で10年物国債利回りは0.05%に上がっています。
そうはいっても米国の金利上昇のスピードが大きく日米金利差が拡大、円相場が10カ月ぶりに1ドル=115円まで急落して株高も同時進行しています(円を売ってドルに買えたおカネを預金したり、アメリカ国債を買うためですね)。
これは、日本の金融機関など投資家からみれば、自国の国債利回りよりも高い利回りの海外国債があれば、その分クーポン(利息)がたくさん得られるため魅力的であり、アメリカ国債を積極的に買おうとする動きの表れです(実際には為替リスクがあるためそう単純な話ではありませんが)。
流通利回りを過度に抑え込む日銀。市場経済の合理性に欠くツケは将来国民に?!
米国政府としては、自国の国債をたくさん買ってくれる人がいれば利回りが抑えられ、支払う金利負担が減るため助かります。
日本国債の流通利回りもつられて上昇していますが、日銀が10年物国債利回りをゼロ%付近に留める目標を掲げており、大量に国債を購入しているためその効果を打ち消そうと躍起になっており、その効果はある程度抑えられています。
するとどうなるでしょう。米国債がどんどん買われ(米国におカネが流れ)米国政府の金利支払いが抑えられる一方で、日本国債は無理やり日銀が購入し、本来の市場機能をゆがめる形で利回りが抑えられることになります。
長い目でみると、将来の日銀が損失に耐え切れず「国債を引き受けることをやめた」と言った途端、日本国債の利回りが急騰し日本政府の支払い負担が急増することもありえるかもしれません。
そのツケは増税という形で日本国民に回ってくる可能性も十分あり得るのです。
日銀の損失は国庫納付金の現象を招く。最終的には国民にしわ寄せ
日銀は剰余金(利益)を、国庫納付金や税金(日銀も法人税・法人住民税・法人事業税を納税します)、日銀出資証券(日銀の株券のようなもので政府が55%保有)に対する配当という形で国に治めています。
特に、利益の大部分を「国庫納付金」という形で国に差し出し(日本銀行法第53条)、翌年度の一般会計の歳入金となります。最終的には一般会計の歳出を通じて国民に還元される仕組みとなっています。
つまり、日銀は国の予算を支えている側面があり、それが減額されるということは国が私たちに使うおカネが少なくなるということです。
また、政府が予算編成を行う時点では納付金額は未定で、予想して予算を立てます。実際に予算が決まる時に国が想定していた納付金が納められないとなると、その差額はどこかから調達しなければなりません。
おカネが足りないとなると増税などによって私たちの生活を圧迫する原因にもなるのです。
解決の必要条件は日本を元気にすること!現況を打破するのは私たち
日銀が大規模緩和を実施して、おカネを供給するのはそのおカネが日本全体に回り物価を押し上げ日本全体を活性化させようとするためです。
日銀の決算が悪いと確かに日本国民にしわ寄せがきますが、それを打破するのも私たちの役目なのです。
現在のリフレ政策には賛否両論ありますが、成功シナリオとしてはそれらのマネーをうまく活用し日本全体を一人一人が元気にすることです。そうすれば税収もあがり、緩和策の出口の損失を打ち消すこともできるでしょう。
かなり乱暴な結論ではありますが、日銀が景気を良くするわけではありません。日銀の政策を注視しながら、私たち自身でも景気を盛り上げるアクションをどんどんとっていきたいですね!
【P.S.】失敗しない家の買い方を2時間でマスター!【大好評セミナー】
現在「家の買い方セミナー」(無料)を開催中です。
多くの方から高い評価を得ているこのセミナー。まだ家を買うかどうか決まっていない方から、既に取引を進めている方までぜひお気軽にご参加ください!
※【実績】最高評価“来て良かった!”が98%超!