購入申込みは「買いたい」という意思表示に過ぎない。契約ではない!

しっかりと検討した後、「この家がいい!」と心を決めたら、まず行うことは購入希望価格や希望引渡日など希望条件を記載した購入申込書(買付証明書)の提出です。

この購入申込みとは、お客様が「この物件をこういう条件で買う意志がある」とオーナー(売主)に意思表示をするものです。あくまでも意思表示であり、契約ではありません。

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物件は早い者勝ちです。心に決めたらなるべく早く申し込みましょう。

「お客様がお部屋に入居する権利を得る」と理解すると分かりやすいかもしれませんね。購入申込みをした後、詳細な物件調査やオーナー(売主)との本格的な個別交渉が始まります。

申込みはキャンセルでき、法的拘束力もない。でも買主・売主ともに誠実な対応を!

購入申込みの後、予期せぬトラブル(物件調査で物件に問題が判明した場合など)があれば、契約を結んでいない限り、いつでもキャンセルできます。

違約金の支払いなどはありませんし、法的拘束力もありません。

ただし売主側も本気で検討に入ります。安易な気持ちでキャンセルをするとトラブルとなることもあり、人間同士、お互い誠実な対応を心がけたいですね。

条件交渉は買付申し込みの時に限る。後出しはトラブルの元

買付申し込みの時に希望条件を付けて申し込みます。

「物件価格をもう少し下げてもらえれば購入するのに…」といった希望があればこのタイミングでしなければなりません。契約の段階で交渉するのではありませんのでご注意ください。

不動産会社は交渉相手ではなく、あなたに代わる交渉人(エージェント)

不動産会社(仲介業者)の収入は、お客様からいただく仲介手数料のみです。

その仲介手数料は宅地建物取引業法という法律で、「物件価格×3%+6万円」(税抜)までと定められておりますので、物件価格下がると手数料が下がってしまいます。

negotiation_ssそれでも、お客様が購入していただければ収入となるわけですから、オーナーにどうにかお客様のご希望をのんでくれないか、交渉するのです。

つまり、不動産会社(エージェント)はお客様のご要望をどうにか通すため、矢面に立ってオーナーと話をする交渉人なのです。

あなた自身のご要望を理由を添えて詳しく伝える。過度な価格値下げは禁物

ご希望を通すためには、お客様ご自身のご事情を丁寧にご説明し、しっかりしたストーリー(理由)を基に誠意を持って交渉に当たります。

そのためにも、不動産会社とはチーム一丸となって、できるだけ詳しく背景も含めてご希望を伝えましょう。

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尚、過度の価格交渉は売主から嫌がられます。できるだけ高く売りたいという気持ちもありますが、本当に買えるだけの資力があるのかと不安になるからです。

お互い、誠意を持った交渉をしたいですね。

「申込証拠金」にご注意!契約が成立しなければ返してもらう

特に新築分譲物件の場合、購入申込み時に、5~10万円程度の「申込金」を支払うことがよくあります。「手付金」「予約金」などの名目で呼ばれることもあります。

これは購入意思をしっかり示す意味合いが含まれています。預り金ですので、そのまま契約が成立すれば、問題なく手付金などに充当されます。

trouble_ss大原則として、契約に至らなかった場合は、支払った申込証拠金は返還されます。しかし、この返還をめぐったトラブルが散見されるのが現状です。

悪質な営業担当にいたっては、「仮契約したのですから、契約に至らなかった場合は返還しません」などと、かたくなにお金を返すことを拒むこともあるようです。そもそも仮契約などありえません。

預り金の返還拒否は宅建業法違反!「預り証」をもらう

不動産会社がこのような預り金の返還を拒否することは、宅地建物取引業法という法律で禁止されています。

また、契約に至らなかった場合にそれまでにかかった経費を不動産会社がお客様に請求することもできません。あくまでも契約が成立した時にのみ、仲介手数料をいただくことができるのです。

prohibition_s申込金の支払い自体に問題はありませんが、このようなトラブルに巻き込まれないよう、証拠金の支払いを求められた場合、しっかりと今後の取扱いについて確認しましょう。

具体的には、この預り金を預けた日や返還日などの日付や預り金の目的などを明記した「預り証」を書いてもらいましょう。一時的に預かっただけのお金ですから「領収証」ではなく「預り証」とすることにご注意ください。

もしトラブルとなった場合には、東京都の場合「不動産相談(東京都都市整備局)」などに相談に行ってみるとよいでしょう。その他の道府県の場合にも、それぞれ相談窓口が設置されています。

売主に優位な不動産取引構造。困った時の対策3つ

契約の前に「重要事項説明」がある。契約と似て非なるもの

購入申込みを出し、その後の物件調査でも問題なく、金額も折り合えばとうとう契約です。しかし、契約の前に大切なイベントがあります。「重要事項説明」です。

契約と重要事項説明って同じようなものでしょ、とおっしゃる方もいらっしゃいますが、明確に違います。これをしっかり理解しましょう。

重要事項説明ができるのは国家資格者「宅地建物取引士」だけ!

宅地建物取引業法という法律で、不動産会社は契約を締結するまでに、必ず購入予定者(お客様)に不動産ついて重要なことを説明しなければならないと定められています。

この説明を重要事項説明といい、この説明をすることが許されているのは、「宅地建物取引士」という国家資格を持った有資格者に限られています。

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ここまでガチガチに縛られているのは、不動産の取引は生活に多大な影響を及ぼすためです。

不動産に詳しくない一般の方が、お取引内容をしっかり理解することなく不動産の購入をしてしまい、後で大きな損害を被らないように守る制度なのです。

専門用語など不明点は遠慮なく聞く。署名・捺印しても契約ではない

重要事項説明で説明される項目は以下などです。とても内容が多いですね。

なにやらよく分からない項目がありますが、これを噛み砕いて説明し、お客様にしっかりと理解していただくのが宅地建物取引士の役割です。分からないことや気になることは納得するまで、遠慮なく何度でも確認しましょう。

項目内容
権利関係
  • 登記された権利の種類・内容
  • 私道に関する負担など
権利制限内容
物件属性
  • 飲料水・電気・ガスの供給、排水施設の整備状況・見通し
  • 宅地造成または建物建築の工事完了時における形状・構造など(未完成物件の場合)
  • 宅地建物が造成宅地防災区域内か否か
  • 宅地建物が土砂災害警戒区域内か否か
  • 宅地建物が津波災害警戒区域内か否か
  • 石綿(アスベスト)使用調査結果の内容
  • 耐震診断の内容
  • 住宅性能評価書の交付の有無
取引条件
  • 契約の解除に関する事項
  • 損害賠償額の予定または違約金に関する事項
  • 代金、交換差金以外に授受される金額・目的
宅建業者が講じる措置
  • 手付金などの保全措置の概要(業者が自ら売主の場合)
  • 支払金または預り金の保全措置の概要
  • 金銭の貸借のあっせん
  • 瑕疵担保責任の履行に関して講ずる措置の内容
区分所有建物の場合
  • 敷地に関する権利の種類・内容
  • 共有部分に関する規約などの定め
  • 専有部分の用途その他の利用制限に関する規約などの定め
  • 専用使用権に関する規約などの定め
  • 所有者が負担すべき費用を特定の者のみに減免する旨の規約などの定め
  • 通常の管理費用の額
  • マンション管理の委託先
  • 建物の維持修繕の実施状況の記録

説明を受けた後、購入予定者(お客様)は重要事項説明に署名・捺印します。

しかしこれは、不動産取引の内容を理解したことを確認するものであって、決して契約ではありません。

「説明は理解したけれども、今回の契約はしたくない」となれば、契約書に署名・捺印することを拒否することもできます。

実態は重要事項説明の後に「即」契約。不安なら事前にもらってチェック

実際には、重要事項説明と契約は同じ日に行われることが多いです。

その場の雰囲気に流され、よくわからないけど契約書に判を押すということだけは絶対に避けなければなりません。

no_ss本来であれば、重要事項説明を受けた後、改めて最終的な検討・確認を経た上で、契約したいものです。

不安であれば、「事前に重要事項説明書と契約書を送ってください」とお願いしましょう。

付帯設備や物件状況の確認書(告知書)も忘れない!

重要事項説明書だけでなく、付帯設備や物件状況の確認を行う「付帯設備表」や「物件状況確認書」という告知書を提出してもらうことも可能です。

特に中古住宅の場合には、過去の修繕履歴や隠れた瑕疵(かし)を把握することがとても重要です。

契約書は重説と重複する部分が多いが入念に再チェック

重要事項説明の内容に納得すれば、残るは契約です。

重要事項説明は「こういう条件で契約を結ぶけどいいですか」という確認ですので、契約書と重なる部分も多くあります。

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契約の段階でも細心の注意をはらい、再確認の意味でしっかりチェックしましょう。

最低限、3つのポイントは抑えておきましょう。ご自身できちんと理解した上で、新たなお部屋に入居しましょう。

契約条文はあいまいにしない。分からない場合は具体例を聴く

契約条文はマイホーム購入の諸条件を決める非常に大切なものです。

「よく内容が分からないけどこんなものかな…」とあいまいにすることなく、しっかりと内容を理解し、明確にしましょう。

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特に、契約書の言葉は難しいことが多いものです。

よくわからない条文がある場合には「例えばこれはどういう場合を想定しているのですか」と聞き、具体例を交えて理解を深めるのとよいでしょう。

署名・捺印はすべて自分で。納得するまでハンコを押さない

いくら信用できる営業パーソンでも、絶対にハンコを押してもらってはいけません。

ハンコを預けるなどはもってのほかです。必ずご自身で押すようにしましょう。

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契約書は契約したことを証明し、権利や義務が発生することをお互いに文書で確認するものです。

基本の基本ですがある程度の緊張感をもって契約したいですね。

具体的な日付を明記する。引き渡し時期がズレると無駄な時間・おカネが発生

契約書に「引渡日」などが明記されていることを確認しましょう。

もし、契約時点で日付が確定できない場合は、後日、はっきりした時点で契約書に追記するか、念書をもらっておくようにしましょう。

多くの方は引き渡し時期にあわせて今住んでいる住宅から新居へ引っ越しします。もし、売主が約束通り明け渡してくれなければ、あらためて引っ越しのスケジュールを組まなければならず手間暇がかかります。

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また、賃貸住宅に住んでいる場合は、その日にあわせて解約の手続きを行っているでしょう。

引き渡し時期が延びた分、あらためてそこへ住ませてもらうか仮住まいを手配しなければなりません。いずれにしても家賃などのおカネがかかってしまいます。

引き渡し日のみならず、契約書に書いている日付はとても大切です。今一度確認しましょう。

【参考】契約は口頭で成立する。契約書は確認書に過ぎない?!

マイホームの売買契約は法律上、口頭で成立します。

つまり、あなたが「この家を買いたい」といい、売主が「売ります」といえばその時点で契約は成立しているのです。

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ただそれだと、言った言わないの水掛け論になる可能性が高いため、契約書という書面でお互いが合意した内容を確認しているのです。

通常は、契約書に署名・捺印した時点で契約が成立したと考えるのが一般的でしょう。その後、決済(おカネの授受)が終わった時点で所有権が売主からあなた(買主)に移転するのが一般的です。

決済(売買金額の受け渡し)と住宅の引き渡しが終われば居住できる

重要事項説明も終わり、契約も無事締結できれば、残るは「決済」と「引渡し」のみです。

契約時に手付金を支払っていますが、その残りのお金を売主にすべて支払うことを決済といいます。

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実際には、多くの方はローンを組んでマイホームを購入されますので、まずは銀行が残代金を立て替え、その立て替てもらったおカネを、今後30年程度で返済していくことになります。

ローンを組んだ場合、決済は銀行で行われることも多いです。

key_sマイホームを売主が購入者(お客様)へお渡しすることを引渡しといいます。決済(残代金の支払い)が確認できた後に、カギを受け取って引渡しが終了します。

所有権移転登記を行って自分の家であることを確認する

決済・引き渡しと同時に、確かに「このマイホームは私のものだ!」ということを明らかにするために、法務局で所有権移転登記も行います。

多くの場合、これは司法書士が行いますのでわざわざ法務局へ出向く必要はありません。

具体的には、以下を司法書士が行います。

  • 抵当権の抹消(購入予定の物件に抵当が付いていたら、それをなくします)
  • 売主から買主への所有権の移転(新築物件の場合は所有権の保存)
  • 新たな抵当権の設定(ローンを組んだ場合、銀行がマイホームに抵当を設定します)

入居後すぐに住宅の状況確認!付帯設備表や物件状況確認書をチェック

中古住宅の場合、契約時には人が住んでいることもあり、中を詳しく見ることができないこともあります。

基本的には現状有姿といって、現在の状態のままで引き渡しを受ける取引になります。

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そのため、引き渡し後すぐ、契約時に渡された告知書(付帯設備表や物件状況確認書)の内容通りになっているか確認をしましょう。もし、記載内容と異なっていれば、売主側に直してもらうことができます。

そして、設備をひと通りすべて動かしてみることもとても大切です。もし不備が発見されたら、すぐに売主(不動産会社)に連絡しましょう。

「思ってたのと違う…」これを防ぐ物件状況報告書(告知書)と付帯設備表とは?

新築の場合は決済・引渡し前の「現場立会い」が必須

新築住宅の場合、契約~決済・引渡しの前に必ず現場立会いを行います。

一般的に、契約~引渡しまでには1カ月程度ありますが、できれば引渡しの2週間前には物件立会いを行いましょう。

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これは、希望通りきちんとマイホームが完成しているかチェックするもので、ご自身の目でしっかりと隅々までマイホームを確認しましょう。

もし、不具合のある箇所が見つかれば補修してもらいます。後日、その補修部分について改めてチェックします。

このように、引渡し前の現場立会いは非常に大切な検査です。「2週間前」というのは、補修が必要となることを想定して、余裕を持って臨みたいためです。

買付申込み・重説・契約・決済・引き渡しのまとめ

いいな!と思う物件があれば購入申し込みをしましょう。これは契約ではなくキャンセルもできますが相手方もあることですので、誠実な対応をしたいですね。

そして、条件交渉をするならばこのタイミングです。

条件交渉がまとまった後、契約を締結する前に、必ず重要事項説明があります。専門用語が多く使われわかりづらい部分も少なくありませんが、不明点があれば遠慮なく納得するまで聞きましょう。

その後すぐに契約に移る場合が多いのですが、どうしても納得できなかったり不安がある場合には契約書を結ばなくても構いません。それよりも安心して契約することが大事です。

そして、宅建業法が2016年に改正されたことによって、特に中古住宅の売買に大きな影響を与えます。次は、これによって重要事項説明や売買契約がどのように変わるのかみていきましょう。

改正宅建業法によりインスペクション(建物状況調査)が普及!(2018年4月本格施行)

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