土地活用の方法は大きく5つ。売却も一つの活用法

土地の活用法は大きく分けて、5つあります。「自分で運用する」場合が2つ、「他人に運用してもらう」場合が1つ、「運用しない」場合が1つ、その他が1つです。

土地活用の種類説明
自分で使う賃貸住宅で運用アパート・マンション・ビル・戸建て
医療福祉施設・自宅・賃貸併用住宅など
モノ用の建物で運用駐車場・駐輪場倉庫・資材置き場
自動販売機・太陽光発電など
他人に貸す土地を賃貸貸地(借地権者によってその用途はさまざま)
手放す売却(処分)分筆して一部売却・残りを活用することも可
等価交換「建物を建設」×「売却」の合わせ技

具体的には、自分で運用する場合、アパートやマンションなど賃貸住宅を建てる活用法、駐車場や太陽光発電などモノのための建物を設置して収益を上げる方法があります。

他人に運用してもらう場合、土地そのものを貸し他人が事業をする方法があります。

運用しない場合は、売却する方法があり、これも有効な活用方法の一つです。そして自分の土地と、その上に建てられるマンション住戸とを物々交換する等価交換という方法もあります。

活用法のメリット・デメリット。それぞれ一長一短

それぞれにメリット・デメリットがあり、コストやリスク、撤退のしやすさなどが変わります。

活用の種類コスト
(初期・運用)
事業リスク収益性
(率・額)
撤退のしやすさ節税
(固都税・
相続税)
人用建物で運用×××
モノ用建物で運用×
土地を賃貸××
売却(処分)××
等価交換×

表の「○」「△」「×」は、好ましい場合を○、そうでない場合を×、その中間を△としています。

つまり、コストやリスク、相続税評価額は小さいものを○、収益性は高いものを○、撤退はしやすいものを○と評価しています。

ここで記した評価はあくまで一般論ですが、すべて○、もしくは×という活用法はありません。

例えば、建物を建設する場合には初めに大きな資金が必要となり、また運用中も修繕費など一定のコストがかかります。加えて、退去リスクなど不確定な事業リスクも抱えます。

コスト・リスク・リターンのほかに撤退の容易さも考える

コストは、初期費用と運用中にかかる費用(ランニングコスト)の両方を考えなければなりません。

また、事業リスクとしては、例えばアパート経営における退去リスクなど、当初の計画が崩れる要因となるリスクがどれほどあるかを示しています。

収益性には利回り(率)と利益(額)両方の意味を込めており、利回りが同程度であっても、事業に投資するおカネが多ければその分、利益額が向上します。

打合せ1_s活用を行う上で、撤退のしやすさも考えておかなければなりません。

マンションを賃貸する場合などを考えればわかりますが、入居者がいるにもかかわらず明日から出て行ってくれとはいえません。

一旦事業を始めたら、撤退できるものかどうかも考える必要があります。

節税も大切。毎年の固都税や、事業を引き継ぐ人の相続税

税についても検討しましょう。特に土地に関わりの強い固都税(固定資産税・都市計画税)があります。

また、事業が継続していった場合、次の担い手となるのは多くの場合に相続人です。

この事業を引き継ぐ時、できるだけ相続税の負担を減らしたいものです。相続税評価額の優位性もあらかじめ考えましょう。

一方で、(リスクを取る分)収益性は高く、将来の相続時には評価が低く見積もられるため、相続税を抑えられる効果があります。

活用方法の選び方。多角的な視点で検討する

相続で得た土地や建物をどのように活用するかと考える際、賃貸アパートやマンションを建てて運用することが一般的といえるでしょう。

しかし、資産運用の目的や立地、地域の特性、資金的な制約などによって、その他の活用を選ぶことも十分考えられます。

あなた自身を振り返り、目的を再確認

まずはあなた自身がどのようなタイプで、なにに興味を持っているかなどご自身の特性を再確認しましょう。

面倒くさいことは嫌だ、リスクを負うことは嫌だ、不動産事業をじっくりと行ってゆっくり資産形成したい、などさまざまな想いがおありだと思います。

考える女性_s

リスクを負うことを極端に嫌う方が、アパート・マンション経営を行っても毎日心配事ばかりで穏やかにお暮らしできないかもしれません。そうならないためにも、まずはあなたのことをしっかりみつめ直しましょう。

また、何のために・誰のために不動産を活用するのか、どれくらいの資産形成を目標としているのかなど、目的も明確にしておきましょう。

例えばお子さんやお孫さんに資産を引き継ぐことを考えているのなら、超長期的に計画を立てる必要があり、相続税対策も必要になるでしょう。

土地の立地の特性を知って、活用の可能性を知る

あなたの想いが強くても、土地によってはその活用法が適していないことも十分考えられます。不動産を使って事業を行う場合、まずその立地が極めて重要です。

具体的には、都市圏か地方か、駅からの距離はどれくらいかといった立地条件がまず挙げられます。

基本的に、人の集まる地域では不動産活用の可能性が広がります。また、土地そのものの属性(土地の広さや道路付けなど)も重要です。

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尚、駅からの距離は、鉄道が発達した都市部では10分(約800m)圏内に駅があるかどうかで大きく活用の方法が変わってきます。

自動車が主な交通手段である地方ではその限りではありません。また、駅の乗降客数も重要な要素です。

法律(ルール)も大事。用途地域は?建築基準法の制限は?

さらに、その土地が属する地域がどの用途地域に該当するのかによって、何ができるか大きく変わってきます。

例えば、低層住宅に係る良好な住居の環境を保護することを目的とした「第一種低層住居専用地域」に該当する地域に土地がある場合を考えましょう。

用途地域・都市計画・未来・住宅・空_s

この場合、原則として店舗や事務所、ホテル、商業施設などは建築できません。喫茶店を建てたいと思っても法律で禁じられているのです。

その他、建築基準法をはじめとして、不動産にはさまざまな制限が課せられています。

具体的に実施したい事業が実際にできるのか、不動産会社などの専門家に相談することをおすすめします。

資金(キャッシュ)をいくら用意できるか確認

賃貸アパート・マンション経営を行いたいと考えても、もし敷地の上に建物を新築する場合には多額のキャッシュが必要になります。

この場合には銀行から融資をどれくらい受けられるのかという資金制約が大きなハードルとなります。

また、既に家屋が建ち賃貸経営をしているまま相続などで引き継いだ場合には比較的スムースに事業の引継ぎができますが、内部の状況によってはリフォームが必要となる場合もあります。

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意外と不確定な出費が多いのが収益物件の経営ともいえ、ある程度の資金力がなければ難しいともいえるでしょう。

家とおカネ_sそのような場合には、駐車場経営など比較的出費が少なく済む活用法や、土地を賃借しその地代を徴収するにとどめ、土地活用のリスクを土地の賃借人に負わせる方法があります。

さらには、等価交換によって資金や建物建設リスクをすべてディベロッパー(開発事業者)に任せる活用法もよいでしょう。

ライバルの調査(競合のマーケティング)

どの事業を行うにしても、競合を意識しなければなりません。

賃貸アパマン経営の場合には、賃料相場や人口動態、街の年齢(人口構成比)、乗降客数など基本的な統計はもちろんのこと、今後どのような間取りや用途が求められるのかといった予測も欠かせません。

賃料を下げて空室を埋めるという手段は最終手段としてとらえるべきもので、また賃料を下げたからといって必ずしも満室になるわけでもありません。

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また、単身向けかファミリー向けかなどターゲットを明確に絞ることも重要です。外国人専用の賃貸アパートにするなど、ニーズが高く、かつ周辺で競合が少ないところを意識して狙うとより効果的です。

このような基本的なマーケティングは複数の不動産会社を周り、具体的な数値や根拠を基にしっかりとした見解を持っている力ある不動産会社をみつけヒアリングすることが一番効率的かつ有効でしょう。

土地活用の比較のまとめ

土地の活用を考える際、自分で使うことはもちろん、土地を他人に貸し出し、自分は地主として地代を徴収することに留まることもできます。

さらに、土地の売却を行うことで換金することも活用法の一つです。

土地の活用法を考える際には、まずはあなたが何を目的とするかなど自分自身の想いを振り返ることをスタートとし、用途地域などの法令制限、資金制約、競合のマーケティングなどを検討しましょう。

ここでは概要を述べるにとどまりましたが、実際には専門家を交え、長い目でみて判断しましょう。次からは具体的に一つ一つみていきましょう。

賃貸住宅としての土地活用

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