更新料のほかにも、地主が承諾する度にさまざまな”承諾料”が発生

土地賃借権としての借地権では、譲渡や増改築などの度に地主の承諾が必要です。

そして、多くの場合、承諾の際に承諾料というおカネを賃借人から地主へ支払うことになります。

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借地契約を変更して欲しいと依頼して地主が承諾した時には「条件変更承諾料」、増改築を承諾した場合には「増改築承諾料」、借地権の売却を地主が承諾した場合に「譲渡承諾料」、そして新たな借地権者に借地権が渡った際には「名義書換料」などです。

借地契約更新時の更新料以外にも、ことあるごとに承諾料が要求されるのですね。ただし、相続によって借地権者が変更した場合には名義書換料は発生しません。

また、これらの承諾料の水準も一般的な計算方法がありますが、地域差や関係性など複数の要因で大きく異なります。

地主は地代だけでは収益が少ない。更新料や承諾料で補完する構図

地主がガメツイ!と感じられる方もいらっしゃると思いますが、地主にも地主の言い分があります。

基本的に、借地契約では借主の権利がとても強く、また地代の相場も高いとはいえず、地主は他の収益をあてにしたい事情があるのです。

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地主はほとんどリスクを取らず借地権者から安定的に地代収益をあげられるので、その水準が低いのは合理的ともいえます。

ただし、地主も自分で賃貸マンション経営をしたいと思っても、借地借家法に拒まれ一度貸すとなかなか帰ってこない事情もあります。他の収益源を求め、たまに発生する臨時収入として承諾料を期待しているのです。

地代収入のみでは実質利回りがわずか0.5%?!更新料や承諾料が欲しくなる

地代=固都税×3倍とした場合、単純計算で地主の利益は(支払わなければいけない固都税を差し引いて)「固都税×2倍分」です。

固定資産税および都市計画税は以下の式で額が決まりますが、住宅が建っている場合には住宅用地の特例措置でそれぞれ評価額が1/6、1/3に軽減されます。

つまりこの場合、土地の固定資産税評価額が公示地価の70%水準であるとして単純計算すると、「固都税=公示地価×70%×(1/6)×1.4%+公示地価×70%×(1/3)×0.3%」となりますので、以下で概算されます。

固都税=公示地価×0.23%

公示地価は土地の取引価格の基準となるものであるため、地主は以下の通り、地代のみの場合には実質利回りがわずか「0.5%程度」といえるのです。

地主の年間利益(=固都税×2倍)=公示地価×0.46%

もちろん、数十年前の土地価格が現在の公示地価とはかけ離れていることも多いと考えられますし、これは概算にすぎません。

しかし賃貸アパートやマンションを建てた場合には数%~10%程度の利回りがでることをみると、他で収益をあげたくなる地主の気持ちも理解できるかもしれませんね。

建物買取請求権を使うことで、地主に建物を押し売りできる

借地権で揉めるのは、契約終了時や第三者へ建物の所有権が変わった際に、土地の上に建った建物をどうするかという問題です。

これについて、借地借家法では借主側をかなり保護しており、地主に建物を買い取らせるという強い権利を与えています。

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ただし、普通定期試薬地検と事業用定期借地権には、買取請求権は認められておらず、基本的期には建物を取り壊し更地で地主へ変換することになります。

地主が更新を拒めば建物を買い取れと請求できる。無断再築でも可

借地権の存続期間が終了し借地契約を更新するかどうかという状況になった時、地主が正当事由を遅滞なく延べ、契約を終了させる場合を考えます。

その時に建物があれば土地の借主としては、まだ使える建物を更地にして戻すのではなく、その建物をそのまま地主に買い取れ!と要求できるのです。

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驚くべきことに、借地人が地主の承諾を得ずに無断で残存期間を超えて存続するような建物に建て替えて更新期日が到来した場合にも、建物を買い取らなければなりません。

勝手に再築したものですので契約違反となり更新はせずに契約解除となる可能性が高いですが、そのために建物を買い取らなければならなりません。借地借家法は極めて賃借人(借主)を保護していることがよくわかります。

建物を購入した新たな土地利用者に、地主が借地権を認めなければ押し売りできる

借主が借地権(賃借権)を第三者に売却したり転貸する際には、地主の承諾が必要です。

しかし、土地の上に建てた建物は借主の所有物ですので、第三者に売却することに地主の承諾を受ける必要はありません。

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借主から建物を購入した人が、借地権を与えられない(借地権を購入できない、または借りられない)とその建物を使うことができなくなり、せっかく支払った建物購入資金が無駄になり大損してしまいます。

そのための救済措置として、借地権が第三者にわたることを地主が頑なに拒否する場合には、建物を購入した人が地主に対して「建物を時価で買い取れ」と強引に押し売りできるのです。

もし、地主が買い取りを拒む場合は、その期間、建物を購入した人(時価で買い取れと請求した人)は建物の引き渡しを拒むことができ、土地を使うことができます。

裁判所に地主の承諾に代わる許可をもらって土地を利用できる

借地権では、なにかと地主の承諾が必要となります。

地主の首の振り方一つで土地の借主の権利が侵害される状況に鑑み、そのような場合には裁判所が救済する措置を用意しています。

建物をどうしても増改築したい場合

借地契約では、多くの場合増改築に地主の承諾を求める契約が結ばれます。

建物自体は土地の借主のものですので、建物をどのようにしようが、ある程度は借主の意見を通すようにすることが必要でしょう。

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そのため、地主が増改築を拒む場合には、裁判所が地主の承諾に代わる許可をもらうことができます。

裁判所が許可すれば、地主が拒んでも増改築することができるようになります。

買取請求では納得できず、どうしても土地を使いたい場合

土地の賃借人が建てた建物を買い取ったにもかかわらず、地主が借地権が移ることを承諾しない場合、建物の買取請求を行うことができるのでした。

しかしこの場合、建物の購入資金は回収できますが、結局、その土地を利用することを諦めることになります。

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この許可ができれば、借地権が第三者に渡ること(譲渡・転貸)を地主が拒んでも、建物を購入した人は新たな土地の借主(借地権者)として、その土地を利用することができます。

地主と借主はお互い仲良くするのが得策

地主は少しでも収入を増やしたく、借主は少しでも出費を減らしたというお互いの利害が一致しない関係です。

利益相反の関係上、地代や更新料で揉めるのはある意味仕方ないことなのかもしれません。

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なにより裁判などとなった場合に、お互いが疲弊することとなり誰も得するものではありません。

【地主視点】借主の勝手な暴走を促してしまう恐れがある

地主側にたてば、借主との関係を悪化させてしまうと、借主も地主にお伺いを立てるのを嫌がるようになります。

そうなると、無断での増改築や地代の滞納など嫌がらせに走られるかもしれません。

【借主視点】将来の借地権売却価格が下がる恐れがある

賃借人(借主)の立場に立てば、将来、借地権付きの建物を売却したい場合に、借地権評価額が下がり売却価格が下落することも十分考えられます。

借地権を売却するには地主の承諾が必要となりますが、その承諾を受けられないかもしれません。

その場合には裁判所に「地主の承諾に代わる許可」を受けることで第三者への売却が可能となります。

しかし裁判には手間も時間もおカネもかかり、そもそも地主と揉めている借地権付建物を買いたいという買い手は極めて少なく、買い手がついたとしてもとても安値での売却となるのが実態です。

【両者視点】土地+建物を最高値で売る共同売却が失敗する恐れがある

両者とも将来第三者に対して、土地+建物を売却する時、つまり地主の底地+借主の借地権・建物を合わせて売却する際には歩調を合わせなければなりません。

買い手にとっては土地の所有権(=土地の底地+借地権)+建物を手に入れることができるため、一番高値で売れる売却方法です。

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そんな時に共同売主である地主・賃借人がいがみ合っていたのでは高く売るものも売れなくなってしまいます。

いずれにしても、まずはお互いがお互いを思いやり良好な関係を築きたいですね。

土地借主の権利・義務のまとめ

土地の借主には、地主へことあるごとに承諾料を払わなければならない一方で、地主が更新を拒めば建物を買い取らせることができる強い権利も持っています。

また、建物の増改築をどうしても実施した場合や、建物を売却したのに購入した人に借地権を譲渡することを拒む場合には裁判所に泣きつくこともできます。

どうしても利害関係がありますので、揉めやすい一面もありますが、将来的な売却などを見据えると、大局的にはお互いを思いやって仲良くすることが両者にとってメリットがあります。人として、気持ちの良い関係性を築きたいですね。

次は、借地権や底地権を売却する時にどのように価格が決まるのかをみていきましょう。借地権独特の決まり方をしますので、しっかり理解しましょう!

底地権・借地権の売却価格の決まり方

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