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公開されていない状態の物件、ただそれだけ。良い物件かどうかは関係ない
REINSにはほとんどの物件が掲載されていますが、すべての物件が載っているわけではありません。一部「非公開物件」というものがあります。
ただしこの非公開物件(未公開物件)、きちんと理解した上でその言葉を受け取らないと大変な誤解を生むおそれがあります。
非公開物件とはその名の通り、まだ一部にしか公にされていない状態の物件です。それ以上でもそれ以下でもないのです。
だからこそ、非公開物件だから良い物件とは限らず、なにか怪しいものでも特別なものでもありません。それらはまったく別問題です。
「公開したくない」というなんらかの事情があるだけなのです。非公開か公開かにこだわらず、ご自身の目でしっかりと物件を評価することが大切です。
未公開物件は、取り扱える不動産会社を限定。危険な取引の入り口にもなる
非公開物件は誰に対して公開されていないかといえば、それは「不動産業者」です。
物件情報を集めるデータベースはザックリいうと、不動産業者専用の物件サイト「REINS」と、SUUMOのような民間企業が運営する不動産情報サイトの2つがあります。
このうち、REINSに載っていない物件のことを業界では未公開物件といいます。REINSに登録していなければ、(不特定多数の個人買主がアクセスできる)SUUMOには載せてある物件も「未公開物件」なのです。
つまり、非公開物件といわれるものは、取引できる不動産業者が限定されてしまう物件とも言い換えられます。
個人のお客様(買主)は、SUUMOに掲載されている不動産会社には問い合わせられますが、全国の不動産屋はこの業者へ問い合わせられません。
逆に、SUUMOには掲載せず、REINSにだけ載せている物件は非公開物件ではありません。一般のお客様(買主)はネットからは知り得ませんが、不動産屋さんに訪問すれば知ることができるためです。
売主は販売機会が減り、買主は押し売りされる?両手仲介取引を狙う業者に要注意
ある業者がREINSに登録されれば、全国に存在する他の不動産屋もREINSの物件をお客様に紹介することができます。
本来、SUUMOに載せていない業者でも、ほとんど全ての物件が取引できるようになっています。広く取引がなされるように、多くの不動産会社が買主をみつける機会が得られるシステムが作られています。
一方で、SUUMOのような民間の物件ポータルサイトにのみ掲載し、REINSに載せない場合にはどうでしょう。
売主にとっては(売却を依頼した)特定の不動産会社を通じてしか取引されず販売機会が減ります。買主にとっても、この不動産会社から押し売りされやすくなり、危険な取引になりかねません。
両手仲介取引で売主・買主両方から仲介手数料が得られるオイシイ取引となりがちなため、業者としては何としても契約させようという動機が働くためです。
非公開物件は危険な取引の入り口かもしれず、通常の取引よりも気を付けなければことは覚えておきましょう。
「出回り物件ではありませんよ」買主にプレミアム感を出したい業者の手口
本来の未公開物件ではありませんが、買主にプレミアム感を醸し出したい場合に「これは非公開ですよ…」とセールストークに使う場合もあります。
実は、REINSに登録されている物件の中には、不特定多数の個人顧客がアクセスできるSUUMOなどへのネット広告が不可の物件があります。「ひっそりと自宅を売りたい…」といったケースが一例です。
また、不動産業界は「お客様がアクセスできるインターネットの物件情報サイトに載っている(出回ってる)物件は、特別感が出せない」と考えます。このようなSUUMOなどに載っている物件を「出回り物件」と忌み嫌う業界用語もあるくらいです。
出回り物件を防ぐために、「ネット広告不可物件」となっている物件はREINSの中に一定数存在します。
この「ネット広告不可」のREINS物件は、本当はどの不動産業者でも取り扱うことのできる物件ではあり、非公開物件ではありません。どの不動産会社でもその物件を取引できる公開物件です。
ただし、そもそもREINSをみることができないお客様(買主候補者)に対して、「ホントだ!SUUMOにもat-homeにも載せられていない物件だ!」と“非公開”というプレミアム感を与えられるのです。
不審に思えばREINSを直接見せてもらう。冷静に検証する不動産業者を選びたい
個人のお客様にはREINSに登録されているかどうかは分からないため、「未公開物件ですよ…」と購買意欲を掻き立てられるかもしれません。
冷静に考えてみれば、本来の意味での(REINSに掲載されない)非公開物件であれば、個人のお客様だけに接することができるSUUMOなどのポータルサイトに物件を載せます。
ですので、インターネット広告が一切なされていない時点で怪しいと思うべきかもしれません。
不審な場合は「REINSを一緒に見せてくれませんか」と言ってみるのも一つの手です。一般的に不動産会社はREINSを直接見せたがりませんが、不安のまま取引を進めるのはおすすめできません。
いずれにせよここで注意したいのは、「出回り物件」でないからといって良い物件というわけではない、ということです。
「非公開物件」と嘘をついてプレミアム感を醸し出し、契約を迫られないためにも、「買っていい物件かどうか」を冷静に検証する不動産会社を選びましょう。
掘り出し物件で公開しなくても売れる場合。業者間で取引されることも多い
中には掘り出し物件もあります。このような物件は、わざわざコストをかけて販売活動を行わなくてもスグに買い手がみつかることが多いものです。
その多くの場合には懇意にしている顧客(取引業者を含む)へ連絡することになります。お互い良好な関係が築けているため適正な価格での売買となりやすい傾向にあります。
スグに買主が見つかるという性質上、なかなか一般市場に出てこない傾向にもあります。場合によっては、不動産会社同士で売買が行われることも多いものです。
そのような物件情報をいち早く仕入れるためには、普段からどのような物件を探しているか、懇意にしている不動産会社へ希望条件や予算などを具体的に伝えておくとよいでしょう。
自宅が売り出されることを知られず、ひっそりと売りたい場合は非公開に
売主が「近隣の住人に自宅を売ることを知られたくない…」とこっそり売りたい場合には、それだけで非公開物件となることがあります。
REINSにもSUUMOにも載せず、「おたくの直接知っているお客さん(買主)に自宅の売却をお願いしたい」というケースです。立地もよく買い手が付きやすい場合にはこれで売買が成立することがあります。
ただ、買主候補者を大きく限定するため、それで売却がうまくいかない場合には「SUUMOやat-homeなどのインターネットには載せず、REINSにだけは載せてくれ」となる場合もあります。
こうなると、それぞれの不動産屋さんに来店したお客様(買主候補者)に、REINSから物件情報を取り出して紹介するようになります。
全国のたくさんの不動産会社がこの物件を取り扱えるようになり、非公開物件ではなくなります。
まったく同じ物件であっても、タイミングによって非公開になったり、公開になったりするのです。「非公開物件」というだけでは、物件の良し悪しが決して判断できないことがわかりますね。
REINSを使わない不動産屋の物件は未公開。老舗の地場密着業者に多い
昔ながらの地元に根づいた不動産会社の場合、古くからのオーナー(売主・地主)やお客様(買主)を多く抱える会社もあります。
そのような会社の場合、そもそもREINSなどを使わずとも営業ができます。この不動産会社が扱う物件は、それだけの理由でその多くが非公開物件になります。
そのような会社は規模が小さいことも多く、これまで築き上げた取引先との関係で会社が経営できるため、広告をうつ必要もありません。
中には図面を昔ながらの手書きの物件広告を出す会社もあります。会社の経営スタイルによっても、物件が未公開となることもあるのですね。
非公開物件のまとめ
非公開物件と一口にいっても、さまざまな事情があり必ずしも特別なものでないことをみてきました。
売主や会社の都合のみならず、他にも様々な理由によって「非公開」になるのです。もちろん「非公開物件」には素晴らしいものもあります。そしてそれは出回り物件でも同じことです。
ですので、物件が公になっているかどうかで右往左往するよりも、物件をしっかり精査できる不動産会社を選ぶことの方がはるかに大事です。
「非公開物件です」=「質の高い物件です」ではなく、「非公開物件です」=「他には公開していません。あなたにとってこの物件が魅力的か、まずは考えてみてください」というメッセージと捉えましょう。
決して、自社利益のために両手取引を優先したい仲介業者や、物件情報の紹介だけに価値を置いた「物件紹介屋」では取引しないようにしましょう。
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