目次
物件探しの「前」に福祉事務所で「生活保護受給証明書」などの許可を取得
お部屋を探す前に、まずは福祉事務所で「生活保護受給証明書」を取得することがなによりも先です。
もしくは、福祉事務所の方から「生活保護受給をしますのでお部屋を探していいですよ」と話をつけることが必要です。
不動産会社でお部屋を探した後に、生活保護受給申請をするのではありません。その時に生活保護が許可されなければ、それまでの労力が水の泡になってしまうからです。
生活保護受給をまずは申請し、その申請が通過して(通ることをほぼ約束してもらって)初めてお部屋探しを開始しましょう。
審査期間はまちまち、審査も厳しく。時間に余裕をもってお部屋探ししましょう
福祉事務所の審査期間は、福祉事務所の担当者(ケースワーカー)によって大きく異なります。
早ければ1週間程度、長いと1カ月かかる場合もあります。
また、不正受給が社会問題化したことなどを受け、生活保護受給者に対する世間の目も厳しくなっており、年々審査が厳しくなっているのが実態です。
お部屋探しをしようとする場合、できるだけ時間に余裕をもって動き出しましょう!
自分の管轄エリアを確認。その範囲で賃貸物件を探す
福祉事務所と一口にいっても、例えば板橋区の場合、板橋管轄・赤塚管轄・志村管轄など細かに区分けされています。
板橋区の福祉事務所 | 持受地区 |
---|---|
板橋福祉事務所 | 板橋1~4丁目・加賀1~2丁目・大山東町・大山金井町・熊野町・中丸町・南町・稲荷台・仲宿・氷川超・大山町・大山西町・幸町・栄町・中板橋・仲町・弥生町・本町・大和町・双葉町・富士見町・大谷口上町・大谷口北町・大谷口1~2丁目・向原1~3丁目・小茂根1~5丁目 |
赤塚福祉事務所 | 常盤台1~4丁目・南常盤台1~2丁目・東山町・東新町1~2丁目・桜川1~3丁目・上板橋1~3丁目・中台1~3丁目・若木1~3丁目・西台1~4丁目・徳丸1~8丁目・四葉1~2丁目・大門・三園1丁目・赤塚1~8丁目・赤塚新町1~3丁目・成増1~5丁目 |
志村福祉事務所 | 清水町・蓮沼町・大原町・泉町・宮本町・小豆沢1~4丁目・志村1~3丁目・東坂下1~2丁目・坂下1~3丁目・蓮根1~3丁目・舟渡1~4丁目・高島平1~9丁目・新河岸1~3丁目・前野町1~6丁目・三園2丁目・相生町 |
※最新情報は各福祉事務所にお問い合わせください |
原則、お部屋はその管轄内で探すことになっていますので、事前に確認しましょう。
管轄地域外に移転する移管措置という手続きも可能ですが、再度審査する必要があり時間がかかります。
入居できる賃貸物件は限定。受給理由や現況・今後をしっかり伝える
生活保護受給者の方のお部屋探しは、そうでない方に比べ大きく3つのハードルがあります。
そのため、残念ながら生活保護受給者の方が選ぶことのできるお部屋はかなり限定されてくるのが実態です。
そこで、貸主(オーナー)の不安を払しょくするためにも、どのような経緯で生活保護を受けている(受ける予定)なのか、今後どのように生活を立て直していくのか、事実を不動産会社にしっかり伝えることが第一歩です。
それらを基に、真摯にオーナーや保証会社と交渉することができるようになり成約に至ることは少なくありません。まずは不動産仲介会社とパートナーとなってお部屋探しをしましょう。
【ハードル1】住宅補助の上限金額が決まっている。初期費用も名目が限定
生活保護受給者の方には、住宅補助として、初期費用や家賃の補助金額が決まっています。
家賃について、例えば最も高い東京都の場合「53,700円」(単身者の場合)が支給されます。ただし近年、自治体によっては㎡規制(部屋の広さにあわせて支給額を決定)なども導入されるなど、その条件は厳しい方向に動いています。
初期費用については、主に敷金・礼金、保証料、保険料、鍵交換費、仲介手数料(事務手数料)、引越代などが支給されます。
ただし、保険料も限度額を超えた場合や入居に必須でない場合は支給されないなどの事例もあります。さらには(火災保険に限定しない)総合保険である場合は否認される場合もあります。
総じて、実際の運用は福祉事務所や担当者(ケースワーカー)の現場判断によるところが大きいため、ケースワーカーとも真摯に相談・交渉しましょう。
【ハードル2】入居承諾は貸主(大家)次第。経緯を話して理解を得る
これは生活保護受給者に限った話ではありませんが、お部屋の入居に際しては、貸主(オーナー)は入居者の方がどんな方なのか理解した上で、入居の承諾をします。
ただし、実態としては生活保護受給者の方を嫌がるオーナーも少なくなく、住宅補助の金額以内のお部屋であっても、入居できないことがあります。
その背景には、過去に生活保護受給者の方が保護を廃止した後に家賃滞納を初めたことや、隣人トラブルが目立ったことなどがあり、オーナーとしても厳しく考える傾向にあるということです。
どういう経緯で生活保護を受給しているのか、今どういう状況か(求職中か)、トラブルを起こす人柄ではないことなどを丁寧にお伝えし、オーナーの理解を得るように努めましょう。
【ハードル3】家賃保証会社の審査。連帯保証人が付けられない
基本的に、生活保護受給者は家賃保証会社を利用することになります。
生活保護受給者の方は連帯保証人をつけることができないためです。逆に連帯保証をする方がいれば、その方に生活を援助してもらうよう役所から指導が入り、生活保護を打ち切られます。
この家賃保証会社は、万が一入居者の方が家賃を滞納した場合、家賃を立て替えて支払います(立て替えるだけで、家賃が免除されるわけではありませんのでご注意ください)。
保証会社の審査は、一般的には定期的な収入のある方の審査が通りやすい傾向にあります。しかし生活保護受給者の方であっても、保証会社によって交渉次第で通ることは多くあります。
そして入居者のご事情をきちんと保証会社へ説明して、交渉にあたるのは不動産会社です。不動産会社と一丸となって交渉にあたりたいですね。
尚、連帯保証人ではなく、入居者と連絡が取れないなど、何かあった時に連絡だけする(債務は負わない)「緊急連絡人」を確保しなければならない場合もあります。両親や兄弟など身近な人を指定する場合が多いです。
転居も福祉事務所の許可が必要。自己都合の引っ越しは認められない場合も
生活保護を受給されている場合、転居(今住んでいる場所から別の場所へ移ること)にも福祉事務所の許可が必要です。
転居の理由が受け容れられれば、許可がおりて転居費用が支給されます。
「キレイで広い部屋に引っ越したい」など、特に必要に迫られた理由がない自己都合の場合は、なかなか許可がおりない傾向にありますのでご注意ください。
許可されやすいケースは、オーナー都合で退去を求められた場合や、健康上の理由で転居することが合理的な場合など、やむを得ない事情があると考えられる場合です。
ハードルは不動産会社と一緒に乗り越えましょう。ポイントは積極的な情報開示と真摯な交渉です。
生活保護受給者の賃貸物件探しは特別なことでない!お近くの不動産屋へ
不動産会社によっては、それら手続きがよくわからず「うちは保護受給者の賃貸物件はありません」とお断りされる場合もあるかもしれません。
物件を所有する大家さんも「外国籍や保護受給者はちょっと敬遠したい」という方もいらっしゃるのは事実です。
しかし生活保護受給者だからといって、賃貸物件を探す際に特別なことがあるわけではありません。福祉事務所とのやり取りがあることくらいで、その他は通常のお部屋探しと変わりません。
賃貸物件を探される場合に、住みたい地域に近い不動産屋にご来店されるように、まずはお部屋を探される地域の不動産会社にお部屋を探していると伝えましょう。
その際には、生活保護受給者であることを伝え福祉事務所とも話がついていることを初めにお伝えしておくとスムースです。
生活保護受給者のお部屋探しまとめ
生活保護受給者の方は、お部屋のエリアや家賃の上限が決まっていたり、いくつかの制限を受けます。
また、貸主(オーナー)や保証会社の審査というハードルもあります。
残念ながら実態として、賃貸物件は限られてくるケースが多いですが、契約できるかどうかは不動産会社の交渉力にもかかってくるともいえます。
まずは信頼できる不動産会社にこれまでの経緯や現状、今後に向けての活動などをしっかりとお話し、それぞれの制約を取り払っていきましょう!
【P.S.】「この家、買っていいのかな?」…迷わずご相談ください!
マイホーム購入をお考えでしたら、ぜひ個別相談(無料)をご利用ください。 多くの方から高い評価を得ている個別相談。まだ家を買うかどうか決まっていない方から、既に取引を進めている方までぜひお気軽にご利用ください!※【実績】最高評価“来て良かった!”が96%超!