浴室の数まで住宅価格に反映?!日米の不動産評価の決定的な違いとは?

日本では建物価格を再建築するコストや賃料、利回りなどで価格を算定

日本の場合、土地価格としては公示地価や基準地価が公正な不動産価格として基準となります。不動産鑑定士が、実際の取引事例やこれからその土地が生む収益予想、ほかの地域とのバランスなど総合的に判断して決定する価格です。

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また、投資物件の不動産取引においては、収益還元法などを利用し、賃料水準や利回りなどを基にその不動産が将来収益を生むキャッシュを基に現在価値を割り戻します。

米国は内装や設備まで評価に盛り込み、価格査定に活用し反映させる

不動産取引の活発なアメリカではどうでしょうか。

米国では不動産の売買やローンの借り換え時などに、米国不動産鑑定士による中立な不動産鑑定を行うことがあります。これは、住宅の状況・立地・特徴などに鑑みて、不動産価格が適正かどうかを算定するために実施します。

A property’s appraisal value is influenced by recent sales of similar properties and by current market trends. The home’s amenities, number of bedrooms and bathrooms, floor plan functionality and square footage are also key factors in assessing the home’s value. The appraiser must do a complete visual inspection of the interior and exterior and note any conditions that adversely affect the property’s value, such as needed repairs.Typically, appraisers use Fannie Mae’s Uniform Residential Appraisal Report for single-family homes. The report asks the appraiser to describe the interior and exterior of the property, the neighborhood and nearby comparable sales. The appraiser then provides an analysis and conclusions about the property’s value based on his or her observations.

The report must include a street map showing the appraised property and comparable sales used; an exterior building sketch; an explanation of how the square footage was calculated; photographs of the home’s front, back and street scene; front exterior photographs of each comparable property used; and any other information, such as market sales data, public land records and public tax records, that the appraiser uses to determine the property’s fair market value.

不動産価格は最近の類似取引事例や市場トレンドに影響されるとともに、寝室や浴室の数など物件の設備、間取りの機能性、床面積も重要な要素です。不動産鑑定士は、内装や外観の目視検査も確実に実施、修繕の必要性など物件価値にマイナス影響を及ぼす状況がないかチェックします。

一般的に、ファニー・メイ(アメリカ政府支援の住宅投資機関)の一戸建て住宅用評価報告書を利用します。その報告書で、内装や外装、近隣の不動産価格などに基づき、評価対象物件の価格を算定し、その根拠を示します。

評価対象の住宅と比較した住宅を含む地図を添付するとともに、床面積の計算方法や評価対象住宅の前面・背面・街路風景の写真、比較した住宅の外観写真を記載します。その他、市場価格データや、公的な土地記録、税金など、公正な市場価値を決定する情報を盛り込まなければなりません。

What You Should Know About Home Appraisals(Investopedia, LLC.)「不動産評価であなたが知っておくべきこと」より

米国は寝室の数や修繕の必要性まで評価するが、日本は建物状況をみない

つまり、米国でも取引事例や立地などを価格決定要因としていますが、特に注目したいのは、寝室や浴室の数など物件の設備、間取りの機能性、内装や外観、修繕の必要性など現在の建物の状況を細かく調査し、それを価格に反映しているということです。

bathroom%e6%b5%b4%e5%ae%a4_s言葉を変えれば、日本における築年数や再建築コストによる建物評価は内部状況を考慮せず、また土地+建物両方をいっぺんに評価する収益還元法においても、家賃や利回りなどしかみていません。

日本の場合は、具体的な建物状況を評価に入れていない、もしくは評価する統一的な方法が確立されていないといえます。

アメリカの銀行も、寝室や浴室の数など設備状況まで積極評価する

アメリカの金融機関は物件をどのように評価しているのでしょうか。ここでは米国の3大銀行の内、Bank of AmericaとCiti Bankをみていきましょう。

Bank of Americaは住宅メンテナンスや設備の数も考慮

アメリカの大手銀行Bank of Americaも、ローン申し込みの際に、物件評価が必要となり、その際には以下の通り建物状況を評価することを理解しています。

What happens at the appraisal?
For a home purchase, an on-site appraisal is needed for the mortgage to be approved. Appraisers consider:

  • Comparable properties that have sold recently, similar in size and location to the home you are buying; their sale prices are usually the most important factor
  • General condition and age of the home
  • Location of the home, including views or other remarkable features
  • Size and features (for example, the number of bedrooms and baths) of the home and property
  • Major structural improvements such as additions and remodeled rooms
  • Features and amenities such as swimming pools and wood flooring

Applying for a Loan-The home appraisal process(Bank of America)より

つまり、住宅購入の際に住宅ローンを組めるかどうかの審査には必ず、鑑定士による物件の現地調査が必要となり、その際には以下の項目を評価することを記載しています。

  • 最近の(物件規模や立地の類似した)取引事例の売却価格 ※通常これが最も重要な要素
  • 物件の全般的な状態と築年数
  • 立地(外観や顕著な特徴などを含む)
  • 大きさや特徴(例:寝室と浴室の数)
  • 増改築やリフォームなどによる価値向上があるか
  • 特性と快適な設備の有無(スイミングプール、木製床など)
ここでも取引事例価格や築年数などを基本としながら、リフォームによって向上した価値や、寝室と浴室の数、スイミングプールや木製床の有無など、住宅メンテナンスを積極的に評価し設備やその個数にまで評価対象とすることに日本と大きな違いがあります。

Citi Bankは立地や取引事例に加え、物件の内部状況で評価が上下

同様に、これまたアメリカの3大銀行の一つ、Citi Bankも「何が住宅価値に影響するか」という問いに対して以下の通り、立地や取引事例に加えて、物件の中身までみて総合的に考慮することを述べています。

What affects home values?
Several factors can influence how much a home is worth, both at sale and over time. Some examples include:

  • Location: Neighborhood appeal and safety, quality of nearby schools and proximity to local amenities are all important location aspects to consider.
  • Home characteristics: Factors like square footage, lot size, number of bedrooms, number of bathrooms and overall property condition can increase – or decrease – the value of a home.
  • Pricing: Recent sales and prices of similar nearby homes, as well as the sales history of the home itself, can influence how much a home is worth.

What affects home values?(Citi Bank)より ※2016年7月末時点の開示情報

つまり、以下などの条件を含むさまざまな要素が、売却時およびその後の物件価値に影響すると明記しています。

  • 立地:近隣の魅力と安全性に加え、学校や施設からの距離は立地面の評価で重要
  • 物件の特性:面積(床面積・土地面積)、寝室や浴室の数など総合的な物件状況によって評価が上下
  • 価格:最近の近隣の類似物件の取引価格、および評価対象物件の過去の取引価格

日本のメガバンクは「所定の評価」。土地評価額しかみない銀行も

日本の銀行は不動産評価を行う際、築年数など基本的な定量情報を基に価格を査定しているのが実態です。

そもそも、銀行が評価した自宅を担保におカネを借りる「リバースモーゲージ」におけるメガバンク各社の評価方法をみても、以下の通り、インターネット上に何を重視するかを積極的に開示していません。

man_magnifying-glass_ss多くは「銀行所定の方法」とのみ、またはみずほ銀行に至っては「担保物件が戸建ての場合は土地評価額」と明記しており、これは戸建て住宅には木造が多く、耐用年数22年を過ぎたものは一律に価値を見出さないという姿勢の表れでしょう。

日米の不動産評価比較のまとめ

日米の不動産評価法の違いについて、公開情報から読み解いてみました。日本はまだまだ築年数志向が強く、年数の経った住宅は評価ゼロ、土地根だけの評価となることも往々にしてあります。

一方で米国は、リフォームによって住宅価値が上がったところは積極的に価格に反映する姿勢がうかがえ、取引事例や立地を主軸に価格評価しながら、寝室や浴室や数まで考慮に入れていることがわかります。

国交省も提言しているように、日本も今後は築年数のみによらない評価手法に移行させ、良質な中古住宅が適正に評価されることで中古住宅の流通が促進されることを大いに期待します。

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